チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!
考えてみれば「毛」とは不思議なものです。
生えてくる部位によって疎んじられたり、歓迎されたりする。
脇に生えればムダと言われ、髪の生え際にあれば「どうか、後退しないで」と願われる。
そして昭和な私たちは、「腋毛もファッション」と言われても「そうか、ピンクに染めよう!」とは思わない。多様性をうたわれようとも、脇にある毛をそのままにしてノースリーブを着ることに抵抗があるものです。
だから、脇に毛のない状態は、便利。
でも、そんな実用性よりも
「身体から腋毛をなくしている」という女性のマインドが重んじられているように思いませんか。身だしなみの一環として。
脇毛をなくす行為はすなわち、
ファッションや恋愛領域にスタンバイOKの証であり、
現役の証、と受け取られているのだと思います。
私は20年前に光脱毛※1 をしたのですが、また脇には毛が生えてきてしまいました。しかし、気分はご隠居さんだったので、前のめりに「もういっかい脱毛じゃ!」とはなれませんでした。
それなのにマンゴーは、家庭用脱毛器を買いました。
頭が寝ぼけているときにWEBでポチったので、タキマ○御用達バスローブも一緒に買ってしまいました。
これは、まったく要りませんでした。
なぜ家庭用脱毛器を買う気になったかといえば、こんな仮定を実証したかったから。
人は心機一転するために、毛を変えたくなるのではないか。
裏を返せば、毛を変えれば気分が変わるのではないか。
昭和の時代から「失恋すると髪を切りたくなる」とか「髪をバッサリ切ると失恋のサイン」などと申します。令和になったいま、私の周りを見渡すと、数年前にシングルマザーとなった友人と自由な恋愛生活をおくる友人が、こぞって「V.I.O脱毛をして、ツルッツル」にすると言い出し、時を同じくしてマスカットさんがV.I.O介護脱毛についてのコラムを開始。
3人に共通するのは、自他ともに認める恋愛体質であることです。
マスカットさんの結論は「介護脱毛は、必要ないのでは」というものでしたが、彼女たちを見てマンゴーはふと思いました。恋愛体質の女性は、自分(と親しい恋愛対象)にしか分からない、けれど確実に変化のあるアンダーヘアを改革したくなるのではと。
そうです、脱ぐ機会の多い女性は、必然的にアンダーヘアを意識します。
いろいろな美容の価値観があるなかで、恋愛体質群からすればV.I.O脱毛とはおそらく、洗顔後に化粧水を塗るがごとく当然のことかもしれません。裏を返せば、V.I.O脱毛をおこなうことで、ワンチャン恋愛体質になれるのかも? と期待がふくらむではありませんか。(ええ、この論理が破綻していることは分かっていますけど。)
私はここだけの話、数学と同じくらい恋愛が苦手で、今後一生関わることはないと思っていました。しかし「せっかくシングルなのにもったいない!」とのお言葉をほうぼうから頂戴し、「もったいない」という言葉にめっぽう弱い貧しい私は、恋愛体質にならなくてもいいけど、死ぬまでに一度、恋愛をしてみたいな、と欲が出てきました。
そして2人の友人が「マンゴーちゃんも、V.I.O脱毛をしたら?」と勧めてくれたこともあり、近場のエステサロンを検索などしてみたのです。
ふふふ、かわいいマンゴーじゃありませんか。
心理学の世界では、行動を変えることで気持ちを変えていこうとする「認知行動療法」があるのですが、V.I.O脱毛機関を探すという行動によって、だんだんその気も高まってきます。はい、マンゴーはチョロいです。
数時間ネットを漁って、よーし、ここの医療機関に決めた! と予約ボタンを押そうとしたとき、ハッとしました。
V.I.Oの前に、ワキの脱毛じゃないのか?
そうだよ、まだワキ毛が生えてくるじゃないか。
ではワキとV.I.O、同時に申し込めばいい。
そう思いましたが、合計50万円くらいになり、「ワンチャン恋愛できたらいいな~」という薄い動機に対しては高額です。
と、そこにあらわれたのが意識の高いママ友で、「ジムでついでに脱毛やエステをやっている」※2だの「家庭用脱毛器を持っている」だのと言うではありませんか。
彼女は自律心が強く、酒を飲んでも太らないよう、毎日ジョギングしてから在宅勤務を始めるような鉄の意志を持つ女性です。
ここでマンゴーはまた学びました。
恋愛を視野にいれていなくても自分のために律している人もいる。
ワンチャン恋愛したいなら、より律した方が無難なのではないか。
時代の先端をいく人は、「アンチ・ルッキズム」をいっているけど、市井一般のアップデートが済むまでは、見た目を律している方が、恋愛への近道ではないだろうか、と。
孫子も言っています。「水は低きに流れる。人の心もまた同じ」と。
マンゴーは、気高いテーマに挑むより、毛をなくすことへ流れることにしました。
さて、家庭用脱毛器なら、脇と同じくV.I.Oの「V」であれば始末がつけられてお得です。先のママ友によると「むさくるしい男子はきらわれるから、息子のすね毛や胸毛にも使える」とのこと。そうか、子どもたちにも、男の子も使う時代か。そこまで視野に入れればモトは取れるだろう。
というわけで、私は週に一度、脇に、ヘソに押し当て、バチバチッと照射を繰り返してみました。記憶がおぼろげですが、昔エステでおこなった光脱毛よりは痛くありません。そのせいか、数か月照射を続けても腋毛は細々と生えてくるよう。
ついでに腕や脚の毛除去もしようと思ったのですが、数年前はけっこう生えていたはずの腕毛がほぼなくなっていました。生命力が低下したからかもしれません。そのことで、どれだけ自分の身体を見ていなかったのかも、思い知らされました。
私の身体は、内側も外側も変化しているのでした。
そして裏メインのV.I.Oの「V」。
私はツルツルではなく、「アンダー三角州」の面積をやや狭めようと思っていたのですが、脱毛器の説明書によると「照射する箇所は、いったん毛を剃ってから」。ほほう、私は剃ることを忘れて5カ月が過ぎました。
だってホラ、お風呂で剃ったあと、部屋にもどって照射しようにも「ママ~、何やってるのー?」って絶対子どもたちが寄ってくるじゃないですか。さすがにその姿を見せたくないし。
え、トイレでやればって?
ですよねえ……(めんどうが勝つ)。
あ、でもね、脇の毛は減ってきたことで、躊躇なくノースリーブを着るようになりました。暑さが勝ることも手伝って、二の腕のタプタプは気になるけれども出し続けて夏を越してみた。
するとどうでしょう。ノースリーブが「制服」となり、徐々に露出が増えて背中を出しても気にならなくなってしまった。先のママ友からは「マンゴーちゃんみたいに潔く肌を出したいわ」と言われるまでに。
つまり、先の仮定はあながち間違っていないことが(個人的には)証明されました。
毛を変えれば、気分が変わる。そのうち、行動も変わる。
名付けて「ムダ毛行動療法」。
いずれ「三角州」のお手入れができるようになったら、何かのリミッターが外れるのかも、しれませんね。
※1 参考 光脱毛
国民生活センター 脱毛施術の違いと注意点がまとまっています。
ht2tps://www.kokusen.go.jp/kiken/pdf/338dl_kiken.pdf
※2 例えばchocoZAPには、セルフエステとセルフ脱毛の機械があります。
https://chocozap.jp/