チーム完熟の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!
耳鼻科で悟った『考えるな、感じろ』。めまい原因さがし vol.4
脳外科でおのれの美脳に見惚れ、産婦人科で「100点の子宮!」と褒められ、血液検査の結果「長生きできる身体」といわれた”さすらい患者”マンゴーです。
そろそろ、
「強いめまいなんて気のせいじゃない!?」とか、
「メンヘラで、かまってちゃんなだけだろ」などと
読者のみなさまにもオオカミ少年ではと疑われかねない事態になってきました。私も幻想なのではと自身を顧みたこともあります。
でも信じてほしい、
それでも地球は(めまいで)回っているのだと。
しかし、通院を重ねるにつれ分かってきたこともありました。
病院で不調の原因を解明してもらうには、数値や記録に「異常」が現れることが前提。それをもとに診断され、病名がつけられるようなのです。
つまり、本人にとっていくら症状が深刻であっても、異常値が出ないと原因の特定は難しい。その場合、「今よりマシな状態」になるだろう対処療法を行っていくことになります。
よって、脳外科でも婦人科でも異常が認められなかったマンゴーは、「めまいに効く」という漢方を両医師に 処方してもらい 、飲みながら回復を待っている状態でした。
うーん、でもこれ効いているのだろうか。
プラシーボ効果だって治ればよし、のおおらかな気がまえでいるけど、悪くなっている気もしないでもない。その場の雰囲気に流される気質で、気分にムラのあるマンゴーですから自分のジャッジに気が気じゃない。
あれ、そもそも「気」って何だろう……? (ゲシュタルト崩壊)
(1. 空気・ガスなどの気体。2.成分としてふくまれるかおりや味。3.いき。呼吸。4.元気。意気込み。5.気分。6.心。精神。7.そうするつもり。意志。8.感情。9.興味。関心。10.性質。気質。11.ようす。けはい。ふんいき。12.一年を24に分けた、その一つ。一気は十五。『小学館 新鮮国語辞典第6版』より)……5、ですかね。
さて前回、婦人科の医師に「ふつうは先に耳鼻科に行くんだよね。かかりつけではなく、違うところに行ってみたら?」
と言われたのは、数年前にめまいでかかりつけの耳鼻科に行き、検査に異常があったものの診断があいまいだったような気がしていたから。確か薬を処方され「合わなかったら飲まなくてよい」と言われるままに、数粒飲んでフェイドアウトした記憶があるからです。
でもこの記憶も怪しいな……。
新しい耳鼻科を探すのも面倒だし、脳外科と婦人科の経緯をもとに新しく何かが分かるかもしれない。マンゴーは、「女性に多く、天井がぐるぐる回るというメニエール病かも」と勝手にアタリをつけ、2021年3月、家族ぐるみで9年ほどお世話になっているF先生の元へと向かったのです。
さあ、今回こそケリをつけてもらいましょう!
マンゴー「先生、めまいがひどいんです。湯船につかればお湯に酔って、振り向きざまにクラクラして……」
F先生「『自転車に乗ると、揺れで酔う』?」
それそれ! さすがF先生、なんで分かるの!?
F先生「(カルテを見ながら)2年半前にも同じことを言ってたみたい」。
……自分かよ。
F先生「とりあえず、検査してみようか」
目にゴーグルをつけ眼振検査を、続いて静かなる部屋に入って聴力検査を行いました。
聴力検査の結果がこちらです。
賢明な読者の方ならお分かりでしょう。
やはりどちらも
毎度おなじみ、異常なし
です。
F先生「前回も今回も、(異常値が)出ないねえ。問題なし。」
マンゴー「あ、前回も問題なかったんですね。」
やはり異常アリの記憶も気のせいだったよう。「気」ってやっぱりアテになりません。
F先生「そうだねー、メニエールでもないし、最近新しく出てきた概念の前庭神経炎( ※本記事下のメノ活チェック!参照)でもないし。」
マンゴー「また原因不明ですか……」
F先生「うん、原因不明だけど、『原因は不明』ってことが分かったね!」
先生は、まぶしい笑顔です。
マンゴー「先生、前向きですね……でも、脳外科でも婦人科でも不明だったんですよー。」
F先生「めまいはね、大きくわけて4種類となっているけど、それ以外にもすっっごく幅が広いものなの。まだ解明されていないめまいもたくさんある」
マンゴー「なるほど。……心因性ですかね?」
F先生「わからない。それ以外にも、たっっくさん種類があるの。だからその中のどれかだろうね」
そりゃそうだろうと思いつつ、話は漢方へと移っていきます。
F先生「今飲んでいる漢方は五苓散か。調子はどう?」
マンゴー「実はめまいが増えているような気もしているんです。あと、なんだか身体が冷える気もして……寒さのせい、気のせいかもしれないのですが」
F先生「あ!」
マンゴー「え?」
F先生「五苓散で冷えるって言ってた人、ほかにもいたよね? たしか小学生の息子がいて、えーーーと……誰だっけ?」
と、ここで大御所看護師さんも加わります。
このお二人、類似症状事例やエピソードを引き出す検索機能がインストールされているようで、当院の名物。
大御所看護師さん「あーいましたね。○○さんじゃないですか?『五苓散を飲んだら寒い~!』って」
F先生「言ってたよね! そうかそうか、マンゴーさんも冷えるのか……(漢方辞典をめくりながら)」
え、寒いのは気のせいじゃないの?
私はこのとき、ひそかに感動していました。
アテにならないと思っていた自分の感覚と同じように五苓散は寒いと感じる人が存在し、それを先生が認めてくれたのです。
F先生「その人も同じ年くらいの女性だったね。五苓散は身体の水分を出す、むくみを取ってくれるんだけど、冷える人もいると……。そしたら苓桂朮甘湯(りょうかんじゅつかんとう)にしてみよう。これはめまいにも効くし、身体もポカポカになると思う。飲んで様子を見てみて」
こうして私は、めまいの原因は不明ながらも、漢方による身体の変化を察知していることに自信が湧いてきたのです。
これはかのアクションスターが言っていたことと同じではないでしょうか。
考えるな、感じろ。
数値はウソをつかないが、裏側にある因果関係や意味までを表してくれない。
めまいの原因にこだわらず、身体の声を聞け。
「気がする」のは立派な主観だ、胸をはって医師に言え。
感じた異常を手掛かりに、心地よさをゆるゆる探っていけ!
自信を通りこして、天啓を得たような1日でした。
……まあ、F先生への信頼が確固たるものになったので、迷いが薄れたのでしょうね。
え、やっぱり心因性なのかしら?
さて、耳鼻科にて心の平穏を得たマンゴー、苓桂朮甘湯(りょうかんじゅつかんとう)を飲み始めたら、何かいい。五苓散のときのよう に冷えないし、めまいに襲われる回数が減ったのです。
これは効いている! いよいよ不調とオサラバできるんじゃない!?
元気ふたたびーーーー!
淡い期待に胸躍らせた2か月後、最大のめまいに襲われることになろうとは、この時のマンゴーは知る由もなかったのです。
つづく
マンゴー:レベル41(歳)
装備:美脳・100点の子宮・長生きできる身体・異常のない三半規管
状態:めまいと倦怠感
体力:前回60/100→50/100(五苓散で冷える)→60/100(新しい漢方がうれしい!)
気力:75/100(漢方効きそうワクワク)
入手アイテム:苓桂朮甘湯(りょうかんじゅつかんとう)。めまいに効き、冷えないという。
支出:合計約1,800円(平衡機能検査、気導純音聴力検査)+1,010円(漢方2週間)
獲得した経験値
・数値に表れなくても、感じたことは事実であるという自信。
・F先生への信頼。
メノ活ヒント!
前庭神経炎:前庭神経炎は突然の激しい回転性めまい発作(動いたり回転したりしているような感覚)を特徴とする病気で、内耳と脳をつなぐ前庭神経(平衡感覚のコントロールを助けている第8脳神経の分枝)の炎症によって引き起こされます。症状は、グルグルする激しいめまいが数日間にわたって断続的に続くのが特徴で、難聴や耳鳴りなど聴力に関する症状は現れません。かぜのあとに発症しやすいことから、ウイルス感染が原因ではないかと考えられています。