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なぬう、私の体力、70代前半ですと!?「50歳のうぬぼれ鏡」vol.10

肉体年齢におののく完熟ライチさん

チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!


前回は、フィットネスジムの無料体験に申し込んだ「だけ」の、内容が超薄いコラムになってしまいました。
普通は体験の内容まで、体を動かすところまで書きますよね?
でも、言い訳をさせていただくと、「新しいことを始めるのがめんどくさい。特に、初対面の人とコンタクトを取るのがおっくう」という私のようなタイプも、そこそこいるんじゃないかなと。
そんな我が友にとって、少しでも心のハードルが下がるようにと、ものぐさをさらけ出しております。


無料体験の前日、カーブスさんからの電話が鳴りました。
これはあらかじめ「当日の体調などお尋ねするためにお電話しますね」と言われていたものです。
きっと予約をうっかり忘れる人のためのリマインダーなんでしょう。
相変わらず明るくはきはきしたスタッフさんの声です。

カーブス「こんにちは!ライチさん、明日のご都合、ご体調はいかがですか?」
ライチ「はい、おかげさまで元気です」
「良かったです!それでは、明日の予定はまず…(以下略)」
丁寧にもう一度教えてくれます。細部をちょいちょい忘れていたのでありがたい。

この機会に、気になっていたのに聞き忘れていたことを聞いてみます。
「あの、運動中にマスクはしますか?」
「はい、皆さん常にマスクをしていただく決まりなので安心ですよ」
おおー、やはりそうなのか。マスクして運動は息苦しそうなので、どうなのかなーと思ってました。これはよかった。

そして最後にこんなひとことが。
「あまり早く来られますと、お待ちいただくスペースがないので、なるべくお時間ぴったりでお願いします
わ、わかる。おばさんになると心配性になって、待ち合わせ時間よりもやたら早く着くようになるんですよね〜。
友人との待ち合わせで30分早く着いて、「もう着いちゃった」と連絡したら「実は私も」と返事が来る、なんてあるあるな話です。

当日、あんなに言われたにもかかわらず、案の定15分ほど前に着きそうに。
近くの公園でざわつく心を落ち着けます。
ミモザの大きな樹は珠のような黄色いつぼみを鈴なりにつけて、まもなく満開。
こずえの間からまぶしい陽光が射し込みます。
いざ行かん。未知の領域へ。


ジムの扉を開けると、そう、これこれ!
想像したとおりの風景が視界に飛び込んできました。
楕円形に並んだエクササイズマシン、それらをあやつるいきいきとした先輩女性の皆さん。
音量控えめのアゲアゲな音楽と、ときどき入る謎の英語のアナウンス。
ジムとしてはかなりこぢんまりとした空間です。

「ライチさんですね!」電話で話したスタッフさんが満面の笑みで出迎えてくれました。20代前半とおぼしき快活なお嬢さんはトレーナーとのこと。
更衣スペースでトレーニングウエアに着替えます。


必要書類に記入して、まずは「おからだチェック」。
最初は床にあおむけに寝て上体を起こす、いわゆる腹筋運動的なものを30秒で何回できるか。
真剣にやったのに遅い遅い。3回でした。

「片足スクワット」は、椅子に座った状態から、手を使わずに片足で立ち上がるもの。
はい。
全身全霊でがんばったのですが、1回もできませんでした!
懸命に力をこめる私の太ももに触って、「筋肉は働いているので大丈夫です!」と言いながら「0回」と冷酷に書き込むトレーナーさん。

次に柔軟性。床に脚を投げ出して前屈です。当然ろくな数値が出るわけもなく。
どの結果も、私の年齢の平均値より劣っていました。

身体測定もします。
身長やおなかまわりを測り、体組成計で体脂肪率や筋肉量もカウント。
体重は標準ですが、体脂肪率は標準を少しオーバー。筋肉量は標準を大きく下回りました。
すべてを入力した結果、私の体力は「70代前半」との診断に!!!


わかってます。全ては私の危機感をあおり、入会させるためだと。
片足スクワットは、おそらくは筋力以上にコツがものを言う運動なんじゃないかって気がするし。
検索したら、予測ワード上位に「片足スクワット できない」とか「片足スクワット 難しい」が出ましたからね。
ウエストを測る時に「おへそから指の幅2本分上にメジャーを当ててください」と言われたのもきっと、罠。
これってくびれよりも微妙に下の位置なんです。ふとくて当たり前。

でも、いいんです。体験に来る人なんて、お洋服屋さんで試着するお客さんと一緒で、ほとんど入る気で来ている人ばかり。私だってそうです。みんなグイグイ背中を押されたくてたまらないんです。
ショック療法、上等じゃー。だって私、今ほど切実に筋力をつけたいと思ったことありませんから。

などと、いきり立った気分になっていたら、
「ライチさんは、何歳まで生きたいですか?」
簡単には答えられない、すごい質問が飛んできました。
人間、死ぬときゃ死ぬだろーと思いつつ、
ライチ「えーと、母が79歳で亡くなったので、それくらいが目標です」
トレーナー「80歳くらいですね。今から鍛えれば、80歳でも元気でいられます!自分の足で歩けます!ライチさんは今、運動が必要だと気が付かれて良かったです。ここに来る決断をされたこと、本当に良かったと思います!」
トレーナーさんはぐっとこぶしを握ってガッツポーズを作り、ニコッと笑いました。

私は気がついていました。このお嬢さんがちょいちょいこのポーズをすることに。
そして、口癖は「さすがです!」というリアクション。
研修で教わったテンション上げのテクニックでしょうか。
全然さすがじゃないのにやたら言われます。
亀の甲より年の功。筋力はありませんが、経験からくる猜疑心だけは無駄にあります。
それでも、熱意は感じるんです。
この元気で一生懸命なお嬢さんの言うことをうのみにして、がんばってみようかなという気になりました。


次回は、無料体験の後半、マシンエクササイズ体験を書きます!
えっ遅い?もっとつまんで要領よく書け?
私もそんな気がしています。でも、初回というものは人生に1度しかないので、大事にしたいんです!

チーム完熟・ライチ(ライター)

「チーム完熟」のクールダウン担当、通称・師匠。1971年生まれ。雑誌編集を経て1997年からコピーライター。既婚・子なし・別居中。2018年から認知症の実母の保護者となり、2020年に看取る。コロナ禍でのもっかのマイブームはプロ将棋観戦。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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