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私の辞書には”不可能”という文字だらけ。3回行った健康診断。 マンゴーvol.14

ナポレオンになりたい完熟マンゴーさん

チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!


健康診断へ行くにも元気がいる。

子育て中のみなさま、夏休みをいかがお過ごしですか。
こちらマンゴー、下の子の学童弁当「夏の陣」、上の子の学童なしのフリースタイル地獄を味わっております。たのむ母さんをフリーにしてくれ。

今回から、「1回で済むところを3回に分かれてしまって健診に行ったところ、幸か不幸か要再検査になりました。これからどうなるの~」というマンゴーも結果を知らない、手探りの不調シリーズが開幕します。ネタの神様が気を利かせてくださったのかもしれませんが、もう病気系はいらないんだぜ……明るいの、ください……。

さて、身体の不調がひと段落したと思われたマンゴーですが、波をもちながら漠然としためまい、息切れ、だるさ、胸の痛みがかれこれ1年半ほど続いていました。不調も続くと日常になると申しましょうか、パッとしない状態がいつものこと、1日1回はしんどくてソファに寝転がる日々。調子のいい日は「天からのギフト!(合掌)」のような気持ちになっております。失うと分かる健康のありがたみよ。

これ以上悪くなったら生活に支障が出るなあ、もう出ているかもな……と横になりながら不安がっておりましたら、昨年は国民健康被保険者の市の健康診断に行っていないことに気が付きました。

2021年は、やれめまいだ、離婚だ、コロナだと濃厚なイベントが多発。それらにより、めまいの原因やコロナ後の不調原因を探るべく道場破りのように病院の門を叩きましたので、「調べ尽くしたからいっか」と安堵してもいたこともあります。
たしか、耳鼻科、婦人科、脳外科、循環器内科、内科をめぐりましたっけね。


しかし、それも過去のお話。
私は新たに老いている。


元夫と共同で子どもを養育しているとはいえ、シングルマザーでフリーランスという「心身壊したら詰む」立場ゆえに、調べておいた方がよいでしょう。そうじゃなくても健診、だいじよ。

しかし、皮肉なもので、健康診断はある程度健康になってからじゃないと行けません。マンゴーはめまいがひどくて外出できなかった日々を1か月ほど見送り、市の健診の検査項目をすべてカバーしている健診専門のクリニックを予約しました。ここであれば、ぜんぶまとめて2時間ほどで終わるらしい。素晴らしい。効率的にちゃちゃっとやっていただきたい。

検査項目は、胃がん、乳がん、肝炎ウィルス、肺がん・結核検診、子宮頸がん・体がん、大腸がん、基礎健診(問診・診察、身体計測、血圧測定、血液検査、尿検査、心電図検査)のずらり7項目です。

予約は最短で3週間後でした。けっこう先だけど2回先の生理はかぶらないし、大丈夫……そう思ったら1回目の生理が予想外に早く来てしまい、そこから予測すると、予約日はまるかぶりになるではないですか。わちゃー、だったら早めにキャンセル&予約しなきゃ埋まっちゃう~と1週間ほど後ろ倒しに予約しなおし、準備万端!

と思ったらですね、今度は2回目の生理が後ろ倒しになって、わざわざ延期した日に丸かぶりとなるではありませんか。ぐぬぬ私ったら、いらんことを!

そうなのです、(プレ)メノポーズの時期は、いろんな理由で月経周期が不安定になりがち。
すました顔で1週間ズレるのです。


ともかく月経中にできない検査をまた後ろ倒しにするしかない……というわけで、第1回目は、胃がん、乳がん、肝炎ウィルス、肺がん・結核検診のみ。別日に子宮頸がん・体がん、大腸がん、尿検査を含む基礎健診を行うことになったのでした。

マンゴー、バリウムから逃げる

突然ですが、みなさんは胃がんの検査方法をバリウムと胃カメラ、どちらで行っていますか?
クリニック予約時の簡易な説明によると「バリウムの方が広範囲で見ることができる」「胃カメラの方が胃の詳細が分かる」ようですね。

私は過去1回だけ胃カメラを飲んだことがあるのですが、カメラが胃へ下るときの反射嘔吐がひどくて気持ちが悪くなり、診察台もよだれと鼻水でビタビタになったという経験があります。看護師さんもちょっと引いていましたね。そのとき胃カメラはもう一生やらないと誓ったので、バリウムを選択しました。(※1)

一回目の検査日は雨が降っていましたので、自転車ではなく電車とバスを乗り継いで行くことにしました。停留所で迷い、乗り込むバスに迷いながらギリギリで到着すると、受付で思うように身体に力が入らない、なんだか息が苦しく気持ちが悪いのです。

うーん、この吐きそうな状態でバリウムを飲めるのだろうか。発泡剤を飲んだあとの「ゲップをしないでくださいね~」を守れるだろうか。ベッドの上で回転したらめまいが再発しそうだし……。注意事項の「便秘がちな人にはおすすめしない」という文言も今さら気になりだしました。


ぬぬぬ、どうしよう。
私の中の強気マンゴーが背中を押します。
「いやいや、緊張しているだけだろ、バリウムやってまえ~! 倒れても医療者がいるからなんとかなるだろ。」
だよね、後日だとまた面倒だし。


それに対して、私の中の弱気マンゴーが蛮勇をいさめます。
「やめておこうよ~。何だか身体がおかしいぞって時は、無理しないって決めたじゃん。これ不可能案件だってば!」
そうねえ、そうだよねえ。

今年のマンゴーは「逃げるが勝ち」がモットーです。吹雪の中のアルプス越えなんかしたくありません。というか「もう、無理ができない」のです

コロナ後、身体の不調について過敏になったり、パニック発作のようなものを経験しているため、「何だか身体がおかしいぞ」という状況が単純にこわくなってしまった。ああ、自分がめんどくさい。でも無理はしなくていい、いいよね……。

最近身に着いた受容、もとい諦めの精神でバリウムをやめて胃カメラへ変更してもらいました。眼前の狂犬を回避するために、後日の虎と対峙することを選んでしまったような気もしますが、今日の身体を大切にできて良かったと思うことにします。

結局、この日は乳がん、肝炎ウィルス、肺がん・結核検診を調べてもらい帰宅。胃カメラは混んでいたらしく、検査日はさらに3週間後となってしまいました。

朝ごはんを食べてきた女

1回目から約2週間がたった2回目の検査日は、最高気温39度の猛暑日でした。
電車+バスの乗り換えもきついので暑さに倒れては困るとタクシーを調達。生理中でもなかったので、万全の準備で挑みました。

が、やはり私はやらかすのです。

受付「最後のお食事から9時間経過していますか?」

え?

マンゴー「朝、食べてきちゃったんですが……」

受付「えっ……採血するので血糖値などが変わってきますが、ご了承いただけますか」

ぬ。胃の検査以外も食事抜きなのか!?
んで、血糖値が変わってきちゃったら検査の意味がないのでは……?
採血するの、嫌いだから何度もしたくないし……。

マンゴー「た、大変申し訳ないのですが、別の日にしていただいてもいいですか……」

またもや不備を重ね、尿検査を含む基礎健診を胃カメラと同日に再予約をしてもらうハメになったのでした。
なんだか、本当にすみません。


あ、でも待って。
また生理中の日とかぶるんでないかい?
尿検査ができないから、それを含んだ基本健診全体ができなくなるのでは。


弱気マンゴー「ああ、4回目の健診もあるかもね……」

強気マンゴー「いやいや~、また周期が乱れるかもしれないし、その時はそのときだ!」
うん、そうしよう。

第2回目のこの日は、子宮頸がん・体がん、大腸がんの検査のみを行うことに。そして、子宮頸がん・体がん検診では前もって看護師の方にこう聞かれました。

「年齢が高くなるにつれて、子宮の入り口が狭まるので、負担が大きそうだと医師が判断した場合、組織を採取するのを中止するので検査ができない場合もあります。ご了承いただけますか?」


あれ、これどこかで聞いたような……。
そうだ、前にマスカットさんが検査をできなかったことがあったっけ!

なるほど、実経験を共有しておくことは大切ですね。
事前に生の情報に触れていたので、マンゴーは安心して医師に身を任せることができました。

弱気マンゴー「痛かったらイヤだなあ……」
強気マンゴー「あ、思ったより余裕。うぇ~い」

女医さんの腕が良かったのか、痛みもなく無事に採取できたようです。
ふうっ。


さて、ここまでヤマもオチもない情けない話が続きましたが、マンゴーのミステイクが結果的に良い方向に転んだのかもしれません。3度目の正直で訪れた基本健診にてこれまでノーマークだった身体の部位が「ちょっと異常」であることが発覚し、もしやめまいや倦怠感の原因がそこにあるのでは……? と疑惑の目が向いたのです。

次回、診断のカギとなる”マンゴーが3秒で惚れた医師”が登場し、お話しは進みます。またお会いしましょう。みなさま、本当にお元気で。どうかご自愛くださいね。


マンゴー
レベル42.7
状態:猛暑の日は、外気温にひきずられて微熱になる身体
装備:タクシーアプリ導入。便利さにようやく気付く。
モットー:不可能なものは不可能でいい。

※1)カンテラ編集部より
検査リスクや不安の感じ方、体質などは個々人によって異なりますので、自分自身の状況に合わせて最適な検査方法を選択するようにしましょう。


チーム完熟・マンゴー(ライター)

「チーム完熟」の下っぱ特攻隊長。厄年以上、更年期未満の1979年生まれ。フリーランスコピーライター / 唎酒師 / 2児の母 / 2021年5月に離婚。2020年末あたりから謎のめまいが頻発し、その原因を突き止めるべく病院をめぐる。2021年現在のストレス点数は685点(※300点以上で翌年に健康障害が生じる危険性80% 出典:夏目誠・大阪樟蔭女子大学教授提供より)。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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