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450円のワンピース姿を褒められる、プレ・メノ世代のファッション考。 マンゴーvol.27

ワードローブのコストについて語る完熟マンゴーさん

チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!


先日、行きつけのイタリアンでオーナーに「マンゴーさん、今日の白いワンピース、普通ですけど、素敵ですね!(※たまに普通じゃない格好をしているためと思われる)」と言ってもらい、別の日に偶然会ったママ友から「今日の白いワンピ姿、カッコイイねー!」と言ってもらうことができました(※褒め上手さん、というのもある)。

この450円で買ったワンピースを。

すべてのアラをぶっとばしてくれる蛍光白色の「着るレフ板」ワンピース。輝きます。

「買い物上手ドヤ」とも思いますが、「もう4桁以上の服を買えないのでは……」「安上がりすぎる……」と複雑な気分ではありますが、マンゴーにとって服は値段じゃなくて、似合うかどうかと開き直っていこう、今回はそれをおつたえします。

重力に従う身体と反比例して、服選びの精度が上がる。

「顔とからだの素材で乗り切れるモラトリアム期は終わった……」。
40代を前にして「手持ちの服が急に似合わなく」なったマンゴーは、ふとそう思いました。学生時代から長い付き合いの女友達も「あるある」と大合唱だったので、みなさまが通る道なのかもしれません。

私は33歳で長男を生み、36歳で長女を生んだので、39歳といえば、抱っこなどの育児にかかわる肉体労働が減ったときでした。すなわち「育児筋トレ」が減り、加齢による各部位(特に腰・腹・尻まわり!)がゆるみ&たるむ時期と重なったのでしょう。他者から見ると変わらない体型だったとしても、手持ち服という定規を当てたとき、私の脳だけがボディラインの差をはっきりくっきり認識してしまったのだと思います。

つまり、手持ち服が似合わなくなったのではなく、「似合わないと感じるようになった」。自分だけが気付く違和感に振り回された、ということでしょう。

そこで体型を戻すべく筋トレに励む……わけはありません。

ちょうど世の中にはアンチ・ルッキズム、エイジズムの波が盛り上がり、ボディ・ポジティブやらボディ・ニュートラリティなんてむずかしい言葉も踊ろうとしていた時期。日本にはもともと諸行無常の精神もあるわけですし、マンゴーは「しょうがないよね~」と身体をいたわり、服選びの精度を上げることで「似合わなさ」を解決しようと試みたのです。

まず、生地です。
薄い化繊などを着てしまうと、これまでの業が毛穴から漏れ出し、退廃的な場末感に圧倒されてしまうので避けます。20代~30代前半の頃は、若さで乗り切れた……失って気付きますねぇ。

では肌にやさしいといわれるオーガニックコットンが良いのかといえばそうでもありません。加工具合にもよりますが、とろんとしたタイプだと、ほっこり感が出すぎてトトロのようになってしまう。私には生地のハリが必要でした。

次に服のパターンとサイズ。
私の体型は流行りの骨格診断でいう「ナチュラル」寄りらしく、手首足首そして首は、わりとほっそりしているものの、筋肉少なく肉質がぽにょぽにょしていて下腹の厚みがすごい。ので、全身をゆったりふんわり覆ってしまったり、肩幅が大きい服だと、またトトロです。数年前流行ったビッグシルエットのTシャツは難しかった……。

だから「実は私、ウエストはトトロよりもくびれているんですよ!」と分かる妊婦感のないシルエットじゃないといけない。そんな服、存在するのかって思いますけど。


そして、色。
ライチ師匠のコラムにもチラッと登場しましたが、マンゴーはカラー診断でいうところの「冬」のよう。ですので、数年前に流行っていまだ根強い「グレージュ」とか「くすみ○○」は鬼門です。ダルトーンやニュアンスカラーを身に着けると顔色もくすみ、反対に白味の効いたパステルカラーは顔が浮いて苦手ときたもんだ。

だから、バキッとしたマゼンタやイエロー(プリンターでいうところの赤と黄色)なんかが顔映え良く大好物。でもなかなか市場に出回ってくれないので、仕方なく黒か白を選ぶクセがついてきました。ベージュも黄味が強いものだとどんよりするので、青みが強い方が好みです。


と、ここまでお読みになって気が付くと思います。
プレ・メノ世代となったマンゴーは、注文が多い。
もはや、実物を試着しないと買えないのです。


20~30代前半の頃は、「こういうデザインの服が着たい!」というパッションがあり、「服が入ればオッケー!」だったので、ネットでポチれました。着ればだいたい似合いました。えへ。

しかし今、スマホの写真とチョロッと書かれたスペックだけじゃ圧倒的に情報が足りません。生地の色は画面と乖離はないか? モデルさんの外見が良いから、服が良く見えるのではないか?


今ならハッキリわかります。
私は素敵な服が欲しいのではなく、
私を素敵に見せてくれる服が欲しいのです。


年を重ねて、この違いがより明確になってまいりました。

で、3ケタ服に沼る。

39歳から4年が経ち、ボディラインはより重力に従順になってきましたが、それと反比例するように欲しい服のイメージが確固たるものとなり、服選びの精度はますます上昇、その結果……お金がかからなくなってきました。

ここ2か月で買った服は、以下。

・裾カットデニム(nano universe)700円
・半袖白Tシャツ(ZARA) 700円
・半袖白Tシャツ(BILLA BONG) 450円
・白いワンピース(GU) 450円 ←冒頭の一枚
・ダークブラウンのノースリーブワンピース(JOURNAL STANDARD) 1800円
・グレーのノースリーブワンピース(SkinAware)450円
・麻混素材の白いテーパード型パンツ(studioCLIP)700円


価格はほぼ3桁、だいたい白色、すべてカジュアル・リユース品。新品でもファスト・ファッション……!

さらに資金源のなかには、元夫が2年前に置いて行った靴(計1500円)もあり、「いらなくなった服や靴をごっそり売り、そのお金で良さげなものを買う」ことも。ヘタしたら、「未使用zuccaのニットをリユース店で買って、2シーズン着たあと同じ店へ売りに行く」という、ひとり輪廻転生ワザもこなせるようになりました。

ここまでくると、数百円で買うことが当たり前となり、700円でも「高いな……」と価値観のデフレが起こってくる。そして、貧すれば鈍すで「適正価格を払えなくなる」という別の問題も発生。


しかし、服に限っていえば、そもそも私は何円の服であれ「着飽きる」から別の服が欲しくなるいきもの。ブランド名やユーズドであることはあまり関係なく、イメージに合えば即断なのでしょう……でもまあ、高価なファッションアイテムは独自のオーラがあるからやっぱり欲しいかもしれない。

うん、欲しいんだよな。
本当はジルサンダーとかマーガレット・ハウエルとかが似合う外見と財力がほしい。サラリと春風のように着こなしたいんだ……でもマンゴーは、マーガレット・ハウエルの色相が圧倒的に似合わないッ!体型にもミスマッチ!!やっぱり、このオリーブ色の長袖シャツは、売るべきなのか!? 好きなのに、似合わぬ片想いがツライィですッ!!


審美眼に自信を持ったかと思えば、心の底に眠るインサイトを掘り起こしてしまう、めまぐるしいお年頃。ユーズド品漁りも、定期的にやってくるマイ・ブームなんだろうな~という気もしておりますが、ファッションを通じて己を知り、己と仲良くなってきたことはたしか。
さーて、たまに5桁の服飾品も買いながら、プレ・メノ世代を楽しんでいくとしますかね。


追伸:というわけで、約2万円の白いバレエシューズを返品OKのネットで購入。

足の甲にあるホールが、きゃわわ!

チーム完熟・マンゴー(ライター)

「チーム完熟」の下っぱ特攻隊長。厄年以上、更年期未満の1979年生まれ。フリーランスコピーライター / 唎酒師 / 2児の母 / 2021年5月に離婚。2020年末あたりから謎のめまいが頻発し、その原因を突き止めるべく病院をめぐる。2021年現在のストレス点数は685点(※300点以上で翌年に健康障害が生じる危険性80% 出典:夏目誠・大阪樟蔭女子大学教授提供より)。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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