チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!
みなさん、こんにちは。メノポーズ(更年期)前半戦を無難に乗り切ったと思いきや、後半戦になってじわじわと医療費が増えている完熟オレンジです。かたはらいたし。
最近の投稿で「完熟オレンジ=めまいの人」のイメージがついちゃったかもしれませんが、ここ半年に限っては、「急性膵炎の人」でもあったのです。年に一度の「ハムの人」で覚えてもらえるくらいが幸せってものなのになぁ。
振り返ってみるとこんな感じ。
2021年8月8日~14日 第一次「急性膵炎」で入閣、いや入院
2022年3月~4月いっぱい 良性発作性頭位めまい症
2022年4月29日~5月5日 第二次「急性膵炎」で再入閣、いや再入院
踏んだり蹴ったりの半年です(笑)
そして、見てやってください。入院の時期を。
お盆とGWにだだかぶり。まさに働く女の古(こ)あるあるです。
私の休みを返せ~!!(爆)
さて、心待ちにしていたお盆と黄金週間をつぶした急性膵炎とはいったいなんなのか。
カンタンに言うと、膵臓は食べ物の消化に必要な酵素を分泌しているのですが、何らかの原因でうまく機能せず、膵臓そのものを溶かしてしまうそうなのです(※)。
膵臓が自分で自分を溶かすって!?
冗談はアンパンマンだけにしてください!(ちょっと違うけど)。
原因の多くがアルコールで、罹患者は2:1の割合で男性が多いそうです。女性の場合、原因として最も多いのは「胆石」(※)。
胆石は、食べ物の消化に関わる胆汁の成分が石のように固まったもので、これが胆管の出口付近をふさぐわけです。実は先述の消化酵素を含んだ膵液も胆管を流れるので、はっきり言って邪魔なんですよね、胆石ちゃん…。
でも、だが、しかし。
私の急性膵炎の原因は結局わからぬままでした。アルコールは飲まない。胆石もなく、胆管にも異常なし、自己免疫性疾患でもない。
2回とも、「原因がわからない、いわゆる突発性」という不思議ちゃんで終わりました。
参考までに1度目の入院までの流れはこんな感じです。
・2021年7月27日
会社の健康診断。胃のレントゲンの際、いつもはすきっ腹にバリウムは美味しくてグビグビいける口だが、今回は炭酸の粉を飲んだ直後から胃が痛い。バリウムも飲むのが苦痛。アクロバティックな動きをなんとかやり遂げるも背中をまっすぐできない。
支払いを終えたあと、あまりの痛さにしばらくしゃがみこむほど。しかし、数分すればおさまり、会社の子とお昼をペロリ。思い返すとこの時の胃痛、膵臓ちゃんから私へのなんらかのメッセージだったのか・・・。
(膵臓に関係のあるアミラーゼ検査結果=65U/L(基準値43~155U/L) リパーゼは検査項目になし)
・2021年8月8日
バリウムを飲んでからなんとなく胃の調子が悪いな、と思いつつ12日間をやり過ごす。しかしこの日の明け方4時頃にお腹の痛みで目が覚める。
当時のメモによると「みぞおちの痛みがあばら骨全体にひろがっている感じ。もしかしてバリウムが残っていて虫垂炎? でも、胃の痛みからの膵炎の可能性も」とある。
身近で、胃痛⇒背中の痛み⇒急性膵炎の例を聞いていたので、「胃痛とくれば急性膵炎」はいつも心の片隅においている。とはいえ世はコロナ禍。「胃痛ぐらいで病院に行くのも悪いかなぁ」という意識も働き、「もう少し寝て、まだ痛かったら病院に行こう!」となんとかまどろむ状態に自分をもっていく。
結局、朝7時になっても腹痛がおさまらないため、総合病院の救急外来に電話してタクシーで乗りつける・・・のですが、
ここからの展開がなんというか、ドラマチックでした。
まず、私、ぱっと見、病人に見えません(ムダに元気?)。そしてコロナ禍でお忙しい医療従事者に「いらぬ手間をかけてしまうのではないか」という小市民的な負い目もありました。
声も元気なので救急外来への電話でも、「来られるのはいいですが、時間外の費用5,500円がかかりますよ」と素っ気なく(あくまで個人の感想です)言われ、「かたじけない」という気持ちと「だってちょっと普通とは違う感じなんだもん」という気持ち半々で救急外来に足を運んだわけです。
多少前かがみの姿勢とはいえ、見た目頑丈そうな患者。訪れた理由は「胃痛」、熱も微熱とくれば、受付の対応も素っ気ない感じ(あくまで個人の感想です)なんですね。
問診の際も、「みぞおちの痛さが全体に広がった感じで。ま、数日前にバリウムを飲んでからなんですけどね、ふふ」と悲壮感なくおしゃべり感覚の私。女性ドクターと世間話的に会話が弾み、血液検査の流れに。注射嫌いな私も今回ばかりは「イヤです」とも言えず、しぶしぶ採血を済ませました。
事態が動いたのは、血液検査の結果が出たであろう以降です。
待合室で待つ私の元に看護師さんがパタパタとやってきて、「オレンジさん、CT撮るのでこちらに」となり、撮影後はベッドが並べられた部屋へ。カーテンでシャ―――ッと仕切られました。
しばらくすると、「造影剤入れてもう一度CT撮りますね」と点滴をされ、車椅子に乗ってCT撮影の現場に。生まれて初めての造影剤に、下半身が「ホット!ホット!」となり藤井隆を思い出してニヤニヤ。全身を駆け巡る造影剤は非常に熱いことを知るのです。
ベッドに戻ると、「点滴のお薬変えますね。このまま横になっていてください」としばらく放置される。前夜の寝不足から寝落ちするも「うんがっ!」という自分のいびきで目覚め、また眠り・・・を何度が繰り返す。シャ――ッというカーテンが開く音で目を覚ますと、カルテを手にしたドクターが。
「オレンジさん、急性膵炎です。
あと2日遅かったら大変なことになっていました。
よくぞ早めに来てくれました。このまま入院してもらいます」。
「えっ?!急性膵炎?」「このまま入院?」と思ったのは一瞬で、
私の頭でリフレインされたのは、
よくぞ早めに来てくれました。
よくぞ早めに来てくれました。
よくぞ早めに来てくれました。
あら、やだ! わたし、ドクターにほめられちゃってる?
そんな、先生、こちらこそ、診ていただいて有り難いかぎりですのに。
でもやっぱり、ただの胃痛じゃなかったんだぁ。
自分の勘を信じてよかったわ~。
小市民的な負い目もチャラになっちゃった。うふ。
なんてことを考えていたおめでたい私。
アホな喜びに浸りながら、さらにアホなことも思い出したのです。
家のエアコンとテレビ、つけたままだ!
だって、だって。そのまま入院という考えはナッシングだったんだもん。ぶりぶりぃ。
お薬もらって家に帰ったら、涼しいお部屋で横になりたかったんだもん。
テレビは消していけよ、って話だけど。
そこで先生に言うよね。
「先生、ちょっと家に帰りたいんですけど。
エアコンとテレビ、つけっぱなしなんです。
パソコンも持って来たいし」。
そう言った私に先生は「ダメです」ときっぱり。
急性膵炎について少し説明をしてくれました。
⇒例の自分で自分を溶かす話。
⇒私の現在の炎症は軽症で、膵臓は腫れている状態。
⇒今は軽症でも、急性膵炎は短期間で急激に重症化する場合もある。
⇒ここから数日間は、お水も飲めない絶飲食となる。
その時、数値の話しはなかったのですが、
アミラーゼは749U/L(基準値43~155U/L)、
リパーゼは1,089U/L(基準値7~52U/L)だったことが後にわかります。
ひゃだ! 私の膵臓がそんなことに?
こりゃ家に帰っている場合じゃないなぁと、サルでもわかる状況だったので、
「わかりました。友達に頼みます!」と即答で、先生もにっこり。
そのまま入院とあいなりました。
おかげさまで2度の急性膵炎はいずれも軽症で、入院期間も1週間。
しかし、今年6月の経過観察で、膵臓はOKとなったものの
脂肪肝が急激に悪化していることがわかり、
初期の糖尿病であることも判明しました。
うそん!? ほんとです。きりっ。
まさに踏んだり蹴ったり&蹴ったり!
でも、だが、しかし、「一病息災」ともいいますし、(私の場合は、二病?)
はやめにわかってよかったなぁと思ってます。
急性膵炎になっていなかったら、脂肪肝と糖尿病に気づかず放置していたであろうことが、私の性格上、大いに予想されますから。
振り返ってみると、メノポーズ後半戦で、五十肩、めまい、急性膵炎を患ったことで、
自分の身体の筋線維、耳石、臓器までを意識する機会に恵まれました。
いままでの半世紀。基礎体力に変に自信があったせいか、
気持ちだけで突っ走って、身体に相当無理をさせていたんだなって。
身体も自分なのに! (当たり前だけど)。
この年にしてようやく、心と身体が一緒になった、という不思議な感覚です。
だから、今更ながらですが、
「無理させてごめん、がんばってくれてありがと、これからは大切にするね」
と、糟糠の妻に惚れ直すオレ的な私は完熟オレンジ。
はからずも病気ネタが続きますが、
次回は急性膵炎での入院生活についてお話させてください。
かしこ。
(※)参考:日経電子版 『背中に激痛が走る「急性膵炎」 発症したら一生断酒?』
https://style.nikkei.com/article/DGXZQOUC147XQ0U1A011C2000000/?page=2