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うねり毛ベートーヴェンの運命は変わったか。「50歳のうぬぼれ鏡」vol.6

とぅるんとぅるんの指通りに感激するトリートメント後のライチさん

チーム完熟の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!


うねり毛ベートーヴェンの運命は変わったか。「50歳のうぬぼれ鏡」vol.6

自分の外見コンプレックスにきちんと向き合って、なんとかしていこうという私のコラム
前回書いたとおり、次なる課題はブスな髪。ここ2年ほどで急に悪化したうねりや、ゴワゴワした手ざわりです。

髪のクセを解決する方法としては縮毛矯正がおなじみですよね。私も若い頃にトライしました。
でも、私としては髪をまっすぐにするのがいちばんの目的じゃないんですよ。
実年齢以上に老けた印象をなんとかしたい、若々しく見せたいわけで。
なので老けた髪、傷んだ髪をヘルシーにするエステ的なトリートメントを受けたいのです。

探しているうちに、あるファッション誌のコラムページが目に留まりました。
私と同じようにうねりが悩みだというアラフィフの副編集長さんが体験レポートを書かれていて、これだ!と。

しかもヘアカット主体で片手間にやってるサロンではなく、トリートメント専門店。

効きそう。

さすが一流ファッション誌、高額紙幣1枚では足りないセレブゥなお値段でもんもんと悩みましたが結局他に対抗馬もみつからず、予約しました。

アドレスは青山の一等地。
今年オープンしたばかりの店内はバーチャル空間のようにクリーンです。
お出迎えは22、3歳くらいのキラキラした女子ふたり。
隙のない美人!というよりはほんわか柔らかい雰囲気で可愛らしいタイプ。
明るいブラウンに染めた髪は、もちろんさらさらつやつやのストレートロング。

カウンセリングシートに髪の悩みなど答えていきます。
うねり、広がり、ごわつき、アホ毛…
ん?アホ毛?脳天からぴょんぴょん飛び出すクセ毛のことですよね。
確かに悩みのひとつだけど、これって公式用語だったのか…

施術中の会話の頻度もシートの設問にありましたね。
施術の説明ありとか、全く会話なしも選べるようです。
美容師との会話やアパレル店員の声掛け、苦手な人もいますから良い配慮。


シートを見ながら口頭で改めて、前回のコラムで書いた惨状をあれこれ説明します。
するとヘアスタイリストさん(以下、担当さん)から意外なひとこと。
「えっ、全然うねりないですよ~?」
昭和な表現でなんですが、目が点になってしまいました。

「いやいやいや。今日はヘアオイルで落ち着かせて、ストレートアイロンもしてきたのでたまたま収まってますけど、いつもはこんなもんじゃないんです!」と力説しながら、
(若くてもちゃんと研修を受けたプロで、いろんな髪を見ているんだから、うねっているのはひと目でわかるはず。
もしかしたら私の悩みを解決する自信がなくて、ごまかしたいんかな?)
そんな疑念がわきあがってきたりこなかったり。

やや不安な気持ちになっていると、
「今日はサラサラというよりは、しっかり重めの髪質にして、重みで髪の広がりを抑えていきましょう」とプロらしい説得力のあるご提案。
これが担当さんが総合的に判断したトリートメントの方針になるようです。当然賛成。

ヘアケア剤は一部香りが選べるとのことで嬉しいサービス。
どれも今人気の香水のようなお洒落な香りです。
テスターを嗅ぐたびに「色気のあるかっこいい香りですね。これをつけている人がいたら私フラフラついて行っちゃいそう」とか「このアクア系はやや懐かし目ですね。私の青春です」とか、聞かれてもいないのに変な感想を言いたくなるのはなぜでしょう。

いよいよヒーリングミュージックが流れる施術室へ。
まずはマイクロ泡のシャワーとアミノ酸系シャンプーで髪や頭皮の汚れをしっかり落とします。
頭を適温に温められてマッサージ、心地よくて意識が遠のきそう…と思う間もなく、しっかり意識が飛びました。

トリートメントは4段階。まずは髪の内部にタンパク質(ケラチン)を浸透させ、スカスカになった組織を補います。
なんでも超音波の機器を使って成分をナノサイズに小さくするので、傷んだ部分が効率的に補修できるそうです。

層になった髪の組織を芯から順にケアしていき、最後に表面のキューティクルを整えコーティング。
全体的に配合成分も施術の手法も、スタンダードで理にかなっており私好みでした。
美容業界って水素水とかマイナスイオンとか、トンデモ科学が幅を利かせているようなとこもありますからね。

髪を乾かしてもらいながら少し話を聞いてみます。
ライチ「結局うねりの原因って何なんでしょうか?老化ですかね?栄養不足?」
担当さん「毛根の部分で髪を作っている時に髪の組織の結合に偏りが起きるせいだといわれていますが、その原因は難しいですね…」
やっぱりそうかと思いつつ、わからないことはわからないと答えるのには好感がもてます。

ライチ「美容師さんは紫外線の影響かもって言ってました」
担当さん「あ、それはあるかもしれないですね」
ライチ「紫外線のことを考えると、髪の分け目ってときどき変えた方がいいでしょうか?」
担当さん「分け目がいつも同じだと、立ち上がりのボリュームが出なくなってくるので、個人的にはときどき変えた方がいいと思います」
なるほど、確かに。

担当さん「髪質の変化は、女性ホルモンの影響もあるといわれてますね」
おお!聞きたいと思っていた話題をみずから振ってくれるのは嬉しい。
ライチ「そうですよね。私は年齢的にも更年期なのでホルモンががくっと減って」
担当さん「女性ホルモンは20代からだんだん減っていきますので、早い人は20代から変わっていくんです」
あれ?なんだかやんわりと年齢ネタをかわされたような。

でもね、彼女の気持ちわかる気もします。
自分が20代前半の頃、50歳の初対面の女性と話すとしたら、年齢や老化の話って絶対避けるような気がするので。
だって地雷を踏んで怒らせそうで、怖いじゃないですか。

以前に行ったメイクレッスンのメイクアップアーティストさんはおそらく30代だったので、顔の老化についてもフラットにお知恵をいただけたんですが、やっぱり若くて経験も浅い20代だと、どうしてもそのへんは慎重になるでしょうか。
とはいえ、もう少し中年の髪についてのアドバイスほしかったかなあ。

いつの間にかドライヤーは完了。ヘアミルクを軽くつけて乾かしただけなのに、指どおりするっする、まるで液体。えっ何これ気持ちいい。

ちょっと重めのしっとりした質感は、担当さんが宣言していた方針どおり!
さらにストレートアイロンで仕上げると、かつて見たことのない、ストンと垂直に流れ落ちるスーパーボブが出現しました。

ベートーヴェンから楠田枝里子へ昇格です。
私のゴワゴワうねり毛は、やればできる子、ほめれば伸びる子でした!
クセが直ったから、実際レングス伸びましたしね。
鏡の中で自分も担当さんもにっこりする瞬間は、何度経験してもいいものです。

高級なヘアケア剤メーカー直営のサロンなので、シャンプー買えと営業されるかな~と思っていたらそんなことはまったくなかったです。
そこもよかった。

ただし、支払いの時に40数%オフになる3回券をすすめられ、今日から使えるというので、はい。買っちまいました!

1回あたりの料金としてはお得とはいえ、今日の出費は予定よりもさらに諭吉が一枚上乗せされたわけで。
若干反省は残ります。

ただですね。
何か大事な仕事の前とか、目上のかたと会うとか、なのに髪がどうにも収拾がつかないってときのお助けに、いつでも使える切り札を持っているのは精神的に安心。
実用的なお守りを手に入れたような気持ちです。

あとはシンデレラの魔法がどれくらい続くか。
担当さんによると初回は持ちが悪く、目安は2週間くらいとのことでしたが、3週間後の今もまだ、かなりのしっとり&落ち着きを保っています!
もちろん直後の感動はないとはいえ、自分的には上々のコンディションなので、暇があるとつい髪をさわってしまうほど。
年内は忙しいので、年明け早々に2度めをお願いしたいな。

チーム完熟・ライチ(ライター)

「チーム完熟」のクールダウン担当、通称・師匠。1971年生まれ。雑誌編集を経て1997年からコピーライター。既婚・子なし・別居中。2018年から認知症の実母の保護者となり、2020年に看取る。コロナ禍でのもっかのマイブームはプロ将棋観戦。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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