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毎日忙しく、疲れもたまりがちなメノ活世代。「運動した方がいいのはわかってるけど、これ以上がんばれないよ~」っていうのが正直な気持ちでは?
がんばらなくてもいい、気持ちいいレベルのゆるーいトレーニング&ストレッチ<メノトレ>は、今日のからだを快適に、明日のからだをもっと元気にするコツをお伝えします!
そろそろ夏も後半に入りました。真夏日、猛暑日が続くと陥りがちな「夏バテ」。食欲が減ったり、足やお腹がなんとなく冷えていたり、休息してもだるさが取れなかったりと、メノ女(メノポーズ世代女性)にとっては、負の”夏の風物詩”かもしれませんね。
でも少しだけ向き合ってみましょう。夏バテはさまざまな原因が複合的に絡み合って身体に出ている不調ですが、快方にアプローチするシンプルな呼吸法をお伝えします。
熱中症アラートが頻発するこの夏。在宅でのテレワークも日常化したことでほとんど外出しないで生活している方も多いのではないでしょうか。前回の「メノトレ」でも触れましたが、一定の温度環境に長くいると、汗をかく機会が失われ、汗腺機能が衰えたり、体温の温度調節をに働く自律神経が鈍くなったりして「温度調節をするために汗をかく」ことがスムーズに行われなくなるといいます。
その体温調節機能が働きづらい状態で高温多湿の外気にさらされてしまうと、身体に熱をため込むことにもなり、熱中症を引き起こしてしまうそう。熱中症を回避して涼しい家に閉じこもっていると、より熱中症になりやすい身体になってしまうとは皮肉なものですね。予防のためには置かれた気温に適した温度調節を行えるよう、軽いエクササイズ(https://cantera-kounenki.com/knowledge/1468/)や入浴などで上手に汗をかけるようトレーニングをして熱さに慣れることが大切です。※1
一方で、涼しい室内と暑い屋外を行ったり来たりすることにも弊害が。体温調節をおこなっている自律神経が、常に変化する外気に合わせて調整し続けることでバランスが乱れてしまうこともあるそうです。自律神経のバランスが乱れると、結果的に血行不良となり、冷えやだるさを引き起こしてしまいます。※2
つまり、夏バテのだるさ対策に有効なのは、自律神経のバランスを整え、体温調節しやすい身体をつくること、ですね!
メノトレではおなじみ自律神経には、身体を緊張させて活発にさせる交感神経と、身体をリラックスさせる副交感神経が存在し、常に拮抗して体温調節や消化器系、呼吸器系に働きかけて生命活動を維持しています。
現代人は緊張にさらされることが多く、夜でもスマホなどの画面を見ることで交感神経が優位になっている状態が多いといわれているため、今回のメノトレでは副交感神経を優位にさせて自律神経のバランスをとる腹式呼吸をご紹介します。
また呼吸を整えることで副交感神経の活動を促して、間接的に消化器官の働きを高め、ひいては食欲不振にアプローチしていくことも期待できます。※3
「メノトレ「きほん」の腹式呼吸」
身体をリラックスさせたいときに近道となるのが、呼吸を整えて副交感神経を優位にもっていくこと。呼吸を落ち着かせることは、気分を落ち着かせることとしてヨガや瞑想、心理療法である認知行動療法※3の分野でも重要視されています。
①イスなどに座ってリラックスし、背中が丸まらないよう背筋を伸ばす
②手をおなかにあて、下腹を膨らませるようにして4秒かけて息を吸う
③細く長くお腹をへこませるようにして8秒かけて息を吐く
④これらを1分間ほど続ける
※息苦しくなる場合は無理せず、中断して呼吸を整えてください。
コツは、吐くことを意識して「吸う時間:吐く時間の対比を1:2」とすること。1分でも身体の心拍数を穏やかにすることができ、身体の緊張がほぐれていくことを実感してもらえるはずです。きほんの腹式呼吸はどこでもできるので、この機会にマスターして気分を落ち着かせたいときにすぐ行えるようにしておくといいですね。
※1
「熱中症ゼロへ」
https://www.netsuzero.jp/learning/le15
※2
日経Gooday 精神科医・産業医・作家 奥田弘美氏
https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/17/013000009/072900040/?ST=m_bodycare
※3
月刊『理学療法』28巻8号
http://www.koko-kara.info/literature/relaxation_ozaki.pdf
※4
放送大学客員教授東京大学大学院教授下山晴彦著 放送大学『認知行動療法』
P188-189より
監修:理学療法士 浜野 久美子