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毎日忙しく、疲れもたまりがちなメノ活世代。「運動した方がいいのはわかってるけど、これ以上がんばれないよ~」っていうのが正直な気持ちでは?
がんばらなくてもいい、気持ちいいレベルのゆるーいトレーニング&ストレッチ<メノトレ>は、今日のからだを快適に、明日のからだをもっと元気にするコツをお伝えします!
秋という季節を忘れたかのような日本列島、東京でもいきなり最低気温ヒトケタの日々ですが、みなさま凍えていませんか? こう寒いと肩が縮こまって……そう、俗にいう「巻き肩」になっているかもしれません。今日は巻き肩について深堀りします。
巻き肩とは医学的な正式名称ではありませんが、肩先が前に出て内側にまるまってしまった状態のことを指します。デスクワークやスマホの使用が多い方によくみられる傾向で、痛みが出ているわけではないため緊急対処は必要ありませんが、まず実年齢より老けて見られてしまうことが多いよう。巻き肩は、肩こり・首こりや四十肩・五十肩と呼ばれる「肩関節周囲炎」へ進行していく可能性もあるそうなので、まずはチェックから始めましょう。
「巻き肩チェック方法」
肩の力をぬいてまっすぐ前を向いて立ち、両腕を下ろしたときに……、
①肩先が耳たぶより前に出ている
②手の平がもも側に向くのではなく、後ろを向いている
上記のようであれば、巻き肩の可能性アリ。また枕を使わず、ベッドにあおむけに寝そべった時、肩がベッドからどのくらい浮いているでもチェックできます。肩が耳たぶの高さよりベッドから浮いて位置しているようならば、こちらも巻き肩の可能性があります。
病気や疾患ではない巻き肩ですが、言い換えれば「肩こり・首こり」症状の予備軍でもあります。原因は、スマホの使用、デスクワークや家事などで前かがみになる姿勢不良が長時間続くこと。
この姿勢不良を戻す機会がないと、背骨・肋骨・胸骨で構成される胸郭の動きが制限され、それらと連動している肩甲骨、鎖骨、肩関節の可動性が少なくなっていくといいます。さらに、これら骨の動きが制限されると、同時に骨についている筋肉が伸縮する機会が少なくなることで、筋肉の柔軟性も乏しくなりやすいそう。
「骨の可動性」といわれてもピンとこないかもしれませんが、例えば胸郭(=肋骨、胸椎、胸骨で構成される部分)は本来、内側に守っている肺が、呼吸によりふくらんだりしぼんだりする動きに合わせて、上下左右前後と全方位的に連動する可動性を持っています。
ところが、姿勢不良によってその可動性が失われてくると、息を吐くときに肋骨が下がりにくくなってしまい、息をしっかり吐きづらくなって呼吸が浅くなります。その結果、胸郭だけでなく、肩甲骨、鎖骨までが影響を受けて硬直的になるという悪循環に。
そして、しっかり息が吐けずに呼吸が浅くなると呼吸補助筋が過度に働いて呼吸を助けるので、それらの筋肉が硬く、すなわち「凝って」しまいます。呼吸補助筋は主に首や肩に分布しているため、そうです、肩や首が凝ってしまうのですね。
毎度のことながら、身体は何かひとつのきっかけがモトで、よくも悪くも全身に影響が広がってしまうもの。巻き肩から浅い呼吸や、肩こり・首こりを発症してしまわないよう意識的に阻止していきましょう。ということで、次回は簡単にできる巻き肩ストレッチ&エクササイズをご紹介。ぜひ仕事や家事の合間におこなってくださいね!
参考 胸郭について
体幹の機能障害における胸郭のかかわり 柿崎 藤奏
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/43/0/43_61/_pdf
監修:理学療法士 浜野 久美子