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【速報】完熟コロナ自宅療養記。シングルマザーは、子どもをどうしたか。

息も絶え絶え、コロナ感染のマンゴーさん

いつもお楽しみいただいている連載コラム【完熟お見舞い、申し上げます】。執筆者の1人、完熟マンゴーさんが2021年8月中旬、新型コロナ感染症にかかってしまいました。症状がどのようにつらかったかはもちろん、お子さんの母としてどう対処したかについて、療養中の様子を床上げしたその日に寄稿いただきましたので、<完熟コラム特別編>としてご紹介します。

(追記)離婚しても両親で子育てをする共同養育実践のサポートを行う、一般社団法人りむすびさんのnoteで、マンゴーさんのコロナ闘病記をご紹介いただきました。
■一般社団法人りむすび 公式サイト 
■noteの完熟コロナ闘病記ご紹介記事はこちら


シャバのみなさま、こんにちは。
8月13日の金曜日に発熱、16日にPCR検査でコロナ陽性と判明、24日に自宅で「療養解除」を迎えたネタを呼ぶ女、マンゴーです。

コロナの症状についていろいろ言われていますが、私が陥った症状は、ひどい順に頭痛、目痛(目の奥が痛い)、倦怠感、発熱、背中の痛み、咳、鼻水・鼻づまり、下痢。鉛のように身体が重く、寝返りで息切れすることも。これでも「めんどうな風邪」やインフルエンザのような感覚だったので、おそらく軽症の部類でしょう。味覚や嗅覚はかなり鈍いですがギリギリ失ってはいません。

私が寝ている間に、セミと秋の虫の声が共存し、世の中は二学期をむかえるもよう。
いったいこの10日間、何があったのか。
知らざあ、いってきかせましょう、シングルマザー+子ども2人の日々を。

コロナ前夜、息子に米炊きを指導し、餓死しないかまえ。

COVID-19が存在感を増してきたここ1年半。連載コラムの「めまい不調」とは別に、マンゴーは5度くらい「肩がこわばる微熱不調」を体験していました。

それは、微熱+肩と首が凝って固まり、体温調節ができず、胃腸が何となく不安で酒を欲しないというぼんやり不調で、1~2日休めば元にもどるもの。

オリンピックが終わり、今回もまた同じような不調が来たのでやり過ごそうと思っていたら、39度という気温と、生理が重なって身体が貧弱になったところにコロナを発症してしまった、自分ではそのように感じています。

虫の知らせがあったのでしょう。発熱する数時間前、私は息子(8)に「炊飯器で米を炊けるか?」と尋ね、とりあえず米を食べて生き延びろ、と指導しています。

もし朝起きて、私が病院に行って家にいなくても、パパが来てくれるので心配せず待つように、その時はダイニングテーブルに手紙を残すとも伝えていたのでした。

さて、プロフィールをご覧いただくとお分かりになるように、マンゴーは今年の5月に離婚をしています。夫婦関係は解消、ただし子どもにとっての父親・母親であることは変わらずにいる「共同養育」を実践しているため、主に平日は私が、週末は元夫が来て子どもたちと過ごすスタイルをとっています。
共同養育とは?詳しくはこちら

シングルマザーがどうやって自宅療養+子育ての無理ゲーを乗り切れたかといえば、今回の緊急事態に週5で子どもの様子を見に来てくれた元夫と、食物や気を利かせて紙皿などを運んでくれた近所の友人、心の支えになってくれた完熟オレンジさん、助力を申し出てくれたママ友たちのおかげです。

言い換えれば、子どもの食事の世話を心配せず、私はしっかり寝ることができたからなのです。

頼れる大人がいない夜は、こわい。

とはいえ、元夫が滞在してくれるのは昼~夕方(夜)まで。となると怖いのは夜です。家にいるのが病床の自分と子どもたちだけとなると、子どもが発症したら、娘の熱性けいれんがおきたら、どうすりゃいいのでしょうか?

田舎住みの両親は「子どもだけでも引き取る。予防接種を打っているし、その覚悟はある」と言ってくれたのですが、いくら気持ちが強くても、老人ばかりの村にただ「発症していないだけの」リーサルウエポン(子ども)をぶち込むなんておそろしすぎる。コロナは精神論でどうにかなるものではないでしょう。

「玄関まで食料を届けたい!」とも言ってくれましたが、そのために高速道路2時間の道のりをこなくていい。のこのこ首都圏に来るリスクの方がでかい。

さらに両親の「連絡攻撃」。娘と孫が心配なあまり、病床の私にLINEと電話での質問の猛攻、良かれと思って公的機関に問い合わせては情報を伝達してくる。
だから保健所はパンクしていて連絡してもつながらないから…待つしかないんだって……スマホ見るのも辛いから、そっと寝かせてくれないか……。

おまけに娘は私の隔離部屋のドアをあけ、「ママのせいでお外に行けない!ばかぁああああ!!!」と叫んでいきます。

いいか、みんなよく聞いてくれ、私は病人だ。
病人はそっとしておこうな!

不幸中の幸いで、息子は「この事態はヤバい」と分かってくれたのか、快く米を炊き、買い置きのお惣菜を並べ、妹と風呂に入り、22時頃には寝るという生活の主導を握ってくれました。息子よ、成長ありがとう……(涙)。

だが、夜中寝苦しくて目が覚め、LDKに入ったならば、そこは「Gの晩餐」が開催されてもおかしくない食べ散らかしっぷり……あかん、片付けなくては。

で、こわいのは夜なのです。
体温38度中盤で家事をしたからでしょうか。
この時マンゴーは、ぐったりして息がうまくできなかった。

いやいやいや、これきっと気持ちの問題で……とベッドに腰をおろしたら呼吸が浅いのです。
「自宅療養中の70代の男性の容態が悪化し、死亡」「コロナは急に呼吸が苦しくなり……」「胸に圧迫感があったら直ちに保健所に電話」などのメディア情報が脳裏をよぎります。

はあはあ……。
こ、こんなときは、ほ、保健所に電話しなくては。
保健所の留守電にあった「緊急」という番号にかけ、つながったのはいいのですが「朝の8時半以降に電話してくれるぅ?」という応答。

いや、私、その時間まで生きてるかな!? 
生きてるといいな!!

「呼吸が苦しいと言われてもねー、保健所だと何もできないから、救急車呼んでくれるぅ? だいじょぶぅ?」

そこで元夫に電話するものの、話中。
次に、完熟オレンジさんがチャットにて「何かヘルプがあったら書き込んで! 24時間対応するから」と書き残してくれたことを思い出しました。
え、命のチャットにしてくれるの……ぽち。

したらば本当に、深夜にもかかわらず、オレンジさんはチャットを返してくれたのです。


オレンジ菩薩、降臨!(合掌)

で、少しお話を……しようと思ったら、声が出ない。
「もういい、マンゴーくん、救急車呼んで!」
と背中を押されて119をコールしたのでした。

結果、血中酸素濃度も、脈も、血圧も、ど正常。
救急隊員さんから保健師さんに電話がつなげられ「救急車を呼べば、入院できると思ったと思いますけど、その数値じゃできないですから!(怒)」と言われました……。

……パニック起こしちゃってゴメンなさい。

でも入院したくて呼んだんじゃないもん。

なるほど、保健師さんも中年女にキレたくなるほど逼迫している状況なのですね。
医療関係者のみなさま、本当におつかれさまです。

その後マンゴーは家に戻り、子どもたちにあてたダイイングメッセージ「パパがくるからまっててね」を捨て、41年連れ添ったぬいぐるみを抱きしめながら夜を明かしたのでした。

石ではなく、思いやりを投げてくれる人々。

パルスオキシメーター
救急車騒ぎの翌日、郵送で貸与されたパルスオキシメーター。息苦しいときの精神安定にお世話になりました。

まさかのCOVID-19に罹患して感じたのは「みんな優しい……(涙)」ということ。
てっきり石を投げられるかと思ったら、蔓延していることもあるのでしょう、知らせた人は次々に助けを申し出てくれました。

これ、離婚した時も感じたのですが、「何かあったら遠慮なく頼ってね」と言われるのが本当にうれしい。

これまでのマンゴーは、人に頼るということがいまいちうまくなかったのですが、子育ても仕事も抱えこまなくていいことが、実はたくさんあります。クリアな視点で責任というハードルを少し下げてみれば、その分ラクになるのです。

今回の出来事でワンオペ子育てに慣れすぎて麻痺してしまった感覚が少し緩んだように思い、そして遠慮しがちな(マンゴーのような)人には一歩踏み込んで助力を申し出てみようと誓いました。

ただし、心配だからと自分の気持ちを優先してやたら病人にアクセスするのも考えものです。
生存確認は誰のため?
塩梅が難しいですが「病人に対応させないため、連絡を控える」というのもひとつの愛の形だと覚えておいてほしいのです。控えてくれた完熟メンバー……ありがたい限りです。

自宅療養しながら子どもの面倒を見るというのは、無理ゲーです。
そして無意識にコロナへの恐怖が植え付けられているので、判断をあやまりやすいと感じています。

もし、自分以外に大人がいない状況に陥ったら、子どもの最低限のメシを確保して、助けを求める。来てくれたら頼る。来てもらえない日は子どもが丸一日ゲーム漬けだろうが、夜更かししていようが放置して、自分の回復に専念する。子どもが罹患したら、その時に考える。

私は療養解除を迎えましたが、8月25日現在、倦怠感や咳が残り、味覚・嗅覚はぼんやり。
産後のように髪がごっそり抜けており、なぜか不眠の症状もある(寝尽くしたから?)
これがスッキリ完全回復するまで、いったいどのくらいかかるのか。
そもそも、完全回復なんてありえるのか(産後ずっと倦怠感)。

そして陰性であるものの、濃厚接触者である子どもたちは9月6日まで家で缶詰です。療養は明けても挑戦に満ち満ちているニューノーマルな世界よ……なんて茫然としていたら、小学校から自主休校を認める通知あり。タブレットを貸し出してくれるなら、それにのっかっていきましょう!

COVID-19は、いぜん蔓延しています。
抗体を過信することはしませんが、出番があれば恩返しをしていきたいと思います。

みなさま、どうぞ疲れきる前にしっかりやすんで、ご自愛くださいね。



■お知らせしたいCOVID-19体験(2021.8現在さいたま市編)

・発熱したら、医療機関へ電話などで予約してから受診。対応医院はネットで確認。発熱していると検索と電話が辛い。
・PCR検査を行っている医院は一部。
・コロナは対処療法。遠隔操作でカロナール(頓服)を処方してもらう。
・PCR検査陽性判定は医院から。そのあと、保健所から指示連絡が来ることになっていたが、翌日夜だった(21時過ぎで寝ていて出られず)。
・保健所から連絡のあった2日後、パルスオキシメーターが貸与され、それ以後、自動電話
「HER-SYS(ハーシス)」で容態確認が行われる(1日2~3回)。相手は人ではないため、話すことはできない。療養解除したのに未だにかかってくる。
・自宅療養の「療養解除日」はSMSにて知らされる。確認のPCR検査などはしない。
・子どもたちと私の寝室は別に。家の中でもそれぞれマスク。トイレ、風呂、キッチンは共用のため都度消毒。
・紙皿に米とレトルトをあけ、食べたら捨てた。
・友人が買ってきてくれたセブンイレブンのチルド惣菜(真空パック)が便利。
・病状が落ち着いてから72時間は感染リスクがあるので、子どもたちのPCR検査はそれを待って医療機関で行いました。子どもたちは陰性。
・濃厚接触者とみなされるのは、なんと同居人のみ。元夫は同居していないので、濃厚接触者に該当しない。
・濃厚接触者は療養解除日から2週間は家で缶詰。陽性者となれば最低10日。罹患した方が早く開放されるかもしれない不思議。
・保健所に電話がつながらないため、さいたま市は保育園を通じて私へ連絡を求めてきたそう。保育園からは1日2回連絡をもらったりもしましたが、保健所からの連絡はないのです……。
・情報が保健所に一元化されているのは良いかもしれませんが、慢性的な機能不全に陥っている印象。
・父が厚生労働省に電話をしたら「各自治体の指示に従ってください」の一点張りだったそう。だが母子家庭などで親が罹患し、子どもの世話が困難な場合、子どもが濃厚接触者であっても移動はやむを得ない(自主判断)という流れらしい。
・COVID-19には諸説ありますが、やはり疲れたときにドーンと発症するおそれを感じます。身体を労わることが予防になりそう。


※編集部注:本記事はあくまで40代のひとりの女性の、重症化せず自宅療養で回復することができたケースです。症状がある場合には、近隣の医療機関および自治体保健所の指示に従ってください。

チーム完熟・マンゴー(ライター)

「チーム完熟」の下っぱ特攻隊長。厄年以上、更年期未満の1979年生まれ。フリーランスコピーライター / 唎酒師 / 2児の母 / 2021年5月に離婚。2020年末あたりから謎のめまいが頻発し、その原因を突き止めるべく病院をめぐる。2021年現在のストレス点数は685点(※300点以上で翌年に健康障害が生じる危険性80% 出典:夏目誠・大阪樟蔭女子大学教授提供より)。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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