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ついに発覚「橋本病」。でも「体調不良とは関係ない」ってどういうこと? マンゴーvol.17

橋本病と診断され、モヤモヤを抱える完熟マンゴーさん

チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!


ここまでのあらすじ

一進一退ありながら、2年前からめまいや倦怠感に悩まされているマンゴーです。心因性? 年齢によるもの? はたまたコロナ後遺症? など思い当たる原因が山ほどありましたが、婦人科、脳外科、循環器内科、耳鼻科にかかっても「異常なし」。気付けば東洋医学に流れ着き、今も鍼灸院に通っております。

そんななか健康診断を受けたら、「甲状腺が大きすぎる」と「胸にしこりアリ」で要精密検査に。改めて乳腺外来にてマンモグラフィー、エコー(乳房超音波検査)、血液検査を行って、「胸の腫瘤はたぶん良性」との診断を受けたマンゴーなのでした。


さて、あの地獄のマンモグラフィーから1週間。
甲状腺ホルモン値と抗体を調べた血液検査の結果を聞くべく、マンゴーは乳腺外来に向かいました。脳内ではいつものチビマンゴーたちが会話を始めます。


弱気マンゴー:甲状腺ホルモンは1年半前に調べて正常だったけど、今回はどうなのかな……。ドキドキ。
強気マンゴー:どうせまた「異常なし」なんじゃない?


そうだといいんだけど。
名前を呼ばれ、診察室に入り、着席。
お医者さまは、ぴらりと紙を出しながらこうおっしゃいました。

「これが、血液検査の結果です。甲状腺ホルモンは異常ありませんが、抗体の値が高いので、あきらかに橋本病(慢性甲状腺炎)の所見が出ていますね

強気マンゴー:わお、基準値をぶち抜いてるな!w
弱気マンゴー:え、一桁多くない!?(涙)


ええと、あきらかに橋本病の所見が出ている、というのは……、
「橋本病だ、ということでしょうか?」


医師「そうそう。」

強気マンゴー:お~今回は異常アリかー!お医者さん、えらいあっさり言ったな~。
弱気マンゴー:えっ? あたし……病気なの……?(涙)


本体マンゴー「……えーと、私はよく倦怠感やめまいを感じるのですが、原因は橋本病だから、ということでしょうか?


医師「いや、甲状腺ホルモンの値は正常だから、それが原因とは考えにくいねえ。」


弱気・強気・本体マンゴー:
えっ、不調の原因ではない?
また、ちがうんかーいっ!


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ハイ、ついに病名がついたマンゴーですが、ここでちょっと説明を。
前々回、マンゴーが秒で恋した男性医師が登場しましたが、その先生がチラッとおっしゃっていたことがあるんです。それは「橋本病かもしれないから、ちゃんと調べておこう」。よってマンゴーはこの時点で「橋本病」なるものをさっくり調べ、ひととおり知識は得ていました。

橋本病とは、自己免疫疾患のひとつ。全身の臓器に作用して身体を活性化させる甲状腺ホルモン、その出どころである甲状腺が自己抗体によって攻撃され、腫れて大きくなるというもの。※1

自己抗体の攻撃によって甲状腺の機能が低下すると、ホルモンの分泌が少なくなって甲状腺機能低下症となり、倦怠感、むくみ、冷え、体重増加、月経不順などの症状が起こるとか。

そうです、これらの症状はマンゴーがこの2年間悩んでいる不調と完全に一致。体重もじわじわ増えていることだし、私は橋本病のせいでダルかったのかと腑に落ちたので、上記の質問が出たわけですね。


でも、違う、そうじゃない……?
弱気・強気・本体マンゴーの頭には、でっかいはてなマークがぐるぐる回っていたのです。

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本体マンゴー「あのう、めまいや倦怠感がひどくて色々な病院をまわったのですが、どれも原因不明で……、今回も違うと……?」


医師「うーん、それはかわいそうだけど、その原因は甲状腺ホルモンじゃなさそうだね。いわゆる不定愁訴なのだと思うけど、原因がはっきり分からないから不定愁訴というわけでねぇ……」


不定愁訴は深淵です。
本体マンゴー「はあ……じゃあ、薬の服用などは……」


医師「いらないねえ。このまま様子を見ましょう」


クリニックからは1年後に来院するように言われ、私はよろよろと家路についたのでした。

弱気マンゴー:ねえ、橋本病だけど、何もしなくてOKなんだね。
強気マンゴー:うん、なんとなく煮え切らないけど……。


ホントにね、硬いまま古くなったオクラくらい煮え切りませんが、一般社団法人日本内分泌学会のWEBによると、橋本病は30~40代の女性に多く、その発症率は実に女性の10人に1人、つまりよくある病気のよう。

さらに「橋本病のうち甲状腺機能低下症になるのは4~5人に1人未満です。」※1より引用 ということで、病気であるものの深刻な事態になる方は少ないのでしょう。


しかしね、なんなら私はもう生活に支障をきたしているのです。
日中の息切れはしょっちゅう、夕方になると夕飯をつくれないくらいダルいし、取材のある日は1週間前から早寝をして調整します。飲酒なんて一昨年は週3でへっちゃらだったのに、今は月1でおちょこ3杯飲めればいい方。

体調へ注意を払っていなければ、うかつに生活できない。それがイヤなんです。

でも、それが不定愁訴というもので、(プレ)更年期の定め……なのでしょうか。



それともまだコロナ後遺症が続いているのか?
一生このままなのか……。ずうん。
ああ、モヤモヤする……。


弱気マンゴー:それにしても橋本病についての説明は医師からまったくなかったね。
強気マンゴー:そうだよなー。橋本病がどういうものかっていうのは、本体マンゴーが検索しまくって分かったことだよね。


ほんと、モヤモヤする!
モヤモヤが止まらない……!



あれ?
モヤモヤといえば……どこかで聞いたような(失念&カンテラを検索)。
モヤモヤと共にいて、しかしモヤモヤに喰われないようにする能力「ネガティブケイパビリティ」なるものがありました!
ありましたーってマンゴーが自ら書いてるんですけどねっ!
「マンゴーVol.11」を参照のこと



私は悟りました。
(プレ)更年期を生きることそのものが、
ネガティブケイパビリティを育むことだったのだと。

わたしたち、現在進行形でめっちゃ育んでいるのだと。



モヤモヤ半分、スッキリ半分。
私は私の身体に向き合って、今日もそこはかとない不調と共に暮らしております。



マンゴー
レベル:43
病名:橋本病 しかし甲状腺ホルモンは正常
体調:不調と仲良し しかしそれをアイデンティティにしたくはない
状態:ヘタレ しかしネガティブケイパビリティを育み中



参考
※1 一般社団法人 日本内分泌学会より
http://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=41


チーム完熟・マンゴー(ライター)

「チーム完熟」の下っぱ特攻隊長。厄年以上、更年期未満の1979年生まれ。フリーランスコピーライター / 唎酒師 / 2児の母 / 2021年5月に離婚。2020年末あたりから謎のめまいが頻発し、その原因を突き止めるべく病院をめぐる。2021年現在のストレス点数は685点(※300点以上で翌年に健康障害が生じる危険性80% 出典:夏目誠・大阪樟蔭女子大学教授提供より)。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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