更年期世代にさしかかると、「急に痩せにくくなった」「食事の量を減らしているのに太った」という声をよく聞くようになります。
これは加齢による自然な流れ?あるいは更年期特有の現象なのでしょうか。
40代以降の女性が太りやすい、あるいは痩せにくくなるのには以下の理由が考えられます。
年齢とともに太りやすく・痩せにくくなる理由
1.基礎代謝量が落ちる
一般的には、年齢を重ねる毎に若い頃よりも筋肉量は落ちていくことが多いです。筋肉が減ると何も動いていなくても消費されるエネルギー量が少なくなるため、同じものを同じだけ食べても、若い頃とはどう使われるかが違ってくるというわけです。筋肉が落ちると、それだけ消費量に対して余分なエネルギーが出てきて、それが脂肪として蓄積されやすくなっていきます。
2.女性ホルモンの減少
更年期に近づくと、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が減っていきます。
エストロゲンの働きのひとつには「脂肪の代謝をうながす」というものがあります。エストロゲンの減少によって脂肪の代謝が弱くなると、内臓脂肪が蓄積されやすくなってしまいます。
3.閉経による男性ホルモン値の上昇
閉経により女性ホルモンが低下することで、相対的に男性ホルモン(テストステロン)の値が上昇し、女性の身体は皮下脂肪より内臓脂肪を蓄積しやすい体になります。
このほか、本格的な更年期に入ってしまうと、疲れやすくなったり、不調を感じたりすることで知らず知らずのうちに運動量が減ってしまい、より太りやすくなるということも考えられます。また、ホルモンバランスの変化によってむくみが出やすくなるケースも増えます。
こうしたいわゆる「更年期太り」の対策としては、
といったことが挙げられます。
ただ、不調で動けない時に無理をして痩せようとするのは、からだに負担がかかる一方、精神的にも強いストレスになります。食事を抜くなどして、無理に痩せるのは避けましょう。
「運動したくても動けない」と感じている場合には、クリニックで更年期症状の治療を受け、心身の負担を減らしてから適切に食事と運動を管理するのが、健康への近道ではないでしょうか。
※本記事は2021年8月13日時点の情報です。