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乳腺外来で「しこり」と「甲状腺」を精密検査してみたところ。マンゴーvol.16

弱気と強気が同居する完熟マンゴーさん

チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!


月経周期やおっちょこちょいが災いして、健康診断を3回に分けて受診するハメになったマンゴー。幸か不幸か3度目の「基礎健診」の診察にあたってくれたのは、乳腺についての専門医師でした。
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『ひょっこりひょうたん島』のマシンガンダンディーのような風貌と、オラオラ体質の問診にマンゴーはマジで恋する5秒前となったのですが、1回目の健診ではスルーだった左胸のしこりがちょっとあやしい、加えて甲状腺が大きすぎるとの診断を受け、乳腺外来のあるレディースクリニックにて精密検査を受けることに。

特に知りたくないと思いますが、
わたくし、好きな人のいうことは、わりと聞くタイプです。きゅん。


さてマシンガンダンディーからもらった検査結果の書類を受付へ出し、まずは医師と対面です。
私は一度、検査結果の書類に目を通していたのですが、乳房のしこりについての言及はあっても、甲状腺の記述はなかったはず。ここでまたもや小さな葛藤が。

心の弱気マンゴー:あれ? ねえ、これって自分からお医者さんへ言った方がいいのかな?

心の強気マンゴー:書いてないならそうだろ。意外とそのへんの連携って取れてないんだろうなぁ~。

マンゴー「先生、しこりの他に、甲状腺が大きすぎると言われたのですが……」

医師「う~ん、そお? そんなに大きいとは思えないけどなぁ(触診)」

弱気&強気マンゴー:そうなの……? だったらいいけど。


少しの期待とモヤモヤを抱えながら、次にマンモグラフィーの部屋へと通されました。このクリニックは、過去2~3回行ったことがあり、勝手知ったるところだったので・す・が、マンモグラフィーとは、こんなに痛いものだったでしょうか。


もげるかと思いました。


数年前はここまで痛くはなかったはず。
母乳育児×2人と加齢のせいでしょうか。弾力を失った乳房さんは、マンモグラフィーの板ばさみの圧をかけられればかけられるほどに縮み、乳房の根本はぐいぐい引っ張られる。

お侍さんに「今年の米はこれだけか! 小作人どもめ、もっと出せ!!」と首を引っ張られ、なじられているイメージが脳裏に浮かびます。

「もうこれだけなんです! 勘弁してくだせえ……後生ですから」
と懇願するおのれの姿も浮かびます。

「ならん! ならん! もっとだ、もっと差し出せ!」

「お侍様、お、おやめください! ぐはあッ(ブチッ)」
おのれぇ、この痛み、七代祟ってやる……!


あまりの痛さに妄想も暴走。
マンモグラフィーの機械に恨みが募り、息も絶え絶えになってくるではありませんか。

これじゃあ、病気を調べるために病になりそう。
ただでさえ面倒な検査に痛みを伴うのですから、いくら身体のためだとしても、進んで健診に来ようとは思わなくなるのが人情です。

しかーし、私の祖母も叔母も乳がん経験者で、比較的に早期発見できたサバイバーでした。
とくれば、マンゴーもその体質があるわけで、少しでも怪しければ余地を潰しておくというのが私の流儀。痛みと引き換えに「異常なし」が担保されることは心の平穏につながるのだから……
でも痛い、なんとかしろ。

……などと考えていたら、どうやら世の中には「無痛MRI」なるシロモノがあるというではありませんか。次回オレンジさんが書いてくれるそうなので期待して待ちましょう。

あーあ、私も痛くないマンモを受けたかった。
なんなら分娩も無痛が良かった。
なんで日本には「お腹を痛めて生んで一人前」とか「痛みがあるから喜びが生じる」とかいう”痛みの美学”があるんでしょう?

そういう姑的な精神論、いらないんですけど。
痛みはなくとも、むしろ痛みなんてない方が、子どもを慈しむというのにね。


……などと思考の錯綜がやまないうちに、次はエコー(乳房超音波検査)へ。
胸と首にジェルを塗られ、外側から超音波を当て、内側の様子を見るというもの。妊婦だったころの検診を思い出します。

「ふうむぅ、甲状腺は明らかに大きいねえ。さっきは寝ているところを触診したからそうでもないと思ったけど(てへ)」と医師。

なんじゃいっ!
弱気&強気マンゴー:結局、大きいんかいっ!


マシンガンダンディーの見立てはやはり合っていた、やっぱりあの人に診てもらいたかった、会いたい、好き、などと複雑な思いに浸っていると、医師は次の診察へ行ってしまいます。
私は採血されるらしいのですが、なんとなく信頼が揺らいでいたので、看護師さんに尋ねてみました。

マンゴー「あのう、この採血は甲状腺ホルモンを調べるのでしょうか? 健診のときに、抗体も調べた方が良いと言われたのですが……」

看護師さん「はい、両方調べますよ。甲状腺ホルモンの数値は変動しやすいので、調べるたびに違ったりもしますのでね。」

ほう、そういうものなのですね。
甲状腺ホルモンの値を調べたのは、2021年の2月。
つい最近だと思っていたら1年半も前でした。
なんだか…本当に…あっという間。
やはり、私は新たに老いているのか。
ベッドに横たわって血を取られながら、年月の重さと軽さに想いを馳せたのでした。


医師「うーん、左胸にあったしこりは、たぶん、このしゅりゅうのことだと思います」
パソコン画面に先ほどのマンモグラフィーの画像でしょうか。マンゴーの乳房の中身が映し出されています。

マンゴー「はあ……」
弱気マンゴー:しゅりゅう、って何のことかな? いやな語感ね……。
強気マンゴー:聞け―! 質問しろー!

医師「左胸だけじゃなくて、右胸にもいくつかあるね」

マンゴー「そうですか……。あのう、しゅりゅうって何ですか?」

医師「腫瘤というのは、塊みたいなものね。この感じからすると……、うーん、今は問題ないと思うけどね、うん……」(※)

弱気マンゴー:ほんと~?
強気マンゴー:歯切れが悪いな。

マンゴー「……そうですか、良かったです」

医師「うん。甲状腺の方は、血液検査の結果が出てからお話ししまーす」

でサクッと終了。「腫瘤はあるけど、がんじゃなさそう」とのお診立てで経過観察。1年後にまた受診するように言われてこの日はクリニックを後にしました。

弱気マンゴー:あ~、ちょっとびっくりしたよね~。おつかれさま、やることはやったね。
強気マンゴー:身体の怪しい箇所がひとつ潰れてよかったじゃん!

うんうん。
そもそも健康診断とは、身体の不健康箇所をあぶりだすためのスキャニングのようなもの。であれば、「あやしい箇所」が見つかるのは、本来の目的にかなっているのであり、不幸中の幸いともいえます。

しかし、「要・精密検査ね」と言われると落ち着かなくなるのも事実。それを踏まえ、マンゴーがここ数年の不調騒ぎで学んだ気構えは、


詮索・検索しすぎず、プロにゆだねる。


身体の声を聴くのは大切ですが、必要以上に不安になっても毒なのです。よきバランスを保って診断を待つ、という態度が身についてきました。

そして「たかが検査だ、やって当たり前」だと思わずに、「こわかった~いやだった~」という気持ちを認め、労わることも気持ちを切り替えるうえで重要な儀式だと気が付きました。つまり、毎度の診療中ちょこちょこと顔を出す、弱気マンゴーと強気マンゴーの声に耳を傾けることです。

弱気マンゴー:はあ、なんだか疲れちゃった……。
強気マンゴー:甘いもん、食いてー!

だよね、ちょっと休憩してもバチは当たらないでしょう。
マンゴーはマンモグラフィーに吸い取られた乳と気力と体力をスイートポテトで埋め合わせながら、甲状腺ホルモンと抗体についてゆるゆる、血液検査の結果を待つことに決めたのです。

1週間後、甲状腺の検査結果を聞きに、再びクリニックへ参ります。


マンゴー
レベル43
装備:飢饉の時の米のごとく、マンモグラフィーにしぼり取られた乳。伸びたかも
状態:安堵とげっそりの両立
能力:弱気マンゴーと強気マンゴーの声を聴く。今回のTOP画像はそのお二人です。


)参考 日本予防医学協会
https://www.jpm1960.org/exam/exam12.html

チーム完熟・マンゴー(ライター)

「チーム完熟」の下っぱ特攻隊長。厄年以上、更年期未満の1979年生まれ。フリーランスコピーライター / 唎酒師 / 2児の母 / 2021年5月に離婚。2020年末あたりから謎のめまいが頻発し、その原因を突き止めるべく病院をめぐる。2021年現在のストレス点数は685点(※300点以上で翌年に健康障害が生じる危険性80% 出典:夏目誠・大阪樟蔭女子大学教授提供より)。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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