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となりの更年期カタログ vol.1 更年期と高齢出産育児のポジティブな面を考えたい:Kさん(49歳)

となりの更年期カタログvol.1

どんな人生を送っていても、女性のからだをもつ人にいつかは訪れる更年期。せっかくならいろんな人の更年期とその過ごし方を聞いて、読者の皆さまと共有したい!参考にしたい!というのが「となりの更年期カタログ」。
今回登場してくれるのは都内在住の会社員、Kさん(49歳)。高1と小3の娘さんを持つ、元気あふれるママさんです。

数十年も付き合ったのに、終わる時はさよならも言わないなんて

──Kさんは来月で50歳を迎えるとお伺いしました。この数年単位で、体調面、特に婦人科系では何か変化はありましたか?

Kさん:いわゆる更年期症状という感じの表立った不調はないですね。ただ、2年くらい前から月経周期が空きだしました。最初は4カ月くらいぱたっと来なくなったので、「何十年も付き合ってきたのに、さよならも言わずに!?」って戸惑いましたよ。でもその後、再びやってきたときには、ちょっと安心したというか、「まだ来るんだ!」みたいなちょっと嬉しいような……。閉経すれば煩わしさからも解放されるし、もう子どもを産むわけでもないんですけどね。

──まんざらでもないみたいな感じですかね。元々月経不順とかそういう悩みはなかったですか?

Kさん:大体26日周期だったので平均より少しサイクルが早い分、早く閉経するのかも?と想像はしていました。でも、そこから1年くらいまた通常サイクルでやってきたり、忘れた頃にまた来なくなったりを繰り返している感じです。
この春に、長女が中学を卒業して、ちょうど自治体からの医療補助が3月末で満了するため、駆け込みがてら歯科検診、耳鼻科、眼科、あとちょっと生理痛の悩みもあるからって婦人科に付き添ったんですよ。その場で、私もちょっと相談させてもらったら、初潮を迎えたときに周期が安定しない状態から、少しずつサイクルが整っていくように、終わるときも何となくフェイドアウトしていくものだから、年齢的にも全然不思議ではないんですよって言われました。

脱毛サロンでまさかの「お母さまもいかがですか?」

──日本の閉経する平均年齢は50.5歳と言われていますもんね。お医者さんの言葉でちょっとホっとした部分もあるんじゃないですか。

Kさん:それでもないならない方がいいとは思っちゃいますけどね(笑)でも、長女の付き添いをすると新鮮な驚きが色々あります。いま、彼女は全身脱毛に通っているんですよ。

──この春、中学卒業ってことは高校1年生?随分早いですね。

Kさん:今まで美容とか気にするタイプの子じゃなかったし、自分から脱毛サロンに行きたいとは言わなかったんだけど、ちょっと気になるって話していて。貯めてたお年玉をかき集めてやりたい!!って言うから、私も構わないかなと。

──いったん悩み出しちゃったら、そのことで頭がいっぱいになってしまいますしね。自己処理で肌を傷つけてしまったり、乾燥してしまったりすることもありますし。

Kさん:初回に私も付き添ったんですけど、エステティシャンのお姉さんに「お母さまもいかがですか?」って訊かれて。若いころに脇の脱毛はしたけど、腕や足はそこまで毛深い方じゃないから、え~?と思ったら、「最近はVIOの脱毛をされる4、50代の方も多いんですよ」って言われて!

──それってもしや……

Kさん:介護を受けるようになったときに、ケアしてくれる人への配慮っていう考えが今はあるんですよって聞かされて、びっくりしちゃいました。

──その話は本当に最近よく聞きますよね。しかも白髪になっちゃうとレーザー照射しても反応しないから今のうちだとか。「ムダ毛って言うからにはムダでしょう」って意見も「人体の構造上、必要があって生えているんだからムダ扱いしなくていいでしょう」って意見もどちらも理解はできるので難しいですよね。

Kさん:介護される年齢まで長生きするのかな?っていうのがすごく私には疑問なんです。というのも、私は両親がちょうど今の私と同じくらいの年齢で亡くなっているから、両親のイメージが若いままで止まっているんですよね。だから自分自身も老いていく予想図が描けないし、すごく長生きしたい!っていう希望も持っていないんです。だからサロンで勧誘されたときはとてもビックリしたけど……。やるなら今なのかなあ、でもやっぱり恥ずかしさがありますね。

若くいようと思えるのは次女がいるから。高齢出産のメリットをポジティブに考えたい

──確かに、自分が親の年齢を越すって衝撃強いでしょうね。とはいえ、日本女性の平均寿命は最新版で86.7歳くらいですよね。

Kさん:学生時代はずっと運動部にいたから、大学の先輩とかでも今も体を動かしている人が多いんですよ。50代に突入しても健康的で綺麗な人も多いから、憧れもあるし、私はあんな風になれるのかなって焦りも若干あるけど。でもこの1~2年はお悔みの場も何度かあって。

─平均寿命を考慮するとまだまだ早いけど、それでも「まさか」が全くないとは言えない年代ですものね。

Kさん:他人事ではないというか、気が引き締まる思いはありますね。同世代だとまだ子どもが小さい人も多いし、私自身も次女はまだ小3なので。自分だけが天国に行って済む話じゃないなって思います。

──自分1人の健康じゃないんだよって言うのは、子育てしていると如実に感じますよね。

Kさん:でも長女を通じてできたママ友たちと集まると、同世代の中でも私は若々しいって結構言われるんです。彼女たちと私が何か特別に違うのかって言ったら決してそんなことはないんだけど、まだ次女が小さいっていうことは張り合いになっているかもしれません。次女のために、白髪もまめに染めようとか、できるだけ若々しくいたいなって思いますから。高齢出産のデメリットが多く叫ばれる世の中だけど、ポジティブにメリットを見つけようって自然に思えるんですよ。

──どの年代で産んでも一長一短はありますよね。

Kさん:仕事の上では、人に任せやすい立場になっていたり、休みも比較的取りやすくなったりはするだろうし、キャリアにブランクを作るダメージも少なくて済むかもしれないですからね。自分とパートナーが納得していたら、「いつが産みどき」なんてないと思います。

──私たちとしても、Kさんみたいにポジティブな等身大の声をもっと届けたいなと思います。

Kさん:あ、でも運動不足はすごく気にしています。コロナ禍でこれまでの電車通勤をやめて、車通勤にしたら味しめちゃって。たかだか1年半くらいだけど、こんなにも脚力が落ちるんだなと気づいて愕然としています。これが10年前、20年前だったらここまで変わらなかったのかもしれないけど。ただ、次女の保育園時代の送迎に使っていた電動自転車は、いま長女に譲ってしまったから、いまさら普通の自転車で駅まで往復するなんて考えられないし……。また電車通勤するようになったら、新たに電動自転車買わなきゃいけないかも(笑)。

真貝 友香(ライター)

ソフトウェア開発職、携帯向け音楽配信事業にて社内SEを経験した後、マーケティング業務に従事。高校生からOLまで女性をターゲットにしたリサーチをメインに調査・分析業務を行う。
妊娠出産を機にフリーライターとして活動。子育て、教育、キャリア、テクノロジー、フェムテックなど幅広く取材・執筆中。

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