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更年期・基本のお話 その5 「更年期太り」は実在する?

更年期世代にさしかかると、「急に痩せにくくなった」「食事の量を減らしているのに太った」という声をよく聞くようになります。

これは加齢による自然な流れ?あるいは更年期特有の現象なのでしょうか。

40代以降の女性が太りやすい、あるいは痩せにくくなるのには以下の理由が考えられます。

年齢とともに太りやすく・痩せにくくなる理由


1.基礎代謝量が落ちる

一般的には、年齢を重ねる毎に若い頃よりも筋肉量は落ちていくことが多いです。筋肉が減ると何も動いていなくても消費されるエネルギー量が少なくなるため、同じものを同じだけ食べても、若い頃とはどう使われるかが違ってくるというわけです。筋肉が落ちると、それだけ消費量に対して余分なエネルギーが出てきて、それが脂肪として蓄積されやすくなっていきます。

2.女性ホルモンの減少

更年期に近づくと、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が減っていきます。

エストロゲンの働きのひとつには「脂肪の代謝をうながす」というものがあります。エストロゲンの減少によって脂肪の代謝が弱くなると、内臓脂肪が蓄積されやすくなってしまいます。

3.閉経による男性ホルモン値の上昇

閉経により女性ホルモンが低下することで、相対的に男性ホルモン(テストステロン)の値が上昇し、女性の身体は皮下脂肪より内臓脂肪を蓄積しやすい体になります。

このほか、本格的な更年期に入ってしまうと、疲れやすくなったり、不調を感じたりすることで知らず知らずのうちに運動量が減ってしまい、より太りやすくなるということも考えられます。また、ホルモンバランスの変化によってむくみが出やすくなるケースも増えます。


こうしたいわゆる「更年期太り」の対策としては、

  • ウォーキング等の軽めの負荷で運動量を増やして、過剰なエネルギーを消費
  • 少しずつ筋肉を増やすトレーニングを行う
  • 食事の量や質、食べるタイミング等を見直す

といったことが挙げられます。


ただ、不調で動けない時に無理をして痩せようとするのは、からだに負担がかかる一方、精神的にも強いストレスになります。食事を抜くなどして、無理に痩せるのは避けましょう。

「運動したくても動けない」と感じている場合には、クリニックで更年期症状の治療を受け、心身の負担を減らしてから適切に食事と運動を管理するのが、健康への近道ではないでしょうか。

※本記事は2021年8月13日時点の情報です。

西岡 笑子(記事医療監修)

防衛医科大学校医学教育部看護学科母性看護学講座教授(2022年3月時点)。看護師の育成を行い、専門的見地から女性自身が自分の体を知るための啓発活動に取り組む。2児の母でもある。

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手塚 美幸(Webメディア「カンテラ」主宰)

ライター、プランナーとして活動し、女性の健康・キャリアをテーマとするWebメディア運営、事業企画にかかわる。国家資格キャリアコンサルタント。一般社団法人 女性の健康とメノポーズ協会認定資格「女性の健康経営アドバイザー」保持。さんぎょうい株式会社働く女性の健康とキャリア事業室フェロー。42歳での最後の出産を経て、1男2女の母。

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