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ぎっくりからの回復、そして筋トレの明日はどっちだ!? 「50歳のうぬぼれ鏡」Vol.18

久しぶりの計測に焦る完熟ライチさん

チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!


中年の通過儀礼のひとつ、ぎっくり腰。
ライチはいい調子だった筋トレライフの中断を余儀なくされましたが、整形外科で処方された湿布薬とサポーターで、みるみる快方へ。
寝ていて起き上がるなど、姿勢を大きく変える時に動作がゆっくりになる以外はほとんど後遺症なく治りました。
椅子から立ち上がる時、歩きながら徐々に前かがみから直立になっていくさまは、人類が猿人からホモ・サピエンスに進化するあの表さながらです。

さて、カーブスには2週間無断欠席の会員に、様子伺いの電話がくるシステムがありました。
これが意外となかなか来なくて、3週間後でした。
お医者さんに「3週間はストレッチもしないでね」と言われていたので、偶然とはいえ、回復めやすの時期ぴったりに電話があるなんて、カーブスの勘は妙に鋭いですね。
電話の声は20代の若くて元気なトレーナーさん(さすがです!と言いながらガッツポーズする人)です。


トレーナー「こんにちはライチさん!このところお休みされていますが、ご体調はいかがですか?」
ライチ「はい、実は○○日にぎっくり腰になって、お医者さんに運動を控えるように言われていたんです」
「あ、そうですかー!」
リアクションに、ガッテンガッテンガッテン!という感じの間があきました。
「ぎっくり腰になる方、とっても多いです。今もお痛みは強いですか?動けますか?」
「おかげさまでほとんど問題なく治りました。ただ、今後どうしたらいいのかわからなくて。筋トレをしたい気持ちはあるんですけど」
「治られたのは良かったです!それでしたら、時間を予約していただければ、スタッフがずっとついて様子をみるように致します。マシンをゆっくり動かしたり、別の軽い運動をしたり、メニューの調整ができますので」

というわけで、入会したての頃と同じようにつきっきりの見守りがあるとのことで日時を予約しました。
ぎっくり直後で本当に全然腰が曲がらなかった頃は、「もう筋トレなんて無理。こうしてしょぼしょぼのおばあちゃんになっていくのね…」と悲観的になっていましたが、案外順調に良くなったので、ジムに復帰する気満々の自分が面白いです。



休んでいたあいだ、私がどう過ごしていたかというと、最初の2週間は「カーブスに行かないのって、ラクだなぁ〜」という解放感を満喫していました。休んでも、罪悪感もない。だってお医者さんに止められているんですもの。
学級閉鎖の日にゲームセンターで遊ぶ中学生のような楽しさです。

ところが、休みも3週間めに突入すると、おなか周りのぶあついお肉が気になってきました。そりゃそうだ、食べるだけで動いていないんだもの。
カーブスの壁にでかでかと貼ってある標語が思い出されます。
「おなかのたるみは 心のたるみ」
そろそろマシンやりたい。でも、下手にやると再発すると聞くし。それだけは避けたい。迷いと焦りの1週間でした。



そんなわけで、復帰後初回のカーブス。
ファーストネームで呼ぶ挨拶、アップテンポな音楽。
ああ、なにもかもがなつかしい。と感涙にむせぶ間もなく、店長さんの声掛けに、頭から冷水をぶっかけられました。

「ライチさんお久しぶりです!今週は明日まで計測期間なんです。測っていかれますか?」
なんと、ちょうど月に一度の計測があったのがすっぽり頭から抜けていました。
しっかり自覚があるほど贅肉がついたライチ。
悪い意味でプラス志向の折れ線グラフになるのは目に見えています。
「ううっ…すごくいやですけど、戒めのためにも計測やります!」
「それでこそですよ!」

結果はコラムのサムネールイラストの通り、体重増、腹囲増、そして体脂肪率増、骨格筋率減。
入会前より悪い数値もあり、もう、筋トレを始めたのがいいのか悪いのかよくわからない…。
入会前は食欲があまりなかったのが、筋トレを始めてからはっきりと空腹感を覚えるようになり、休んでいた間もしっかりごはんを食べていたのが太った原因なのでしょう。
上がった数値を逆Vに降下させなくては!モチベーションが高まってきました。



いよいよトレーニング開始。
マシンには①上半身を鍛えるもの、②下半身を鍛えるもの、③腰や背中に効くものがあるそう。
①はほぼ問題ないはず。念のためゆっくりめに。
②は動かす範囲を狭くしてゆっくりやりましょう。
③は違和感や痛みに敏感に、慎重に。場合によってはスキップ。
ざっくりこんな方針に基づいてはじめます。

そもそも全身の筋力が衰えていたので、普通にマシンが重く感じられ、わざわざゆっくりに抑えなくても自然とゆっくりになりました。
腰をひねる③の運動は不安があり、時計でいうと「11時から1時のあいだ」を「11時半から12時半のあいだ」にしたりと、軽く調整しました。
そして椅子に座るタイプのマシンは、背もたれにぴったり背中をつけて、反り腰にならないようにするのが大事とのこと。

一番問題のスクワット運動。これは、マシンを使わずにエアーでとの指導でした。
マシンのレバーにつかまってゆっくりとしゃがみ、4秒静止、またゆっくりと立ち上がる。マシンは肩にウェイトを乗せるので腰に負担がかかってしまいますが、エアーならその心配はありません。
しゃがんだ姿勢での静止がポイントで、意外と効いてる実感がしっかりあります。
これならキッチンでの皿洗いのあいまに、流しにつかまって同じ運動ができそうです。



1周目は腫れ物に触るようにこわごわと、2周めは少し安心して、ともかくメニューはぶじに終了しました。
店長「いかがでしたか?大丈夫そうですか?」
「今のところ大丈夫です」
「ところでぎっくり腰、原因はなんですか?何かきっかけがありますよね?」
「実ははっきりこれっていうのがわからなくて。もしかすると、カーブスのスクワットの運動が原因かなと思っていて。スピードを上げて無理をかけすぎたのかもしれません。スクワットのあと毎回少し腰が痛かったので」

マシンではなく私が悪いという表現をしたつもりですが、店長さんは声では返事をせず、眉間にシワを寄せてあいまいな表情を浮かべました。
まあそうですよね。言葉で肯定したら裁判で負けます。
「今日みたいにマシンを使わないかたちでしばらく続けてみましょう」



私も別にカーブスにクレームをつけるつもりはありません。カーブスに行こうが行くまいが、中高年とはぎっくり腰をやる生き物なのです。
そうそう、若いトレーナーさんがこっそりと小声で
「みなさんぎっくり腰になられるので。店長だってやってますから
と教えてくれました。

チーム完熟・ライチ(ライター)

「チーム完熟」のクールダウン担当、通称・師匠。1971年生まれ。雑誌編集を経て1997年からコピーライター。既婚・子なし・別居中。2018年から認知症の実母の保護者となり、2020年に看取る。コロナ禍でのもっかのマイブームはプロ将棋観戦。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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