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三度目の正直か、仏の顔も三度までか。1年後の献血チャレンジ!「50歳のうぬぼれ鏡」Vol.24

献血がしたくて赤血球数の判定にドキドキする完熟ライチさん

チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!


いつものようにカーブスでえっちらおっちら筋トレしていた3月のある日。入会時からお世話になっている、元気な若手トレーナーさんが話しかけてきました。
「ライチさん、あれから献血、行かれたんですか?」

一瞬ぽかんとする私。そうでした。
私、昨年の2月にコラムの第8回で、
「献血で世に恩返しするために、筋トレで体力づくりしたい」と、意識高い系の宣言をしたわりに、すっかり動機を忘れていたのです。
先に対策するべきは体力じゃなく、記憶力だったのか…?

「実は行けてないんです。しっかり食べたり、睡眠きっちりとったり、それなりに準備も必要なのでつい後回しになってしまって」
その場しのぎの言い訳をする私に、
「そうですね!また行かれたら、ぜひ結果教えてください。私気になってるので!」
明るくスマイルで返すトレーナーさん。
確かに、中年女性がジムに入会するきっかけとしてはめずらしいだろうし、記憶に残るかもしれないな。


忙しかった年度末を乗り切り、4月に再びトレーニングの回数を増やした私は、5月初めの計測で体脂肪率減、骨格筋率増の嬉しい結果を手にします。
これは健康体のサイン?いける!
早速献血カードを探して、センターに電話っと…。あれ?カードが見つからない。
以前、検査だけしたときに作った空白のカードをなくしてしまったのです。ううっ、なんてダメな大人。

テンションだだ下がりで献血ルームに電話し、予約したい旨を告げると、名前と電話番号の確認ができれば、カードはなくても大丈夫とのこと。ありがたい!
「献血の種類はどうされますか?」と尋ねられ、過去2回、血液検査で不合格になったと言うと、全血採血の400mlを勧められ、ひとまずそれで申し込むことに。とても感じの良い応対でした。


さて、当日。睡眠は8時間。朝ごはんしっかり。お昼も出先でがっつり食べました。水もぐびぐび飲んで、すでに1.5リットルはとっています。
メノポーズ世代らしくここ3ヶ月くらい生理がないので、きっと鉄分もばっちりのはず。立ちくらみなんかもまったくなく、快調です。
でも、エストロゲンが減るといろいろ体調に影響も出ているだろうから、なんだかんだやっぱり不安。

お洒落なカフェのようできれいな献血ルーム。無料のドリンク自販機は種類も豊富です。
平日午後はすいているというサイトの情報どおり、ロビーは余裕がありました。過去に病気や手術をしたか、海外渡航したかなどのアンケートに答え、カードをスムーズに再発行してもらい、血圧測定を済ませて問診室へ。
ベテランの女性医師の質問は、食事、睡眠、水分と想定通り。心でガッツポーズをしながらはい、はいと元気よく答えます。そして、運命の血液検査。


検査の看護師さんは、最初に意外なことを言いました。
「実は今年から規定が変わったんです。最初に申告いただいた採血の種類を途中で変えることはできなくなったんですよ。例えば、全血採血で申し込まれたあとに、血液検査の結果を受けて、成分採血に変えることはできません」
えっ、そうなの?どうしよう。
女性の全血採血400mlは血色素量12.5g/dl以上に対し、成分採血は12.0g/dl以上と、少し基準が優しくなるのです。※1


成分採血って、血色素量(赤血球の量)が少なめの女性に向いた献血方法と思われていますが、実はふたつ問題があります。
血を抜いたあとにまた赤血球を体内に戻すプロセスのために、全血採血より時間がかかること。
また、私のように血管が細い人には、戻すときに血管に負担がかかり、向いていないこと(と、私は言われました)。※2

そして、全血採血には400mlの他に200mlもあり、こちらも血色素量の基準が成分採血と同じ12.0g/dl以上なのですが、医療従事者の観点からすると、400ccの方が好ましいといわれていることも知っていました。


今、コンディションに自信のある私は、ここで決断。
「当初の申し込み通り、全血の400mlでお願いします」
気合いが伝わったのか、看護師さんはキリッとした表情になり「わかりました」。

まずは両方の二の腕を順にゴムチューブで縛り、静脈の状態を見ます。
「確かに血管が細いですね。うん、右腕で行きましょう」
前回、血管が出なくて困らせてしまった経験からすると、良い滑り出し!

次に、中指の先からほんの数滴、血をとって血液型など調べます。
「ちょっとチクッと痛みますよ。大丈夫ですか」
これから400ccもの血を抜く決心をしている私に何を言う。
「全然大丈夫です!ブスッといっちゃってください!」
日本で一番ニーズの少ないAB型なのがうらめしい。OかAならもっと役に立てるのに。

ぷつり。針の刺さった指先に丸い血の玉が盛り上がり、そこから検査キットで血液型の確認と、成分の検査へ。検査機を覗き込む看護師さんの眉がくもります。


「……。今回は、残念ですが基準に満たないですね」
まさか。私の赤血球、どこへ行ってしまったの?
いや、こうなるかもしれない予感もありましたが。
悲しくて情けなくて鼻の奥がツンとします。

「女性は生理もありますから、どうしてもね。今日はお疲れさまでした、ありがとうございました」
目の前で扉をぴしゃりと閉められた気分。
いや、もう生理ないんですけど…ってそういうことじゃないか。沈む気持ちを振り払い、聞いてみます。
「もしかして、成分献血だったら大丈夫でしたか?」
「いえ、ライチさんは11.3gなので、どのみち基準に達していませんでした」
なんと、前回の数値よりも低下しているという愕然の結果。
「そうですか。1年間、自分なりに体力づくりをして、今度こそと思っていたんですが…」

がっくり気落ちしているのが見てとれたのでしょう。看護師さんは優しくこう言ってくれました。
「通常の血液検査では正常値ですが、献血って基準が厳しいんです。毎日ちゃんともりもり食べて、またいらして下さい。そうですね、夏は体調が不安定なので、また秋頃に」


以上が、三度目の献血チャレンジのご報告でした。
今は、もう次はいいかな…という気持ちと、いや、あと一度くらい…という気持ちの両方がせめぎ合っている感じ。
反省をするなら、やっぱり私、食生活が不規則なんですよね。
忙しかったり、食欲がなくても、一定の時間が来たら何か食べるようにして、食事を習慣化しなくてはいけない。食事の質も上げなくては。
これはジムに行くだけではできないことです。自分次第。
すいている時間帯なら、結果として血液検査だけになっても、献血ルームにご迷惑にならなさそうということもわかったし。
新たに改善すべき点がはっきりしたと、前向きにとらえることにします。



さて、ここでがらりと話題を変えて。
前回お届けしたパーソナルカラー診断のコラムで、パープル系やラベンダー系の服に挑戦してみたい!と書きました。
あれからちょいちょいアパレルのECサイトを巡回していたところ、パープルのワンピースがヒットしました。お値段もお手頃、これからの季節に活躍しそうなコットン素材。
サイトに上がっていた商品写真がこちら。
フェミニンすぎず、エレガンス入門としてはちょうどよさそうです。

わくわくしながら届いた箱をあけると、あれ?ちょいと印象が違う。

うーむ、これってパープルというよりも、むしろ青ですよね?
少し紫がかってはいるけど、私がいつも着てる色合いだから、これじゃイメチェンにならないじゃん!
ネットショッピングの難しいところですね。
間違いなく似合うので、返品せずにガンガン着ますけれど。5月の真夏日に一回着てみたところ、着心地とっても良かったです!
そんな平和ながっかりで、今回はシメることといたします。


※1:日本赤十字社「献血方法別の献血基準」
https://www.jrc.or.jp/donation/about/terms/
※2:島根県赤十字血液センター「成分献血について」
https://www.bs.jrc.or.jp/csk/shimane/2020/03/post-188.html


チーム完熟・ライチ(ライター)

「チーム完熟」のクールダウン担当、通称・師匠。1971年生まれ。雑誌編集を経て1997年からコピーライター。既婚・子なし・別居中。2018年から認知症の実母の保護者となり、2020年に看取る。コロナ禍でのもっかのマイブームはプロ将棋観戦。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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