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注射とわたし。~チクッとしますよ? 「閉経宣言」 vol.19

注射を前に憂いを帯びる完熟オレンジさん

チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!


みなさん、こんにちは。
メノポーズ後半戦の完熟オレンジです。
2022年がもう終わっちゃうって? 嘘ですよね。ほんとですけど。
今年最後の投稿のテーマを何にしようか考えたとき。浮かんだのが「注射とわたし」というタイトル。

この1年を振り返ってみると、今まで生きてきた50数年分の無理がたたったと申しましょうか、身体の不調が一気に噴き出した感あり。思い出すことと言えば、病気のことばかりです。

なにより、人生でこんなに注射を打った日々もありませんでした。
そう、大嫌いな注射を!!

昔はそこまで注射を敵視していませんでした。(敵って!?)

私の腕は血管が浮き出てないためか、採血しづらいことこの上なしのようなのです。針を刺した状態でグリグリッと血管を探られたこともあり。それが嫌な思い出になっちゃって。大嫌いなんですぅぅぅ。

今年の入院中も若い看護師さんが何度かチャレンジした後で、ベテランさんの登場~!ということもありました。点滴で内出血して違う場所に針を打ち変えるときには、ホッカイロであたためたりして何度か挑戦、結局は細い針に変更したり、親指の下の方の手首に刺したり、という場合もありました。


「注射なんて全然大丈夫!」って言える人が本当にうらやましい。「針が刺さるところをガン見する。その方が血も勢い良くでる気がする」なんていう人もいるじゃないですか、かっこいーーー!って思っちゃいます。

私なんて、注射が心底嫌いなので、普段の明るさはどこへやら、注射を打つ時だけは、夏目漱石や芥川龍之介といった悩める文豪モードになります。世を憂い、自分の不運を嘆き、肩を落としうなだれて処置室へ向かいます。看護師さんが注射器や薬を用意している間を利用して、心を無にもっていくって感じ。も~書いてるだけで大げさ!


なによりイヤなのが「チクッとしますよ」という予告。
私としては、知らないうちに打ってほしいのです。

なんなら、私が処置室に入ったら、どこからか鎌倉殿の十三人でお馴染みの善児がやってきて、私のみぞおちを一撃! 気を失っている間に打ってほしいぐらいなのです。

こういうフラッシュモブなら、大歓迎です! 

実は、ちょうど20年前、急性肝炎で初めて入院したときのこと。私は看護師さんにお願いしました。

「あの~、私、注射が大嫌いなので、打つときに『チクッとします』って言わないでほしいんです。ドキドキするので」

「わかりました。注射苦手なんですね。じゃあ、これから採血しますけど、そのまま点滴もできるようにしますね」と、手際よく、様々な器具を用意。

なんと!2度の苦しみが1度で終わるなんて、素晴らしい!言ってよかった~。 

「チクッと予告」はしないようお願いしたし。知らないうちに注射も終わるだろうと、若干の余裕をかます私。「ふんふふ~ん。知らない、知らない、注射なんて知らな~い」の境地。

そしてやってきた、血管探しタイム。
看護師さんは、私の血管を探すのに苦戦。左腕を吟味し、「腕を変えましょうか」と右腕に変更され、いろんな場所をさすりさすり。「こっちの腕にしますね」と消毒を。

「ふぅ」という安堵の声が聞こえたかと思うと、
はっきりと大きな声で・・・

「サン、ニィ、イチ!」

どっひゃ~!!!!
わたくし、往年の桂三枝師匠のように、椅子から転げ落ちんばかりに驚きました。
あまりのことに、逆に痛さも感じなかった・・・かも(覚えていない)。


確かに、「チクッとしますね」とは言わなかった!
言わなかったけれど。

カウントダウンの方が数倍怖いやんけ!(笑)

退院後しばらくは、「オレンジのすべらない話」として、楽しませてくれました。


ところで、今年の夏、チクッと予告についてツイッターが湧いていたことがわかりました。

“看護師の『はい、ちくっとしますねー』には『絶対に動くんじゃねーぞ、うつぞ』くらいの強いニュアンスがある事をご理解頂きたい。”
(イクメン撲滅隊 @ikumen_byebye 2022年8月6日)

そうだったのか~!!!そりゃ、合図、必要だわ!
無理なお願いしちゃってごめんなさい。ぺこり。


当たり前のことなんだけど、打つ方、打たれる方、それぞれの事情があるんだなぁ。そんな当たり前のことを忘れて自分の都合ばっかり考えちゃったなぁ、カウントダウンを開始させるほどに看護師さんを追い詰めていたのね!?と、反省した次第。

このツイートがバズッた件については、いろいろと記事にもなっていました。神戸新聞の取材(*1)を読むとツイ主さんの真意もわかって、看護師さんの努力や思いが心に染みるので、ぜひ読んでほしいです!
なにはあともあれ、ツイ主さんの最後の言葉が大正解ですね。

“このツイートを通じて看護師と刺される側の人がWIN-WINになればよいかと思います。”

ザッツライト!その通り!
そして来年は採血以外の注射を打たなくてよいように、健康に留意したいものであると軽く心に誓いました。はい、強くは誓えない。汗っ。

ではでは、みなさま、大みそかは心置きなくカウントダウンを楽しみましょう。良いお年を! 
おほほほほ。


(*1)神戸新聞NEXT「注射の際の常套句「はい、ちくっとしますねー」の真の意味は 看護師のホンネが話題」
https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/omoshiro/202208/0015556848.shtml


チーム完熟・オレンジ(ライター)

「チーム完熟」の最年長者。1966年生まれのいい歳した永遠のカマトト。コピーライター / 結婚・出産経験なし / 閉経年齢は53歳。更年期症状はほぼやり過ごしているが、太り過ぎからくる生活習慣病をなんとかせねばと思う日々。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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