チーム完熟の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!
100点の子宮って!? めまい原因さがしvol.3
みなさま、お変わりないですかー?
コロナに罹患し、そのネタを速報でお届けしたマンゴーですが、自宅療養を終えて約2週間。分かったことがあります。
コロナの病み上がり……産後に似ている。
医療が発達していなかった頃、出産を無事終えても「産後の肥立ち」が悪いと、あとあと大変だったと聞きますよね。床上げするまでの2週間は、身体を休めることが大切。
しかし、マンゴー、コロナは治れど、その後の2週間が大忙し。
保育園に行けない娘とトランプの神経衰弱をしたり(衰弱が加速!)、息子のオンライン授業に伴走したり(使いこなせず!)、仕事をしたり(フリーランス!)と、「ワンオペ雑務ハンパない」病み上がりとなってしまいました……。
味覚はほぼ戻りましたが、嗅覚の回復は7~8割ほど。
例の「めまい」も再び降臨しております……。
そう、例のめまいに話を戻しましょう。
2020年12月に強いめまいを発症、脳外科で異常なし。
2021年2月18日、とうとう本丸の婦人科に乗り込んだのです。
私はその日、不調ながら小躍りしていました。
きっと「女性ホルモンの枯渇」が原因だと分かって治療し、ラクな生活を送れると思ったから! 予約して待つこと1か月、とうとうこの日が来たのだと。
しかし、内診台に座り、診察が始まると50代ほどの男性医師にこう言われました。
「んー。特に異常は見当たらないかな。子宮は後傾している。そういう人は全体の1~2割くらいいて、疾患が見つかることが多いんだけど……若い人と同じきれいな子宮だねえ。うん、100点の子宮だ! 満点!!」
まさかの子宮で100点ゲット。
欽ちゃんの仮装大賞であれば大興奮ですが、想定は大はずれとなり、子宮に太鼓判を押されてしまったのです。
医師「この子宮だと、まず更年期って感じではないねえ。若い人と同じ。血液検査はどうします? ごくまれに何か問題が見つかることもあるけどね」
ごくまれ。
私は、この”ごくまれ”に賭けた方がいいのでしょうか。
マンゴー「……いちおう、お願いします」
医師「じゃあ、採血ね。でも子宮は若い人と同じで元気。いや~100点だよ!」
人間って不思議です。
「100点!」とか「若い人と同じ」と褒め言葉を連呼されるたびに気持ちが沈むのですから。
いや当然か。めまいの原因が特定されず、「もう若くはない」ってことを突き付けられているのですから。
マンゴー「あのう、若い人と同じってことは、私はまだ赤ちゃんを生めるのですか?」
医師「うん、生めるね(即答)! 卵巣は平均的に2cmくらいなのだけど、3cmあって、もう排卵の準備をしているよ~」
子宮ちゃん、生む気満々。
医師「それよりね、気になったのはこの血圧の低さね(93/57mmHg)。ふつう、病院だと緊張するから通常より高く出ちゃうものなの。家ではどのくらい?」
マンゴー「家で測ったことはありません。今日は(娘を保育園に送って爆速で自転車をこいできたので)90を超えて高い方だと思っていたのですが……。」
医師「それ低すぎでしょ? めまいはそれが原因かもしれないなあ……まあそれは内科の先生に言ってみて。
こういうタイプの人、長生きするからね♪」
数日後、再び産婦人科へ行って分かった結果がこちら。
更年期障害に関わる項目が、エストラジオール、LH、FSHです。
簡単に説明するとエストラジオールがエストロゲン、すなわち2大女性ホルモンのひとつを指しており、結果項目はその量を表します。LHは黄体化ホルモン、FSHは卵胞刺激ホルモンです。
更年期に近づいて卵巣機能が低下し、卵巣からのエストロゲン分泌が低下すると、脳の下垂体からはFSH、LHが多量に分泌されるようになるため、その量が指標になるそう。
ちなみに、子宮摘出後などのように、月経により閉経が判断できない場合には、FSH40mIU/mL以上かつE2 値20pg/mL以下をもって閉経と診断されるそうです。
というわけで、
マンゴーの女性ホルモン関連は、
すべて基準値内と判明したのです。
さらに、強いめまいを筆頭に、私の不調は疲れやすい、イライラする、むくむ、だるい、眠い、息切れ、動悸、冷える……などなど芋づる式になっていたからでしょう。
甲状腺機能をみるホルモン値も調べていただいておりました。
甲状腺機能もすべて、手堅く基準域内。
こうして”ごくまれ”な疾患の余地も消えたのです。
晒しついでに、他の項目の数値も参りましょう。
こ、これはまさか……!?
医師「問題ないね~。コレステロールがちょっと高いけど、善玉コレステロールだから大丈夫。うらやましいな~。うん、長生きできる身体だね!」
100点の子宮と、長生きと、わたし。
マンゴーは医師にもうらやましがられる健康体だったのです。
しかし、また少し複雑な気持ちにもなります。
数値は健康なのに、めまいと倦怠感が消えないという落胆。
いい仕事をしている子宮に不調の原因を負わせてごめんという謝罪。
生む気も性の対象として見られる気もないのに、子宮は職務をまっとうしている、気持ちと身体の乖離性への驚き。
そして、圧倒的な宝のもちぐされ感。
実は、前回から医師の説明を聞いている間、不妊治療をあきらめた友人の顔が浮かんでいました。
1人目を出産したものの、2人目が授からず、長年ハードな治療を続けた末に泣く泣く不妊治療をやめた彼女。
かわってあげられたらどんなにいいか。
代理母? 移植? という突拍子もないことが脳裏をかすめて消えました。
さらに突如、性的な煩悩が頭をもたげてきたのです。
完璧なホルモン量なのに、マンゴーはなぜ峰不二子になれないのでしょうか(愚問)。なれないまでも、若い人と同じ100点の子宮を持つ身として、浮いた話の1つくらいあってもいいんじゃないか。
これらの悶々と欲望がないまぜになり、そしてまた1つに集約していきます。
で、めまいの原因はなに?
医師「ふつうは先に耳鼻科に行くんだよね。かかりつけではなく、違うところに行ってみたら?」
やはり三半規管が怪しいのか。
こうしてマンゴーは、”長生きできる健康体”でヨロヨロと婦人科を去り、耳鼻科へとむかうことにしたのです。
マンゴー レベル41(歳)
装備:100点の子宮・長生きできる身体
状態:めまいと倦怠感
体力:前回50/100→60/100(あたし、すごく健康だってよ)
気力:70/100(次回は耳鼻科という目的が誕生)
入手アイテム:漢方の五苓散(ごれいさん)。めまい全般に効くという。
支出:合計約8,500円(血液検査費用7,010円+五苓散2週間1,580円)
獲得した経験値
・数値のうえでは超健康!
・かかりつけの婦人科は、検査の結果が出るたび、また薬の効きを確かめるために都度、召喚されるところ。そりゃ混むはず。