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メノポーズ世代の目の悩み、老眼。眼鏡店で徹底的に聞いてみる! 「50歳のうぬぼれ鏡」Vol.26

白内障治療の人工レンズを見せてもらう完熟ライチさん

チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!


前回からの続きです。
「眼鏡を作りたい!」
チーム完熟が連絡を取り合うチャットボードにそう書き込んだところ、完熟オレンジさんから耳寄りな情報が寄せられました。
「私の親しい友人が眼鏡屋さんをしているよ。自分のお店の他に、眼科でも検査員をして、眼の勉強を積極的にしているみたい。行ってみたら?」
お友達は私と年代も近い女性とのこと。相談しやすそう!渡りに船!とあいだを取り次いでもらいました。


東京・高円寺の商店街にあるツバメヤ眼鏡店は、昔ながらのこぢんまりした「まちのめがね屋さん」の趣。今回取材に応じてくださる眼鏡士・視能訓練士、杉谷ちさとさんのおじいさんの代から、85年続く老舗です。


杉谷さんはレンズに色を入れることで、からだのバランスを整える「イノチグラス」という眼鏡を販売する「目育士」(めいくし)でもあります。ツバメヤさんでは単に視力を矯正するだけではなく、お客さんのライフスタイルや困りごと、なりたい自分などテーマに合わせて作る「イノチグラス」も選択肢に入れ、眼鏡選びをサポートしてくださるとのこと。


取材日はわざわざ定休日にお店を開けていただきました。
他のお客さんや時間を気にせずにじっくりと相談できてありがたい!カンテラ読者のメガネ族のためにも、この機会を生かさなければもったいない。気になっていることをなんでも聞くことにしました。
にこやかに出迎えてくれた杉谷さんは、個性的なフレームに、左右色の違うレンズの入ったモードな眼鏡をカッコ良く掛けこなし、実にお似合いです。

メノポーズ世代の目の悩みといえば、やはりこれ。
ライチ「そもそも老眼って何なんでしょう?どういう人がなるんですか?」
杉谷ちさとさん(以下、杉)「目の中には水晶体っていうレンズがあって、毛様体筋で厚さを変えることで、ピントの調節をします。老眼は毛様体筋による調節機能の低下で、ピントの合う範囲がだんだん狭くなり、特に手元にピントが合いづらくなる現象です。人によって進行の早い遅いはありますが、近視の人でも、遠視の人でも、誰でもなります
「周りの同年代の友達はみんな、小さい文字がぼやけて見えないって言います」
「手元にピントが合わなくなったんですね。ピント調節力の衰えは20歳前後から始まるのですが、実際に生活に支障が出始めるのは40歳前後。目安として30cmの距離が見えにくくなったら老眼とされています」
「老眼の人って、読めないものを腕を伸ばして遠ざけて見ますよね。あれは30cm以上離せばピントが合うからなんですね。老眼ってどこまで進むんですか?いつか止まります?」
残念ながら70代くらいまでは進みます。だからときどき視力検査をして、2年に1度くらいは眼鏡を作り直したほうがいいですね」
これからますます老眼がひどくなっていくの?なんだかショック!


「よく、遠視の人は老眼になりやすいといわれますけど、これって間違いです。遠視はもともと近くにピントが合いにくい目なので、さらに近くが見づらくなって、老眼に気づくのが早いというだけ」
「私は近視だから、老眼になっていても気づきにくい?」
「そうですね。近視は遠くが見づらい反面、近くは見えやすいですから、遠視の人よりも気づくのが遅いということはあります。だから近視で老眼の場合は、手元を見る時に老眼鏡をかけるのではなくて、近視用の眼鏡をはずす人も多いですね」


「今、スマホで手元をずっと見てる人がめちゃくちゃ多いと思います。これって目に良くないんですか?」
「はい、スマホはほんっとうに良くないです!近くを見るときって、毛様体筋にぐっと力が入って緊張している状態。逆に遠くを見るときは弛緩してラクな状態です。ときどき遠くを見て、ラクにするのが眼精疲労をためないコツです」
「遠くって、空とかではなくて、部屋の中の一番遠い壁とかでも大丈夫ですか?」
「はい、数メートル先くらいで十分ですよ」


ここで、メノポーズ世代には少し先ながら、気になっていることを尋ねてみました。
「さきほど、70代まで老眼が進むというお話がありましたが、60〜70代では白内障になる人が多いんじゃないかと思います。白内障の手術をしたら老眼ってどうなるんですか?
「白内障は主に老化が原因で、水晶体が白く濁ってしまう病気です。手術では水晶体を人工の眼内レンズに取り替えます」


すると奥から声が。
「これ、前のものだから今とは少し違うかもしれないけれど、眼内レンズの実物。触っても大丈夫ですよ」
杉谷さんのお父様である2代目社長、杉谷宗彦さんが小さなケースを持って登場。思いがけず貴重なものを見せていただきました!
直径5mmほどの小さな小さなレンズの2ヶ所に、ゆるくカーブした極細のワイヤーがついています。このワイヤーを眼内に引っ掛けて固定するのだそうです。
人類の叡智ってすごい!と感動しつつ、ひとつの疑問が頭に浮かびました。


「人工のレンズって厚さが変わらないから、もうピント調節はできないですよね?」
「そうですね」
「やっぱり!それじゃこのレンズの度はどう決めるんですか?手術後の視力ってどうなるんですか?
手術前のその人の視力にある程度合わせます。極端に生活が変わらないように」
「実は私の祖父が、手術後に『眼鏡なしで新聞が読めるようになった』って喜んでいたんです。これって?」
「おじいさまのご希望を聞いて、手元が見やすいレンズにしたんでしょうね。それは良かったですね」


さすが眼科に勤めて実地で勉強されている杉谷さん。眼鏡と直接関係ない白内障にも詳しい!
手術をしたらピント調節ができなくなるけれど、手元が見やすくなる眼内レンズを選ぶことはできる。だから「近くが見えにくい」老眼の状態を改善することは可能なわけですね。遠くは見えにくくなりますが。
ただ、私たちメノポーズ世代が白内障の手術をするまでにはまだまだ先が長い。
この期間を乗り切るために、生活や目的に合った眼鏡やコンタクトレンズは必須なのです。


いろいろと伺って疑問も解消したので、いよいよ眼鏡を作る準備に入ります。
今回は、普段使いの近距離用眼鏡が経年劣化のため、新しいものを作りたいと希望を伝えます。
病院の問診票のような用紙を渡され、書き込んでいると、目についたのはこんな質問。


〇これから眼をどのように使っていきたいですか?
 今回の眼鏡を掛けてどのようになりたいですか?
(やりたいことや、なりたい自分、人生の目標やビジョンなどでもOK)


じわっと感動しました。眼鏡ってこれからの人生の大事なピースなんだな…と改めて気づかされたのです。そして杉谷さんは私の人生を一緒に考えてくださる心強いアドバイザー。
とっさには思いつかず、しばらく考えて「PCでの仕事が問題なくできる」「美術館で、作品を離れたところから鑑賞したい」と書きました。
基本インドアな私。仕事ができて、芸術・文化も楽しめる生活がいいなあと思います。


今の普段使い用眼鏡、PCやスマホは抜群に見やすくその点不満はないのですが、外出するには心もとないという問題がありました。例えば駅の案内や、スーパーの値札がぼやけて見えなかったり。
勝手知ったる近所は平気で歩いていますが、旅先など、初めて歩く場所は怖いのでコンタクトレンズや中距離用の眼鏡を使っていると話しました。
杉谷さんはふむふむとうなずきながら聞いています。


次に、現状使っている眼鏡とコンタクトレンズを全部見せ、度数をはかります。どちらも普段使いの近距離用と、中距離用があり、前回のコラムで購入した「サウナ・お風呂専用眼鏡」も足すと計5種類。


「私くらいの世代の人は、何本くらい眼鏡を持っているのが普通なんでしょうか?」
「いや〜、本当に人によるとしか。ライチさんのように見る距離で2、3本使い分ける人も多いですし、趣味や目的に合わせて作る人もいますし、部屋ごとに違う眼鏡を置いている人もいます。逆に、かなり視力が悪いのに必要性を感じず、ずっと裸眼という人も少なくないです」
「普通、というのはなさそうですね」
「私も若い頃はずっとコンタクトレンズでした」
「眼鏡屋さんのおうちに生まれたのに、眼鏡派じゃなかったんですね!それはやっぱり、おしゃれのためですか?」
「はい(笑)」
「そうですよね。私も自分を良く見せたい時はコンタクトにします(笑)」


盛り上がってきたところで文字数がオーバーしてしまいました。
ここらでいったんシメて、次回は視力検査や「イノチグラス」体験に続きます!

取材協力:ツバメヤ眼鏡店

チーム完熟・ライチ(ライター)

「チーム完熟」のクールダウン担当、通称・師匠。1971年生まれ。雑誌編集を経て1997年からコピーライター。既婚・子なし・別居中。2018年から認知症の実母の保護者となり、2020年に看取る。コロナ禍でのもっかのマイブームはプロ将棋観戦。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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