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コロナ後遺症? ハートにまつわる4人の医師。不調原因さがしvol.6

胸元で愛を語るマンゴーさん

チーム完熟の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!


コロナ後遺症? ハートにまつわる4人の医師。不調原因さがし vol.6

2021年、もう師走。
みなさん、お元気ですかー?
他愛もないあいさつが、”宝物の確認”という重要事項となったマンゴーです。
す。

さて、私が離婚した2021年5月を境にいったん薄れたと思われた不調。
その後の8月、フツーの生活をしていたのにコロナ陽性になりました

この時期は「第5波」と呼ばれ、首都圏では過去最多のコロナ陽性者を毎日記録。保健所も対応が追い付かず、自宅療養を余儀なくされた患者数が13,000人とも報道されていましたっけ。

例にもれず、自宅療養で乗り切った(ほっとかれた)マンゴーですが、本当の辛さはそのあとにやってきました。

いわゆる

「コロナ後遺症」

と思われるものです。


今回はこの紆余曲折を、お送りします。

ご存知のとおりCOID-19は人類が認識して間もない病原体ゆえに、それが人体に及ぼす影響はある程度の時間とともに徐々に解明される性質があり、コロナ後遺症なる長引く不調も未だに世界の各所で研究が進められている状況です。

これまでコロナ後遺症の有無には議論があり、メディアであまり取り上げられてこなかったようですが、今年10月に国立国際医療研究センターの調査により、発症から半年後も4人に1人が後遺症に悩まされ、女性や若い人の方が後遺症の出やすい傾向にあることが報道されました。なかには通常生活に戻れないほど重症の方もいるらしく、大変心が痛むところです。

さらに11月、厚生労働省は『新型コロナウイルス感染症診療の手引き 第6.0版』に『症状の遷延(いわゆる後遺症)』についての項目を追加(※)。

「患者によっては、19-COVIDの症状が遷延したり、新たに症状の出現することがわかってきた」と報告例を掲載しました。
つまり、コロナとの因果関係は確定しないまでも無視できない事態となってきたわけです。

(※)『症状の遷延(いわゆる後遺症)』項目が追加された(P23)新型コロナウイルス感染症診療の手引き 第6.0版
https://www.mhlw.go.jp/content/000851077.pdf


コロナ後遺症の主な疾患は、罹患から100日、半年、1年が経っても嗅覚の異常、倦怠感、味覚の異常、息切れ、脱毛、物忘れ、集中力低下、うつの症状などが見られるといいます。

あれっ?
マンゴー、だいたい当てはまっているぞ。

産後かと思うほどのごっそり抜け毛、倦怠感、動悸、息切れ、嗅覚・味覚の異常(コーヒーはドクダミ味だぜ)、物忘れはさらに加速。
小学校で習った漢字が出てこないことも多々あります。

毎月ぴったり納品されていた月経 も前倒しでやってくる。しかも赤黒くて”くしゃみの飛沫”がついたように点々としています。不安感は常にあり、不眠ぎみにもなって3か月がたちました。

特にひどいのは

動悸

です。

ふつうに会話をしていても酸欠になったかのようにハアハアと息切れを起こし、心臓がバクバクしたあと、顔が真っ白に。手足が冷たくなり、吐き気やめまいに襲われて翌日は起き上がれないほど消耗しているのです。

一番ひどかったときは、コロナ罹患後2か月たち、コロナワクチンの1回目を打った4日後の深夜です。

就寝中にバクバクしだし、鼓動の速さは『焔(ほむら)』※ どころではなく、『紅蓮華(ぐれんげ)』(※)のビートを刻んでいる。

(※)『鬼滅の刃』劇場版主題歌とアニメ主題歌

いつもなら夜でも1時間程度で収まるものの、その時は2時間たっても『紅蓮華』のまま。それどころか徐々に早くなっていくのです。

やばい。しょうがないから救急車を呼ぼう、でもまた「問題なし」なんだろうな、とりあえず保険証を準備して……ああ、寝ている子どもたちはどうしよう、元夫は未読スルーが得意なんだよ……とベソベソ、わ~ん、と泣いたのが良かったのでしょうか。

いったん朝までおちつき、おはようと子どもを抱きしめることができました。私はその温かさに触れた安堵と、それを失ってしまうかもしれない怖さにふるえ、涙がこぼれました。

このトラウマ体験後、息切れがひどくて絵本も読めない状態に陥り、実家の母にヘルプを要請。
今となったら笑い話ですが、「死ぬ前に、私の銀行口座の暗証番号を誰に伝えるべきか」と悩む生命エネルギーが底辺の日々を送ります。

体調は夜に悪くなるので、私ができることは、ささやくこと、抱きしめること、祈ること。キレちらかしていた母親がまるで出家したように変貌して、子どもたちは困惑していたかもしれませんね。

そして、こうなったからにはマンゴーのやることは決まっています。

そうだ、(また)お医者さんに行こう。

しかし、この時が2021年9月~10月半ば。
まだコロナ後遺症という概念が大々的に報道されていない時分であり、”マユツバもの”という認識もあった。そのため診断は、3つの医院で混迷を極め、4つめの医院でようやく光明がさしたのです。

まずひとつ目のE内科。
ありがたいことに「コロナ後遺症外来」があったので、希望と共に向かったのですが、疑われたのは更年期障害。
話を遮られながら、ようやく女性ホルモンも甲状腺ホルモンも異常なしだったと伝えると
「じゃあ、循環器内科(へGO)ですね」。

その足でふたつ目の医院、循環器内科H医院へ。
そこには「動かざること山の如し」のごとき落ち着きを見せる80代と思われる女医さんがいて、とても丁寧に話を聞いていただけました。
「コロナのせいかもしれないけど、断定できない」
「ひどくなるようだったら、ホルター心電図(24時間装着する機器)で計測」
「今年は波乱万丈ね……」「今のところ心因性が疑われる」との診断でした。

さもありなん。
私は納得したのですが、この2週間後に先のトラウマ”動悸が紅蓮華”が起こり、半べそかいて3つめのJ内科へいきます。

すみません、H医院の設備が古き良きものだったため、最新式のホルター心電図がある病院がよかったのです。

そしてJ内科では「狭心症かもしれないから、ホルター心電図をつけましょう」との見解で、24時間装着するホルター心電図にて鼓動を計測。

装着中は通常どおりの生活を送り、動悸などの症状を感じたらその都度、ボタンを押していきます。幸か不幸か、この日も就寝中に動悸がおき、きっちりポチりました。

ホルター心電図ボタン

その一週間後、心電図の解析結果を聞きに行くと
「異常なしですね。精神的なことでしょう。(ニコッ)」
とのお見立てとなりました。

心電図解析結果

……そうです、マンゴー連載おなじみの

(まあ)異常なし。

をいただいたんですね。
ほほほ、期待を裏切らない安定感、どうですか!


どうですか、じゃないですね。
やっぱり私の勘違いなのでしょうか。

しかし、コロナ後遺症と思われる方たちの手記などを読むと「病院を転々としたが、どこも異常なしと診断される」というエピソードは「あるある」です。

かといって、感受性の強い傾向のあるHSP(Highly Sensitive Person)、いわゆる”繊細さん”と呼ばれる性質のある人は、思い込みによってコロナ後遺症のような症状が出ると言っている医師もいます。
マンゴー、繊細だから(ですよ?)その線もありそう……。

とはいえ、心臓という大切な臓器自体に問題はないことが分かったのは僥倖(ぎょうこう)です。

それからもマンゴーの心臓は突然高鳴りだしましたが、
「心臓よ、おちつけ~異常はないぞ~(涙)」
「脳も指令を出さないで~(涙)」

心因性なら念じて止めようホトトギス

で対処することにしました。
(あんまり効果はなかったけどね!)

食生活もガラッと変わり、たんぱく源は納豆や豆乳から。コーヒーを甘酒やそば茶に変えて、20時に寝ることもアリ、という日々を送ったのです。

そして11月、とうとう4つめの医院にて事態は急展開を迎えます。
そこは小料理屋の女将と客のような関係になれるかかりつけ医、F先生の耳鼻科

処方してもらっていた「抑肝散」(イライラを鎮めて快眠を促す)がきれたので、続投をお願いするついでにこれまでのことを話したところ、「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」なる漢方へ切り替えることに。

そして3日後、

「あれ? 不調が抜けたかも……」

という実感が訪れたのです。

その日を境に、寝ているときの鼓動は「紅蓮華」ではなく、「焔」のテンポに戻りました。
絵本を読むことがつらいときもありますが、もう息切れはしません。
湯船に浸かれます。
ごはんをつくれます。
電車に乗れます。

遠くにあった健康が戻ってきたのです(号泣)!

マンゴーはいま(前より、そこそこ)元気です、と答えられる状態になりました。

のちほどF先生に聞いたところ
「ワクチンを打ったあとぐったりしてしまった患者さんで、これを飲んで効いたという人がいたのよ。効いてよかった!」とのことでした。

マンゴーの2021年は「病院では解明できない不調」との戦いでした。
今年だけで7人もの医師にお会いし、いくつもの検査を経て「異常なし」の結果を得てきましたが、マンゴーが訴える不調に向き合おうとしてくれたのは、婦人科の医師と、循環器内科のH医院、そしてF先生です。

医師がサービス業でないことは百も承知ですが、患者のQOL向上のため、試行錯誤してくれる先生と出会えるか。
これが、つかみどころのない不調を快方へ向かわせるカギなのだと痛感いたしました。
私はラッキーだったのです。

最後に、コロナ後遺症に悩むみなさまへ。
一日も早い快復を心の底からお祈りいたします。

そして読者のみなさんが、健康な状態でよい年を迎えられますように願っております!

2021年12月 マンゴー拝



参考:コロナ後遺症について
NHK首都圏ナビより
https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20211011b.html

医療プレミア特集:無症状・軽症だった人も苦しむコロナ後遺症 早期治療が要の理由 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/premier/health/articles/20211007/med/00m/100/007000c


マンゴー:レベル 42
装備:ホルター心電図
状態:動悸・息切れ、コーヒーはドクダミ味。肉や卵を生臭く感じるようになり、納豆、豆乳、甘酒、そば茶などを好むように。
体力:50/100(動悸の翌日は廃人)→80/100(日常生活だいたいOK)
気力:90/100(来年は元気になるぞう!)
入手アイテム:心電図検査結果・異常なし、「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」。

獲得した経験値
・体調が底辺のとき、できることは「祈り」。
・信頼感を築ける医師の見極め方

チーム完熟・マンゴー(ライター)

「チーム完熟」の下っぱ特攻隊長。厄年以上、更年期未満の1979年生まれ。フリーランスコピーライター / 唎酒師 / 2児の母 / 2021年5月に離婚。2020年末あたりから謎のめまいが頻発し、その原因を突き止めるべく病院をめぐる。2021年現在のストレス点数は685点(※300点以上で翌年に健康障害が生じる危険性80% 出典:夏目誠・大阪樟蔭女子大学教授提供より)。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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