チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!
ジム通いは心身ともにいいことずくめ!とポジティブなご報告をした前回。
今回はその裏側、ポジがあればネガもあるというお話です。
そもそもぶっちゃけ、ジム通いめんどくさいです。
ウエアに着替えてバッグにタオルやドリンクを用意し、自転車で走ること約10分。
何を言っているんだたったそれだけじゃないか。お叱りを受けそうな低いハードルなのに、なぜかこれがめんどくさい。
家での定番スタイルは、2軍落ちしたTシャツにユニクロのステテコパンツなので、人前に出せるTシャツに着替えるだけでもかったるい…となります。
ただ、着いてしまえばあとはベルトコンベアの上の鯉。
流れに乗って循環するシステムの一部となり、粛々とノルマをこなすことに集中するのでめんどくさいという意識は消えます。不思議です。
カーブスは予約なしにいつでも好きな時間に行っていいのですが、実際は帰り際に「次回はいつ来られますか?」と予定を尋ねられます。
カーブスとしても、会員さんが多い日はトレーナーを増やすなど、運営上必要な情報でしょうし、私としても「次は○曜日」と心構えができるので、お互いに良いシステムだと思います。
予約ではないので拘束力はなく、急な用事が入ったり体調が悪かったりすれば、特に連絡なく、次の日にスライドしてもいいわけです。
行く予定になっていたある日のこと。
私はどうも気分がのらず、一応トレーニングウエアには着替えていたのに、ずるずると出発を引き延ばしたあげく、結局さぼってしまいました。
内心は罪悪感でいっぱい。
すると、翌朝生理が来たのです。
私は昨年末から生理が5ヶ月ほど止まっており、てっきりもう閉経だと思っていました。
ちょっとした生理ロスのセンチメントも味わいましたが、すぐに慣れて、ないのはやっぱりラクだなと更年期後半戦の到来を受け入れていた矢先でした。
閉経の先輩、完熟オレンジさんからも聞いていたとおり、更年期は生理が超不順になります。
間隔があいたり、逆に狭まったり、量も多かったり少なかったり。扉に鍵をかけるように、一度でぴたっと閉まってくれるわけじゃない。
そうか、テンションが低く、やる気が出なかったのはPMSのせいか。私は膝を打ち、それなら仕方がないとサボった自分を許しました。
次の日もサボりました。久しぶりだったせいか量も多めで、なんとなく身体に力が入りにくい。たぶんエクササイズはしない方がいいよね、と当然の気分です。
さらに翌日。量が減り、体調もとくに不具合なく、そろそろエクササイズに復帰してもいいはずでした。しかし、私にはもうウエアに着替える気力がなかったのです。
このころ、私の頭にあったのは、カーブスを退会することだけでした。
……続いたのは2ヶ月か。やっぱり私はダメ人間だな。たいして効果も上がらなかった。でもコラムのネタはもらえたし、もうどうでもいいや。……
週2回、たった30分のマシンエクササイズさえ続かなかった自分を肯定するなどできず、自己嫌悪と敗北感に打ちのめされ落ち込んでいました。
要するに再び、カーブスに入る前の悲観的かつ自己肯定感の低いメンタリティに戻っていたわけです。
確か、退会はネットでは手続きできなくて、直接カーブスに行って対面でと言われていました。
実は、退会したがっている会員さんと、引き止める店長さんが長々と話し合っているのを目撃したことがあります。
「だからね!私としてはお休みじゃなくて、いったんやめたいの。またやりたくなったらその時はまた入るから、今はやめたいのよ!」
声の大きな会員さんで、内容が丸聞こえ。店長さんはひそひそ声なので、どう説得していたのかは聞こえませんでしたが。
どうやら、やめたいと言えば簡単にするっとやめられるわけじゃなさそうでした。
気持ちが弱っている私に今、あんな話し合いは無理だ。もっと元気になったら言おう。
やめようと決心したことで、じわじわと解放感に包まれ、少し気楽になりました。
最後のエクササイズからちょうど1週間後。カーブスからの電話が鳴りました。
「カーブス○○店」と表示されたスマホの画面を、私はまばたきもせずに眺めるだけ。
こわくて応対できませんでした。
やめたい言い訳がスラスラ出てくるとは思えなかったのです。
思えば体験入会の時、「2週間来られなかったら、お電話でご様子をお伺いします」と言われたっけ。実際は1週間でかかってきたわけですけど。
掛け直すか。どうしようか。別に怒られているわけでもなんでもないのに、すごく悪いことをしているような気分。
さて、翌日。私は行きたくなさを死にものぐるいで振り切って、カーブスに行きました。もちろん、「もう続けられません」と言うためです。
でも店内に入ると同時に出たのは卑屈な愛想笑いと、「昨日はお電話取れなくて、すみませんでした〜」という軽いノリの謝罪でした。
トレーナー「こんにちはライチさん!どうされました?ご体調はいかがでしょうか?」
明るく、こちらを責めることなく気遣ってくれます。
ライチ「実は急に生理になって、具合が悪くて休んでまして」
まあ嘘ではないです。
トレーナー「あぁー。それは無理されない方がいいですね!でも今日来てくださって、良かったです!」
ニコッと微笑むトレーナーさん。ガッツポーズをしていなくても、ハリのある声に前向きなガッツ成分が含まれていました。
さて、退会を言い出せなかった自分の情けなさに落ち込みながら、ゆるいペースでだらだらと、30分のエクササイズをこなしました。
すると、不思議なことに再び、以前のような自己肯定感が訪れたのです。
私は爽快な気分に包まれご機嫌でした。いや、おかしい。来る前のあの落ち込みはどこに行ったの???
じつに単純な因果関係です。前回のコラムでも書いたので繰り返しになりますが、運動をすれば自己肯定感が上がり、運動をしなければ自己肯定感は下がる。つまり、幸せホルモンのしわざ。
自己肯定感は、実際の自分の価値がどうかには関係がないのです。
今後も生理やら、体調不良で休みたくなることはあるだろう。でも、休むことに罪悪感をいだくのはやめて、平然と休もう。
そしてそのあとは、平然と運動を再開すればいいじゃないか。
私はまたひとつ、悟りを得ました。
てなわけで、その後も月に1週間程度のお休み期間をとりながら、こうしてジム通い、続けています。
さて、次回は今まであえて触れてこなかった、筋トレにつきものの粉っぽいアイツがテーマです。
そう、プロテインについて語ります!