チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように! 
マタンゴだった主婦湿疹にさよならを。アラフォーからのセルフラブ vol.8
かゆい……。
 身体に異変が起きたのは結婚した直後のこと。
 
 指先に1ミリ程度の水疱がポツリと現れたのです。
 これが小粒ながら、めちゃくちゃかゆい。
 たまらず掻いてしまって、水疱が潰れると直後はラクになる。
 しかし、これこそが落とし穴でした。
 
 水疱がつぶれたことで薄い皮膚がめくれてしまい、それが治るまでに数日はかかるのだけど、治りそうになると新たな水疱が現れる。
 
 水疱→かゆい→掻き壊す→水疱→かゆい
 
 この連鎖が止まらないのです。
 掻かなきゃいいと頭ではわかっているものの、
 寝ている間のそれが止められないのです……。
 
 結果的に水疱の数は増えていき、水疱が現れる場所も増えていく。
 そして指は傷だらけに……。
 
 
 ある日わたしの手を見た義母がひとこと。
 「わー、マタンゴみたいね」
 
 マタンゴの意味はわからなかったけど、いいことではないだろうと感じました。
 当時、ネットで調べたら出てきましたよ。
 マタンゴとは、昭和38年に公開された日本の特撮ホラー映画のタイトルでした。
 あえて画像は添付しないです。気になる方はググってください……。
 
 義母に嫌われていたのか、もしくはデリカシーがない人なのか、離婚した今となっては確認できませんが、たぶんどっちも笑
 
 
 圧倒的ストレス!! (いろんな意味で!!)
 
 
 調べてみるとこれはどうやら「主婦湿疹」というものらしい。
 主な症状は、
  ・皮膚が赤くなりかゆみが出る
 ・小さなブツブツや水ぶくれ、ひび割れができる
 ・水ぶくれがつぶれてジクジクする
 ・皮がボロボロとむける
 ・水などがしみて痛い
 
 まさにまさに!すべてに当てはまる!
 
 もちろん皮膚科も受診しました。
 
 
 医師「洗い物や洗濯などはしますか?」
 わたし「します。まぁちょっとですけど……」
 
 たしかに心当たりとしてはある。
 結婚する前までは実家暮らしで、何もかも母に任せっきりなダメな娘だったので、新しく生活習慣として加わった家事が原因と言われればそうかもしれないと思いました。
 お手伝いさんでも雇えばよかったよねっ。
 
 医師「炊事などをするときは、なるべく刺激にならないようにゴム手袋をしてください。あと石鹸やシャンプーもなるべく刺激の少ないものを選んでください」
 
 なるほど。シャンプーもか。手を洗うことは気にしてたけど、髪を洗うのも手で洗うんだもんね。
 
 「主婦湿疹」は通称なのか、診断としては「湿疹」らしい。
 かゆみがひどい時のためにかゆみ止めの飲み薬と、ステロイド入りの塗り薬と保湿用のクリームを処方されました。
 
 言われるがまま肌に触れるものは、低刺激、自然なものへと切り替えて、念のために柔軟剤や洗濯用洗剤まで変えて、指示通りに薬もぬりぬり。
 
 ゴム手袋での作業は傷口が直接触れないよう、薄布の手袋をしてからゴム手袋を重ね使い。でもこれなかなか不便。
 洗い物ならともかく、通常のゴム手袋では調理が大変なのです。
 ジャガイモの皮むきとか、自分の手が不器用になりすぎててイライラする。
 
 かといって薄手の使い捨てタイプの手袋も脱げやすいし、オペ用みたいなぴっちりタイプは脱着に一苦労。
 
 どれも一長一短があって、素手で調理ができる、洗い物ができるという友達が羨ましくてしょうがなかったのでした。そもそもお料理好きじゃないのに、キッチンに立つのがイヤ過ぎる。調理も掃除もめちゃくちゃ面倒に。
 
 シャンプーもまたやっかいでした。
 全裸になったあとで、布手袋、ゴム手袋を装着。
 なんたる姿……。
 この時点で湯気で手が蒸れまくって、むしろかゆみが増す始末。
 
 かといって、素手での調理は傷口があるから衛生的にもよろしくないし、トマトの汁とかがしみる時の痛さは尋常じゃない。シャンプーも低刺激の製品であってもやっぱりしみるので、頑張って手袋をしてました。
 
 
 めちゃくちゃ努力して、一縮これで良くなるのかも!と思う瞬間もあるのだけれど、ふと気がつくとポツリと水疱が現れてふりだしに戻るという状態に。
 効果もイマイチで、手間だけはバツグンで、子どもが生まれてからは徹底することもできず。
 
 その間、病院もあちこち変えたりしたものの、診断も薬もほぼ同じ。
 
 医師「ストレスも原因になります」
 と指摘されると、
 「だから、この手が治らないことがストレスなんだよ!!」
 と叫びたくなることが続きました。
 
 
 西洋医学の限界を感じ、門を叩いてみたのは東洋医学。
 
 叶姉妹も通ってるという噂の漢方薬の専門店で症状をしっかりお伝えし、私にぴったりの処方をしてもらいました。出されたのは粉や粒の薬ではなく、土瓶で煮出してエキスを飲むという本格派のやつです。
 もちろん土瓶も買いました。
 一番お安い6000円くらいのやつを!
 
 
 この頃はマタンゴの義母との同居も解消していたので、気を使うことなく毎朝キッチンで漢方薬を煎じていました。
 10分ほどで家中が凄まじいにおいに包まれ、漆黒のエキスが抽出されます。
 
 味はもちろん劇的にまずい!
 
 でもこの手の呪いから解放されるならと一気飲みするのがモーニングルーティーン。(当時そんな言葉はなかったけども)
 しかし毎月漢方代として1万円以上突っ込んでの苦行を数ヶ月続けるも、まったくといっていいほど改善は見られず。
 
 これは漢方がダメなんじゃなくて、薬局がダメなのかもと、
 今度は漢方の専門クリニックに通院することにしました。
 
 診察はまず舌を見せる舌診と、脈をとる脈診からはじまります。
 その結果「便秘気味ですね」とか「血の巡りが悪くなっていますね」などと言い当てられるのは、どことなく占いのような気配もあり嫌いじゃなかったのですが、これまた湿疹は改善することなく半年くらいで足が遠のいていきました。
 
 
 だんだん自力で改善方法を探すようになってくると、怪しげなサプリや治療法も目に入ってくるようになりました。藁をもつかむ思いとはこういうことだよなぁと思いながらも、試さないという選択肢がないほど手は痛々しく、ちょっとだけ怪しげなサプリも試してみたりしたもののやっぱり良くはならないのです。
 
 腸内環境、自律神経etc. 
 健康系のおきまりのフレーズにもすっかり詳しくなり、10年以上をかけて手当たり次第に原因と思われるものを潰していったのですが、1つだけ原因かもしれない要素が残っていました。
 
 
 それは「金属アレルギー」原因説。
 
 じつは私、金属アレルギー持ちなのです。
 最近はプチプラの大人かわいいアクセサリーもたくさんあるというのに、身につけると真っ赤になって痒くなるという理由で手が出せません。
 (マスカットへのプレゼントは金、もしくはプラチナでお願いします)
 
 とはいえ、ちゃんとその種のアクセサリーは避けていました。
 が、どうやらここで注目すべきはアクセサリーではなかったのです。
 疑わしきは「銀歯」でした。
 
 口の中で溶け出した金属の成分が、悪さをすることがあるんだとか。
 
 そして私の口のなかには、複数の銀歯が存在しているという事実。
 
 ここから「銀歯」を重要参考人としてマークする日々が始まるのですが、すぐにとっ捕まえることができない大きな理由があったのでした……。
 
 この続きは次回……。