チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!
「お料理をすると、嫌なことも忘れて不思議と心が整うんです」
とか言ってみたい人生でした。
皆さんお料理するの、好きですか?
私は整うどころか、はっきり言って、好きじゃないです。
3大家事といえば、炊事、洗濯、掃除ですが、一、二を争うくらい炊事は好きじゃない。
(ぶっちぎりの1位じゃないのが、単なる怠け者の気配笑)
嫌いと書かなかった理由は、
だからといってインスタントラーメンを毎日たべるくらいなら、ちゃちゃっと適当に野菜多めの鍋とかでやりすごしたいし、さらには鍋を毎日たべるくらいなら、翌日は別物にアレンジしたりしたい、という程度には料理をします。
なので、大金持ちになったら、料理人を雇おうと思っています。
もちろんハウスキーパーも雇おうと思っているくらい掃除も好きじゃないです。
それはさておき。
そんな私が最近、キッチンでいつもと違う動きをしているのです。
ことのはじまりは去年。
ヨガ仲間とカレーのイベントを、月一で開催することになりました。もちろんカレーを作るのは私ではありません。私は場をセッテイングして食べるだけなのですが、このカレーがすこぶる美味しい!
お店で出せるレベル!
というか、下手なお店のカレーより美味しい!
それが、いわゆるスパイスカレーというものでした。
そもそもカレーはスパイスが入っているので、スパイスカレーという言葉は、よく考えるとおかしいのですが、日本のカレーといえばカレールーで作るものが主流であるため、ルーを使わずスパイスだけで作るカレーをスパイスカレーと呼ぶようになったようです。
インドやネパール料理店で出てくるカレーが、スパイスカレーだと思っていただけたらわかりやすいかと思います。
スパイスカレーの特徴はなんといっても香りの豊かさ。さらに小麦粉が入っていないので、がっつり食べても胃がもたれない感じも魅力です。これは完熟世代にもうれしいポイント。
一方、ホテルや洋食屋さんで出てくるカレーは欧州カレー。この庶民版が給食のカレーですね。まぁそれはそれで悪くないのですが、ヨガや瞑想をしている影響でインドへの憧れが強いため、欧風カレーよりインドカレーを食べに行くことが多く、お気に入りのスパイスカレー店もあります。
イベントでカレーを作ってくれていたヨガ仲間は、50代独身男性です。研究熱心で多趣味で器用。ヨガ仲間からも一目おかれている存在。だからこそお店レベルなんだなぁと思い、
「すごい!おいしい!」を連発していたところ、
「いや、誰でもできる。このレシピ通りに作れば」
と、一冊の本を持ってきてくれました。
「ただし……」
そう言うと、彼は秘密アイテムを手渡す時の賢者のように、ひとつだけ守るべきことを私に伝えたのです。
「忠実にレシピに従うこと。1グラム単位の誤差もなく、ね」
これぞスパイスカレーの極意!
実際にレシビを見たところ、
スパイスの欄に、こんな表記が
クミンシード ひとつまみ(0.5グラム)
めんどくせぇぇぇぇ。
1グラム以下じゃないか!
そもそもお料理が趣味でもなんでもなく、
さらにガサツちゃんなので、計量とか大の苦手。
その場で、差し出された本を返そうかとも思いましたが、プロレペルのカレーのあまりの美味しさと「誰でもできる」というキャッチコピーにひかれて、0.1グラム単位まで測れるデジタルスケール(意外にお安い980円)をポチりました。
デジタルスケールの到着を待つ間、食材の調達のためアメ横へ。
オンラインでも買えるのですが、スパイス専門店って面白そうだし一度行ってみたかった。
メモを見ながら、全部で10種類ほどのスパイスを小瓶ではなく袋で購入。
これだけでかなりワクワクします。
ただし。
カレー作りに飽きてしまったら、大量のスパイスが残るリスクもあります。まぁそうなったらヨガ仲間にあげちゃえば喜ばれるだろうから、無駄にはならないってことで……。
お米もカレーイベントで食べさせてもらったバスマティライスを購入。何十年か前にあったコメ不足の時にパサパサしていると不評だったインディカ米よりお高く、香りが豊かでスパイスカレーにぴったりのお米です。
すべてが揃う頃には、スパイスカレー作りへのテンションはMAXに。デジタルスケールが到着するやいなや、早速レシピを見ながら調理開始です。
ココナツミルクなどの液体も測るため、
調理というより、もはや実験の様相を呈しています。
しかし、めんどくさいな……。
溢れ出すズボラをなだめつつ作業は続きます。
めんどうと言っても、基本のスパイス調合さえまとめてすませていれば、他の種類のカレーにも応用できるのでここは頑張りどころ。
その後の調理過程においては、
材料を切って合わせる→煮る→仕上げる、の3つ程度。
お肉を使わなければ、煮込み時間もたったの10分ほどで楽チン。
全体を通してみれば、計量のめんどくささはあるものの、トマトの水煮やココナツミルクはまとめて計量して小分けに冷凍することができるので、その準備さえできていれば、忙しい日の夕飯でもスタートから30分もかからずにつくることが可能です。
そして一番の注目は、出来上がりのお味ですが。
美味しい!!!
自分で言うのもなんですが、プロ並みです笑
うちの息子は小学生のころから、欧風カレー系が好きではなかったため、グリーンカレーなどのタイカレーばかり作らされていましたが、スパイスカレーについては大好評。
借りていたレシピ本も、満を辞して同じものを購入。
今となってはこんなに使い倒してるレシピ本、はじめてかも。
写真にあるスパイスも、ほぼ使いきりました。
でもね。
やっぱりズボラはズボラ。
0.1グラム単位も狂いなく!とか言ってたくせに、
「あ、2グラム多く入っちゃった……まぁいいか……」と思うことが増えてきました。
それでもまぁ美味しいんですけど。いかんいかん。
単なるお母さんのカレーになっちまう!
これはある日のひよこ豆のカレー。
パクチーの量!
もちろんこの点について、レシピはガン無視です笑
でも美味しそうでしょ?
そういうとこ、な!