チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!
前回、主婦湿疹のことを語りました。
結婚後すぐに手にかゆみを伴う水疱が現れ、皮膚科を転々と渡り歩くも完治せず。ついには西洋医学に見切りをつけ有名漢方薬局、漢方医、健康食品に手を出しますが結果は惨敗。10年以上悩みまくり湿疹の治療法と原因を探り続け、最後に残ったのが金属アレルギー、「銀歯」原因説。
けれどなぜ最後まで「銀歯」を野放しにしてしまったのか、それは……。
と、ここまでが前回のお話でその続きなのですが、その前に「部屋とYシャツと私」ばりに「銀歯と金属アレルギーと私」をもう少し。
(引っ張るつもりじゃないのだけども)
一般的な銀歯には金銀パラジウム合金というものが使用されています。これが金属アレルギーを引き起こす原因物質と言われています。
まぁ、金属アレルギーの人と銀歯の相性の悪さなんて、ちょっと考えればわかりそうなものですが、でもそれって口の中で起きるトラブルだと思いません?
私はそう思ってました。
というのも、主婦湿疹ができる前、すでに軽い金属アレルギーを自覚していたのですが、そのアレルギーの出かたが決まっていた(と思い込んでいた)んです。
金属アレルギーが初めて現れたのは高一の春。安物の腕時計を身につけて通学したところ手首がかゆくなり「おかしいなぁ」と思ってそれを外すと、文字盤の裏側(金属製)に触れていた肌が、そっくりそのまままーるく腫れ上がっていたのでした。
でもなんとなく「かぶれちゃったな」くらいの認識で、時計を外したところ腫れもかゆみはおさまったため病院にも行きませんでした。
ところがその数ヶ月後、彼氏からもらったディオールのシルバーのネックレス(時代を感じるだろぉ? バブルだぜぇ)をつけている時に事件が起こりました。体育のあと、うっすら汗をかいた首元を鏡で見るとなんと皮膚が「D」のカタチに腫れているではありませんか!笑
かゆい!
このあたりから金属アレルギーを意識するようになりました。
それと同時に思い込んだのです。
私の皮膚がかゆくなるパターンは、金属×汗。
先週もお伝えしたとおり、それ以来アクセサリーを警戒するようになりました。
この対策は当たらずとも遠からずで、実際に金属アレルギーは汗ばむ季節に増加します。
人間の皮膚は、金属に触れただけでアレルギー反応を起こすことはほとんどありません。金属アレルギーは、汗や唾液などによって、金属から溶出した「金属イオン」が皮膚のたんぱく質と結合すると、それを体が「異物」とみなし、拒絶反応を起こすことによって起こります。
東邦大学医療センター大森病院 スキンヘルスセンター 平成28年8月22日 プレスリリースNo.706引用
https://www.toho-u.ac.jp/press/2016_index/037003.html
ただし。
私の認識は甘かった。
この引用にもありますよね。汗のほかに「唾液」も関係している、と。
ここから銀歯の話に戻ってきます。
汗による「接触皮膚炎(かぶれ)」のほかに、歯科治療で用いられる金属や種々の金属元素を含む食物の影響などで、生体内の金属イオンバランスが崩れて起こる「全身型金属アレルギー」もあります。こちらは金属製品が直接触れていなくても皮膚炎が起こるため、内因性アトピー性皮膚炎とも理解されるようになってきています。
https://www.toho-u.ac.jp/press/2016_index/037003.html
東邦大学医療センター大森病院 スキンヘルスセンター 平成28年8月22日 プレスリリースNo.706引用
「全身型金属アレルギー」だと?
もちろん銀歯は直接、口内炎などの原因にもなるのですが(振り返れば口内炎もめちゃ多かった……)まったく関係ないように見える症状も引き起こします。
そのひとつが私の指先に起こっていた「手足の皮むけ・水ぶくれ」です。
さらに、こんな症状の原因にもなると言われています。
・顔や全身の発疹
・味覚の異常
・頭痛
・肩こり
・立ちくらみ
・倦怠感
驚きでしょ?
特に後半!
頭痛、肩こり、立ちくらみ、倦怠感って!
完熟世代の悩みとしても多い症状ですが、
我々が子どもだった頃にはキシリトールなんて便利な物もなく、予防歯科なんて考えは浸透しておらず、今の子どもたちよりずっと虫歯が多かったように思うのです。
恥ずかしながら、私の実家にはお菓子がテーブルの上に常備されており、子どもの頃から食後はデザート気分でポテチなんかを食べまくる習慣があり、小学校に上がるころには私のお口はムシバラス(懐かしい)のパラダイス。ウェーイ!
そして複数の銀歯から溶け出した成分が長期間にわたって蓄積。高校生になったタイミングで金属アレルギーを発症するに至ったのではないか。
この点については私の仮説でしかないですが。
どちらにせよ、この銀歯の話を知ったとき、すぐにとりのぞいたほうがいいなと思いました。
なのにできなかった理由、それは金銭問題でした……。
なーんだって思いました?
いやいやいや。
シングルマザーになるかならないかという時期の私にはまったく手出しができない金額だったのです。
というのも、銀歯を取り除いて、金属アレルギーを引き起こさない素材を奥歯に詰めなきゃいけないわけですが、その選択は実質的に二択。
金かジルコニアか。
「そんな立派なやつじゃなくていいです」って言いたかった。
実際ちょっと言った。
でもダメでした。
なぜならプラスチック系では、奥歯に使用するには強度が足りないから。
歯を食いしばると一説では3トンもの力が加わるらしいのですが、プラスチックでは到底太刀打ちできません。
強度ナンバーワンは金。
そして人工ダイヤモンドとも呼ばれる、セラミックの一種ジルコニアも金に続いて強度が高い素材の1つです。
だがしかし、その価格も高い。
めちゃ高い。
これは一例ですが、
歯にかぶせるクラウンと呼ばれるものの相場は、当時ジルコニアでは10万前後、金もほぼ同額でした。なのに保険は適応されないiっていうじゃありませんか!
嘘でしょ。金属アレルギーなのに?
いやいやいや。一本ならまだしも……。
詰め物(インレー)の部分も含めると6本超える……。
さらに治療費がかかる。
しかも銀歯が主婦湿疹の犯人だと決まったわけじゃない。
ものすごく怪しいけど、もし全部ぐるっと歯を治療して今までのようになんの改善もしなかったら?
ムリ……。
下手すると100万近くかかるんじゃない?
宝くじが当たったらすぐに取り替えようと思いながら当たらないまま5年ほど時が流れ去り、されど主婦湿疹は改善せず。
やれることは全部やった!ほかに打つ手なし!となり、腹をくくって決意したのです。
銀歯を除去しよう。
そして歯医者へ……。
またまた次回に続きます。笑
保険適用の範囲や治療に使う素材については当時の状況と現在とでは大きく変わってきています。金属アレルギーの診断書があるなど、条件をクリアすれば保険適用となるケースもあります。ただし歯科医院側にも条件があるため、気になる方は歯科医院にてご相談ください。
出典:
東邦大学医療センター大森病院 スキンヘルスセンター 平成28年8月22日 プレスリリースNo.706
発汗の多い季節に増加しやすい「金属アレルギー」~ アレルギーの正体を突き止めることが回避の第一歩 ~
https://www.toho-u.ac.jp/press/2016_index/037003.html