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お誕生日おめでとう!っていうような歳でもないけどね、とか言っちゃう私たちへ。 アラフォーからのセルフラブ vol.5

ろうそくをものすごい肺活量で吹き消すマスカットさん

チーム完熟の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!


お誕生日おめでとう!っていうような歳でもないけどね、とか言っちゃう私たちへ。

テレレレッテッテッテー♪
先日レベル48になりました。マスカットです。

突然ですが、誕生日ってうれしいですか?
「うれしい!」と秒で答えたカンテラ世代はどれくらいいるでしょうか。


今思えば、小学生時代の誕生日は手放しに楽しいイベントでした。親に買ってもらうおもちゃはもちろんのこと、お誕生日会でチューリップ型のチキンやケーキを食べつつ、声をかけた友達一人ひとりから、プレゼントの品を受け取り開封していくワクワク感ときたら!

この時期に名をつけるなら、まさに「ワクワク期」

当時かわいいものといえば、サンリオ一択でした。サンリオショップでプレゼント用のラッピングをお願いすると、小さなマスコットをシールでぺたりと貼ってくれたんですよねぇ。プラスチック製のパステルカラーのやつ。集めてました笑

もちろんおまけ以外のメインの品々は言うまでもなくかわいい。キティちゃん、キキララ、マイメロなど。(今でも現役メンバーのすごさよ!)えんぴつや消しゴムや下敷きを自分で買った記憶ががないのは、年に一度のこのイベントによるものでしょう。(ろくに勉強しなかったせいでは?……という仮説については今回はスルーします)

さすがに中学生になると誕生日会も親からのおもちゃもなくなりましたが、代わりに現金をもらうようになり、それはそれでむしろうれしい。

さらに高校生あたりから彼氏ができたりなんかすると、誕生日は一大恋愛イベントへと変化しはじめます。

「ワイワイ期」から「ウフフ期」への移行です。


時は80年代。少しお姉さん世代はバブルでウハウハ。高校生の我々もまたアクセサリーを欲したのです。

「17歳でシルバー、18歳でゴールド、19歳でプラチナをもらうと幸せになれる」というジンクスが、まことしやかにささやかれました。
今思えば銀座じゅわいよ・くちゅーるマキの陰謀だったのではないかとも思えてきますが、そんなことはどうでもよく、ただただ幸せになれる貴金属を願ったものです。

まぁこれくらいのことで一生の幸せが約束されるなら安いものですが、高校生にはそこそこハードルが高いジンクスでした。同級生と付き合っていた私もそのひとり。

当時の彼、かなり頑張ってくれたよね! ありがとう!
いま数十年の時空を超え感謝の念を送りました。かくして私もシルバーな幸せをゲットしたのです。

とかなんとか言ってますけど、決してアクセサリー欲しさに付き合っていたわけではない! めちゃくちゃ彼のことが好きだったんです! その証拠に、その日から肌身離さず、もらったネックレスを身に着けておりました。その本気度は、金属アレルギーだったために、体育の後は首が真っ赤になっても外さなかったことからもわかります。

そんな彼ともやがてお別れすることとなり、もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対と言ったような言わなかったような数年後には
「わたし金属アレルギーだからさぁ、アクセサリーはゴールドかプラチナしかダメなんだよねぇ」とか他の男に言うようになるわけですが。

なんだかんだと23歳で結婚するまでは、あほぅな「ウフフ期」は続きました。

イベントはさほど好きじゃないのですが、誕生日だけは別。プレゼントとお食事がセットのデートがマストだと思っていた時期です。

ところが結婚して子どもが生まれると、誕生日は祝われるものから祝うものへと変わりました。つまり自分の誕生日より、子どもの誕生日がイベントとして存在感を増すのです。結婚当初は夫からプレゼントをもらったりはしたけれど、関係が悪くなるにつれてそちらの雲行きも怪しくなり、やがて夫は私ではなく他の女の誕生日を祝うように……。

ちょうど時を同じくして、30代も半ばとなり、ついにその日がやってきます。
夫からは祝われなくなったものの、一応ママ友と誕生日ランチをしたりする。そして「マスカットちゃんオメデトー」と言われ「ありがとう」と笑顔で答えた直後、ついこんなことを口走ってしまったのです。

「お誕生日おめでとう!っていうような歳でもないけどね」


年齢が上がってきて老化も感じはじめ、誕生日はうれしいものではなくなり、むしろ「また来やがったか」みたいな気持ちになる。この時期は子育ての忙しさもあり、自分の誕生日さえ忘れちゃいそうな「グダグダ期」です。

年の数だけろうそくが立っているケーキをサプライズされたとしても、
「なにしてくれてんじゃー!」と叫びたくなるような気分。

たぶんこのまま、どうでもいい、むしろうれしくない誕生日がこの先ずっと続くんだろうなぁ。そんなことを思いながら、なんとなくケーキだけは食べちゃうこと数年。
30代後半を迎えた私は、離婚に至りました。


ここからです。
永遠に続くであろうと思っていた「グダグダ期」は突如として終わりを告げます。
新しく彼氏ができると、またもややってきた、ウフフ感!
これが「第二次ウフフ期」です!

大好きな人がいて、その人から生まれてきてくれてありがとう❤︎みたいなテンションで祝われると、こっちもテンションがめっちゃ上がる! 年齢も上がっているはずなのにそんなことも忘れ、ウフフしてる私がいる!


彼氏が変わっても「第二次ウフフ期」続きましたが、一方で「第一次のウフフ期」との明確な違いもあります。それは適度な脱力感があるという点です。

大人同士の付き合いなので、忙しかったりして当日は会えないなんてこともあります。昔なら考えられなかったことだけど「忘れてた」みたいなことに対しても寛容になる。まぁ会えたらうれしいけれど、会えなくてもケンカになるようなことはない、という感じなのです。

これは相手の忙しさばかりではありません。
とある日、彼と昼間から遊んでいて22時過ぎてから思い出したんですよね。

(あ、今日って、彼の誕生日じゃん……)

プレゼントも忘れたし、今のいままで思い出しもしなかったんですが、とりあえずしれっとわかってましたけどあえてこの時間みたいな顔して

「お誕生日おめでとう♪」と言ってみました。

「忘れてたよね?」と即座に見透かされ、言い訳もせず「はい」と答える。

「サプライズでも用意されてるかと思ったよ」とか言われつつも、なんとなーく許される。

これが大人です。
いい。なんかそれはそれでいい。許し許されて生きるのさ。


「第一次ウフフ期」には、誰よりもいちばんに「おめでとう」が言いたくて24時に電話をしたりもらったりなどやりましたが、そういう熱さはもういらないのです。(まぁあったらあったで喜ぶけどw)
「第二次ウフフ期」程よい。


そして近年は、同時に思うのです。
ハッピーバースデー トゥーミー!!

彼がいようがいまいが、忘れられようがられまいが、今年も生きてて良かったんじゃん!
よくぞ頑張った、私のカラダ!と。

まさにセルフラブ!
ヨガと出会ってからの、マイキャンペーン!

自分で自分の誕生日を心底祝えるようになったら、最強です。
悲しむことはなく怒ることもなく、甘い言葉が欲しければ自分でかけてやればいいのですから。

あぁしあわせ♪


ひるがえって、最初の質問です。
誕生日ってうれしいですか?


「はい!うれしい!」


秒でそう答えたいし、答えられそうな気もする。
ですが実際は、秒は秒でもまだ3秒はかかる。

それはやはり、若さへの羨望なのでしょう……。


まぁそりゃそうですよね。
不老不死は、人類共通の普遍的な夢であり欲ですから。

かの竹取物語だって、時のみかどの度を超えた不老不死薬探しへの揶揄だという説もあるじゃないですか。だとしたら、私ごときが壮大な欲を手放せるかって、そう簡単ではないわけですよ。

とはいえ、自分のことを愛せるようになった今なら、
目の前に大量のろうそくが立ったケーキがサプライズで出されても、
もう怒ることもなく、悲しむこともないでしょう。

にっこり笑って、一気に吹き消す自信があります!
ブハーーーーーーッと!

セルフラブのみならず、その肺活量もまたヨガのおかげです。

チーム完熟・マスカット(ライター)

「チーム完熟」イチの恋愛体質。十数年前にDV的なごちゃごちゃの果てに一人息子を抱えて離婚。元夫とはそれっきり。昨年、息子の独立を機にフリーランスに。コピーを書くことのほかに、ヨガと瞑想を広げる活動も展開中。人生の後半は、好きな人と好きなことしかしないと決める。
※現在は別業にて活動中
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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