シングルマザー、2度目のコロナは神頼み？ マンゴーvol.21

チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代～50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように！

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2021年の8月、いわゆる第5波にてコロナ陽性になり、そこから動悸・息切れなどのコロナ後遺症（と思われる症状）が長々と続いているわたくし、マンゴー。2022年のクリスマスにまたもや第8波に飲み込まれ、子どもたちもろとも倒れておりました。

まあね、地域でものすごく感じかたに差があるようですが、マンゴー在住地域は「金とコロナは天下のまわりもの」といった感じ。小さなお子さんがいらっしゃるご家庭でしたら、未経験の方のほうがレアケース、2度や3度発症している方もちらほら、なのです。

去年の師走は、どんどこ学級閉鎖が多発していたこともあり、「まあ、なるよね～」という感想ではありました。
でも。
二度目でもつらかった……。

恋も二度目なら段階を踏むことに慣れても、失恋には慣れませんよね。
そんなかんじ。
今回はその顛末をお伝えさせていただきます。

神さま、ドＳの方向で願いを叶えてくださる

第波では私だけが陽性となり、二人の子どもたちは陰性のまま無事やり過ごすことができたのですが、今回最初に発症したのは息子でした。
「頭が痛い……」と熱を計ったら38度超え。
これはきっと、アイツが天城越え（sung by ishikawa sayuri）。

即断した私は隔離部屋へと息子をうつし、室内マスク、換気、アルコール消毒を開始し、近所の発熱外来を予約。娘は平熱だったので、私と一緒に過ごしていました。
しかし、数時間後になんだか口数が少なくなった。ぼおっとしている。熱を計ったらこちらも38.3度です。
すでに遅いかもしれませんが、娘も息子の隣へと寝かせて隔離し、発熱外来を再予約しました。


ここで私は思ったのです。
私も発症するカウントダウンが始まっているのではないかと。

『24 -TWENTY FOUR-』の効果音が脳内で再生され、私はさながらジャックバウアー。
いま動けるうちに私が倒れた後でも生き抜くべく生活用品を手配しなければなりません。

……なんて冷静に書けるのは過ぎさったことだからでありまして、実際は「やべぇっ！」「どうしよ！？」「うそん（涙）」の連続です。

とりあえず使い捨て皿、割りばし、アルコール消毒、レトルト食品、冷凍食品、野菜ジュースを買い出しにいったりネットで注文しました。そして、子どもたちのご飯をつくり、水分を摂らせ、熱を測り、高熱に耐えて寝ている子どもたちを見て、ふと思ったのです。

いつも
「学校いきたくな～い！」
「ママとおうちにいた～い！」
「宿題なんてヤダー！」
と騒ぎ散らかし、スキあらば喧嘩をおっぱじめる子どもたち。

そして喧嘩がエスカレートするたび、
「うるせえええ、静かにしろぉおっ！！」
と怒鳴り散らすわたくしマンゴー。


この三者の願いが、
負の方向性で、叶ってしまったのでは……！？と。

どこぞの神様（たぶん新米）が、「そこまで言うなら叶えてあげるお♪」とやる気になってしまったのではないかと。
高熱のため学校に行けず、高熱のため喧嘩をする元気もない二人。
とても静かです……。

でも神様、ちがう、ちがう！
そうじゃない！
健康が前提なんです！（涙）

私は天を仰ぎ、少しでも体力を残すため横になりました。

息子、バグる。

発熱外来の予約は17時45分です。
それまで子どもたちの熱はぐんぐん上がっていたようです。

脱水症状が怖いので、私は定期的に隔離部屋へいき、水分を摂ってもらっていたのですが、なんだか息子の様子がおかしい。
「ママの……言うことが！ こわい！……わからない！」
と号泣するではありませんか。

熱を計ったら39.2度。
どうやら普段の話すスピードだと、私が何を言っているか分からないようで、それが怖いのだそうです。私は2倍の遅さで「お　み　ず、　の　ん　で　ね」と言うことにしました。
意思の疎通ができるようになって安心したのも束の間、息子は舌を出し、首を振り、「あばばば……へへへっ、身体が、あははっ！そうかそうかっ！」と笑いだしたのです。

生霊に憑かれたのでしょうか？
いいえ、高熱で脳がおかしくなっているのでしょう。
私は背筋がゾッとし、鼻がスゥッと通りました。マンゴーは危機を察知すると、子どもの頃から鼻が通る体質なのです。イエス、いっつエマージェンシー。

一瞬、これは救急車案件かと頭をよぎりましたが、娘を置いていくこともできません。「子ども発熱」の旨、元夫に知らせていますが、未読スルーだったと思います。忘れましたけど。

そんな息子の隣で、娘はニコニコしながらゆっくり水を飲んでいます。
よかった、娘は平気みたい。
ところが熱を計ると39.8度。
娘に寒くないことを確認して急いで薄着にさせました。

まって、熱性けいれん、始まらないよね？
娘はこれまで7回ほど熱性けいれんを起こし、1週間ほど検査入院をしています。検査結果は異常なしでしたが、またけいれんとなると救急車を呼ばないといけないのです。

仮にけいれんしたら、娘と私が救急車に乗るのか？ つか、コロナ疑いで受け入れてくれる病院あるの？ 息子もバグってるから一緒に行きたい…いや、息子は置いて元夫に鬼電？ いや、いや元夫は鍵を持ってないから入れない……3人で乗れるか救急車？ え、ちょ、
どうするマンゴー！？

気分は家康。私は深呼吸をして横になり、体力を温存しながら何をしたか。
オン コロコロ センダリマトウギソワカ
薬師如来さまへのご真言を唱えました(笑)。

神さま、仏さま、薬師如来さま、誰でもいいので、マジで子どもたちの熱を下げてください。
オン コロコロ センダリマトウギソワカ
脳の障害とかけいれんとか、マジで起こさないでください。
オンコロコロ・センダリマトウギソワカ

40度を超えたら救急車かも……いや昔40.2度出してたから大丈夫かも……服ぬがそ……
オン コロコロ センダリマトウギソワカ

マンゴーは特定の宗教を信仰していない人間ですが、このご真言だけは暗唱していました。このときのことを友達に話すとたいてい笑いが起こるのですけど、恐怖に飲み込まれず冷静になるために必要だったのだと、今なら思います。


つづく