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私のエクササイズ適性、脈あり?脈なし?「50歳のうぬぼれ鏡」vol.11

トレーニングの合間に脈を測ろうとする完熟ライチさん

チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!


もう前回のお話、忘れられているかもしれないですね。
フィットネスジム無料体験で、簡単な身体測定と体力診断をしたところまででした。
今回はやっと、マシンエクササイズです。


トレーナー「今日は12種類のマシンのうち、3種類を試していただきますね。何かわからないことはありますか?」
ライチ「ひとつ聞いてもいいですか」
「はい、何ですか?」
「ときどき流れる英語のアナウンス、あれ、なんて言ってるんですか?」
「ああ(微笑み)。あれは『心拍数を計りましょう』です」
どうしても気になっていたことが聞けてすっきりしました。

マシンと人の輪の中へ、私もおそるおそる混ざります。
当然ながら先輩会員の皆さんは慣れたようす。
「Change stations now(次のステーションへ移動して)」のアナウンスとともに、さっと隣に移り、違う運動をはじめています。

マシンはどれも、電気を使わず人力だけのシンプルな構造。
フィットネスマシンと聞いて想像していた、数字がピカピカ光るモニターなどはついていません。
運動自体は単純ですが、負荷がかかっているので見た目以上に力が要り、ゆーっくりとしかマシンが動きません。

まずは立った状態で体の横のバーを持ち、左右に上体を傾ける運動。
壁の説明図を見ると、脇腹の筋肉に効くらしいです。
しかし普通に腕で動かしているので、脇腹が動いている感じはありません。大丈夫?
「うーん、どうも目的の筋肉が動いている感じがしないです…」
「そうですね、これ、けっこう難しいかもしれません。徐々に慣れていかれると思います」

カーブスのプログラムは、マシン30秒→足踏み30秒の繰り返し。
チェンジのアナウンスとともにマシンを降り、足踏みボードへ移動します。
上がった息を整えつつ、横目で先輩会員を観察。
足踏みタイムは皆さんけっこう思い思いに動いています。小走りの人もいれば、腕の曲げ伸ばしなど上半身のストレッチをしながらの人も。


次に、座った状態で、脚を上下30度くらいに動かすマシン。
マシンの圧が重めなのか、私の脚の筋力が弱すぎるせいか、さっきとうって変わってきつい!
ハアハア頑張っていると、トレーナーさんが付き添って励ましてくれます。
「今、太ももがすごくきたわってる感じがしませんか?」
きたわってる?鍛えられてるって意味かな。独特。
「よくわかりませんが、うーん…、筋肉が動いてるなって感じです」
「さすがです!慣れてくれば、もっともっときたわりますよ!」


3つめは座った状態で、両腕を前からサイドへと90度開閉する運動。
理科室の人体模型がぱっと脳裏に浮かびました。これ、肩の付け根から胸へ、扇のように広がるあの筋肉だ。
私は生まれて初めて、大胸筋の存在を意識しました。
「大きく動かしてください。いち、に、いち、に。これくらいのリズムで」
「私にもこの筋肉あったんですね。今まで使ってあげなくてごめんって感じです」


終わったぁ、と思う間もなく、例の長めの英語アナウンス。
「心拍数はかりま〜す」
会員さんたちはそれぞれ手首を反対の手で持ち、脈をとる態勢に。
脈?脈!?いやーどこでとれるの???
ピクピクの位置を探しているうちに、10秒間の計測タイムはあえなく終了。
「最初は皆さん難しいといわれますよ〜」
励まされ、慰め続けられるライチでありました。
マシンのあとは、ストレッチ運動でシメ。エンドレスでビデオが再生されているので、真似をします。

……こんなもんか。できなくないぞ。やれそうな気がする。やってみよう。
体験をしたら、来る前の不安がだいぶ弱まっている自分に気づきました。
何より、先輩女性たちが特に楽しそうでもなく、つらそうでもなく、淡々とミッションをこなしているのが心強い。


体験プログラム完了後、入会の説明に入ります。
ジムに通わず、ビデオ会議システムを使って在宅で運動する「おうちでカーブス」なるプランもありました。
でも、リアルで人と会うことがモチベーション(プレッシャーともいう)になる私としては、やはり通常のプランが向いています。
会費を1年分前納すると割安になるとのこと。
そんなに続く自信もないので1ヶ月ずつ更新のタイプで申し込み。
入会金は半額になりました。

会費はクレジットカードの引き落とし。名義人を書こうとしてふと気づきました。
「私、通名として旧姓を使っているので、それで申し込んでました。クレジットカードは戸籍上の苗字なんですが大丈夫ですか?」
「あ、そういう方もいらっしゃいますね。大丈夫です」
「旧姓にすごくこだわりがあるわけじゃなくて、私の働いていた職場や取引先は、それが普通だったので」


すると、何かひらめいたようにトレーナーさんの目がきらっと輝きました。
「カーブスでは、下の名前で皆さんをお呼びしますよね。実はそういう面でも都合がいいんです」
「あっ、なるほど!」
結婚・離婚・再婚しても呼び方同じ。かつ、適度に会員間のプライバシーも守られる。いいシステムだなぁ。
「今日はまだ体験なので、ライチさんを苗字でお呼びしましたが、次回からは下のお名前になります。『名前で呼ばれることなんてずっとなかったわ』って喜んでくださる方も多いんですよ」
いかにもアメリカ直輸入っぽいなと思ってたカーブスの名前呼びに、こんな効能があったとは。ちょっと感動。


トレーナーさんが契約書類をつくっている間に、改めてジム内を見回してみました。
壁のいたるところに、エクササイズの効能の説明や、ヘルシーなお料理レシピなどの張り紙がぺたぺたと。
中には、会員さん手書きのメッセージをぎっしりと集めたコーナー。
葉っぱ型の用紙のひとつひとつに「体を思いっきり動かすの気持ちいい!」「3ヶ月続きました。もっと続けたい!」などなど、前向きな感想が躍っていました。

心拍数が落ち着くとともにライチ本来の弱気も復活して、入会手続きした直後にまた不安になってきました。
うーむ。このポジティブ空間に、私の居場所はあるのだろうか。(次回、フィットネス初回編に続きます)

チーム完熟・ライチ(ライター)

「チーム完熟」のクールダウン担当、通称・師匠。1971年生まれ。雑誌編集を経て1997年からコピーライター。既婚・子なし・別居中。2018年から認知症の実母の保護者となり、2020年に看取る。コロナ禍でのもっかのマイブームはプロ将棋観戦。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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