チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!
みなさん、こんにちは。
なんのかんの1年ばかり五十肩を抱えている完熟オレンジです。
病院行こうよ、って話ですが、
注射を打たれそうなのが心からイヤなので・・・。
眠れないほど痛いわけではないから放置上等で、
最近は経皮鎮痛消炎剤を塗り塗りしたり、シップを貼り貼りしてやり過ごしています。
*みなさんはくれぐれも真似はせず、個人の判断で病院に行くなどしてくださいね。
さて、やり過ごせるぐらいの五十肩だからこその感想を、今日はお伝えしようと思います。
まず、不思議なことに五十肩になって、肩や腕をさすることが多くなったからか、
自分の肩や腕がとっても愛おしくなってきました。
考えてみれば、腕は身体の中で唯一、ぶらんぶらんな存在です。あ、女性は。
私たちの身体は常に重力で地球の中心に引っ張られているわけだから、腕も相当ひっぱられているし、肩にも相当な力がかかっているはず。半世紀以上そういう状態が続いているんだから、そりゃ、筋線維も疲れきっていて当然!
「ありがとう、腕! お疲れちゃん、肩!」とさすってみると、
心なしか痛みも柔らいだように感じる私は単細胞(笑)。
次に、五十肩になってどんなときに不自由を感じるかというと、
ダントツで、服の脱ぎ着です。
特にカーディガンを着る時、右手に袖を通したら、左手の空洞を探し当てるのが大変です。
脱ぐ時、両腕を後ろに回して袖口を持つ、という動作が非常にしづらいので、脱いた後は袖の外と内がひっくり返ってしまいます。
そう、オレンジの五十肩の特徴は、後ろ手が厳しいことなのです。
後ろ手って、400mリレーのバトンの受け取りだけじゃなくって、日常生活でちょこちょこあるんですよね。その都度「イタ、あイタタタ、イタタタタ」と独り言が入るのは当たり前体操ですが、もうひとつ、ちょっと自分でもバカじゃないかと思うのが、コレ。
肩と上腕が痛いと、ちょっとした動作に、
日本舞踊のお師匠さんモードがはいります。
例えば、食事中に「(斜め)後ろにあるお塩とって」と言われた場合、
五十肩知らずのオレンジであれば、お塩の場所に目星をつけるや、身体は正面に向いたまま、腕だけむんずと斜め後ろに伸ばして、「はーい!(ドスン)」とお塩をテーブルに置くことでしょう。
しかし、いまのオレンジは、腕を斜め後ろに大きく広げることが困難です。
まず、「あいよ」と、身体全体を後ろに向け、「あら、こんなところにいなすったのかい?」と、お塩と正面に向かい合うひとときが生まれます。
五十肩になってからは、右腕より痛みの少ない左腕を駆使することが多くなっているので、「ちょいと、テーブルに越してもらうよ」と、利き手ではない左手でお塩を持ちあげる様もなんとなく優雅に。
「ほら、お前さん、お塩だよ。待たせたねぇ(そっ)」ってな具合。
すべてが、自分の腕と肩を庇うがための所作ですけど。
これって、エレガントなハンカチの拾い方に似てませんか?
ハンカチを落としたとき、その場で足を伸ばしたまま前屈して拾っていいのは、タレントの菜々緒さんだけです! その他の淑女たるもの、ハンカチの横に立ち、まず膝を曲げ、腰を下ろしてハンカチを手にとるのがよろしいでしょう。
ね、この、ひと手間が優雅な所作につながる感!
五十肩を知らなかったころのオレンジは、良く言えば、「元気いっぱいチアリーダー」、忖度なく言えば、「あばれはっちゃく」だったのに、五十肩を患ってからは、日本舞踊の世界に一歩足を踏み入れたとでもいいましょうか。自然と「ため」がはいっちゃうのです!
ちょ、待てよ。
「しとやか」「たおやか」「優美」とか、大和撫子的な所作って、
もしや、四十肩、五十肩真っ最中のお師匠さんたちから
伝承されたものなんじゃないの!?
なーんて、アホな妄想がまた広がります。
最後に、今更ながらの発見は、大判シップをひとりで貼るむずかしさ。
「貼る」というより、ほとんど「飛ばす」勢いで肩甲骨あたりに着地させています。
これはこれで、いまや名人芸。
うーーーん、大判シップ貼りだけに限らず、服の脱ぎ着、リュックの着脱、
パートナーがいたら、「貼って~♥」「脱がせて~♥」「背負わせて~♥」と、
すべてが「甘える材料になるのに!」と思い、既婚の友人たちに話したら、
「げっ!」と一蹴されました。
「ん、もぉ~、照れちゃって!」と思うオレンジは、やはり永遠のカマトトでしょうか。
ちんとんしゃん。