毎日忙しく、疲れもたまりがちなメノ活世代。「運動した方がいいのはわかってるけど、これ以上がんばれないよ~」っていうのが正直な気持ちでは?
がんばらなくてもいい、気持ちいいレベルのゆるーいトレーニング&ストレッチ<メノトレ>は、今日のからだを快適に、明日のからだをもっと元気にするコツをお伝えします!
約3割の日本人が悩まされているという頭痛(※1)。よくある不調かもしれませんが、頭痛が重くなりがちなこの季節に一度向き合ってもいいかもしれません。前回に引き続き、緊張型頭痛をやわらげる方法と頭痛のメカニズムをさらりとご紹介いたします。
※強い頭痛、突発的な痛み、手足のしびれを伴う場合は放置せず、すみやかにを受診されることをお勧めいたします。
頭痛には大きく分けて、他の病気が原因となって引き起こされる二次性頭痛と、その他の病気はなく単体で頭痛が起こる一次性頭痛があります。一次性頭痛にもいくつか種類に分けられますが、『頭痛の診療ガイドライン』によると約22.3%の方が悩まされているのが緊張型頭痛。緊張型頭痛は、頭の両側がぎゅーっと締め付けられるように痛むもので、悪心を伴わない頭痛が30分~7日間ほど症状が続くそう(※2)。
この原因のひとつは、姿勢不良による筋肉の緊張からくるといわれています。約5キログラムもある頭部を支えている首と肩ですが、長時間のパソコン仕事やスマートフォンの使用によって前傾姿勢になると負担が集中。頭蓋骨周囲の筋肉や背中から首に位置している僧帽筋(そうぼうきん)が緊張し、硬くなることで、血行が悪くなってしまいます。
いったん血行不良になると、血液中の酸素が筋肉へ運ばれにくくなり、頭蓋骨周囲の筋肉や僧帽筋はますます硬直化。こうした筋肉の緊張の高まりが頭の痛みを誘発するといわれています。
つまり、緊張型頭痛をやわらげるためには、僧帽筋・別名「肩こりの筋肉」と頭蓋骨まわりの筋肉の緊張を解くことが肝心です。前回はストレッチをご紹介しましたが、今回は肩甲骨から僧帽筋や後頸部の筋肉を動かし、より広範囲をほぐすエクササイズをお伝えします。気持ちいいですよ~!
緊張型頭痛に「肩甲骨ほぐしZ」
①正面を向いて立ち、腕を直角に曲げる。
②背中に腕で「Z」の文字を形づくるように、右腕を上にして左側へ伸ばし、左腕を下にして右側へ伸ばします。肩甲骨を反時計回りに動かす感覚です。
③左右の腕をチェンジ。右腕を下、左腕を上にし、肩甲骨を時計回りに動かす感覚で腕を伸ばす。2と3、それぞれ20回程度が目安です。
※激しい頭痛を伴っているとき、片頭痛の発作中や発熱しているときは行わないでください。エクササイズを行って痛みが強くなったときはただちに中断してください。
肩甲骨がゴリッと動く感覚になったでしょうか? わたくしマンゴー、肩甲骨と背中はさることながら、鎖骨の下の胸筋と二の腕がイタタ…でも気持ちがいい……!理学療法士の浜野さんによると、それらの部位もストレッチできるとのお話なので、お得な体操といえましょう。デスクワークの方は、ぜひ一度やってみてくださいね。
もっと他にも体操方法を知りたいという方は、日本頭痛学会が公表している「頭痛体操」をご一緒に。
https://www.jhsnet.net/pdf/zutu_taisou.pdf
これまでに経験がないひどい頭痛、突発して短時間でピークに達するような頭痛、熱がある、手足の麻痺やしびれを伴うような場合には至急、脳神経外科または脳神経内科を受診して正確な診断を受ける必要があります。また別の病気が隠れていることがありますので、頭痛症状が長引く場合や悪化したりする場合には自己判断せず医療機関への受診をおすすめします。
※1 ※2
日本神経学会 日本頭痛学会 日本神経治療学会による『頭痛の診療ガイドライン』
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/pdf/headache_medical_2021.pdf
監修:理学療法士 浜野 久美子