一般的に、「更年期」=「更年期障害」と誤解されているかもしれません。
でも、前の記事でもご紹介したように「更年期」は単に心とからだのバランスが取りにくい一時期を指すもの。
「私は更年期だけど不快感を感じていない」
「普段どおりの暮らしなのに、更年期という枠にはめられたような気がする」
「更年期と言われるだけで加齢を感じて元気がなくなる」
という方もいらっしゃいますが、思春期と同じように、更年期は心とからだの状態は人によってまったく違うのです。
では、不快な症状や疲れやすさ、気分の落ち込みなどはなんと呼ぶかといえば、「更年期症状」です。
更年期に起こる症状で、特定の病気によらないものが「更年期症状」とされています。更年期の不調は、女性ホルモンを分泌する器官である卵巣と、分泌を指令する脳の連携プレーが乱れることによって生じます。
更年期の症状は、起こり方や度合い、ひどくなる時期などに個人差があります。
隣に座っている人が同い年でも、同じような症状が同じ時期に表れるわけではありません。
まったく、あるいはほとんど症状を感じない人もいれば、うつ状態におちいったりする人もいます。
⇒更年期症状は千差万別
「更年期障害」は、更年期症状によって生活に困難を感じることを指します。心身の症状が重くて仕事や家事などができない、普段どおりの暮らしができないという状態です。
更年期には、90%以上の女性が何らかの不調を感じているといわれています。その中で、更年期障害で治療が必要な女性は20~30%とされます。重度の症状を起こすケースは女性全体の中で多くはありませんが、更年期障害ははっきりと区別がつきやすいものではなく、日本国内においても、婦人科などで治療を受けずに「更年期症状を我慢しながら生活している」という方の数は正確に把握しにくいのが現状です。