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Let’sメノトレ23 全身浴or半身浴? 効果的な「メノ浴」のすすめ ~今ある筋肉を保つゆるトレ&ストレッチ~

Let's メノトレ23 メノ浴のすすめ

毎日忙しく、疲れもたまりがちなメノ活世代。「運動した方がいいのはわかってるけど、これ以上がんばれないよ~」っていうのが正直な気持ちでは?
がんばらなくてもいい、気持ちいいレベルのゆるーいトレーニング&ストレッチ<メノトレ>は、今日のからだを快適に、明日のからだをもっと元気にするコツをお伝えします!


梅が咲く季節となり、外は徐々に暖かさを増してきました。が、メノポーズ世代にはまだまだ冷える時期。そこで毎日のお風呂の入り方を見直してみませんか。半身浴はダイエット効果やデトックス効果があって健康・美容によい、という刷り込みがありますが、心臓や肺機能が弱くない方は全身浴の方が良い効果を得られるそう。それはなぜか、じっくり見ていきましょう。

循環改善・リラックス効果を得られる全身浴

全身浴とは肩までお湯につかる入り方、それに対して半身浴はみぞおちから下あたりまでつかる入り方です。さて、これは入浴全般にいえることですが、お風呂に入ると得られるメリットは大きく3つあります。

40℃前後のお湯(42℃以下)に10分~15分つかった場合、
1・温熱による、血行促進、循環改善、柔軟性の獲得、リラックス効果。
2・浮力による関節の負担軽減、リラックス効果。
3・水圧による血行促進、むくみ改善
などが得られます。※1

改めて文章にしなくても、お風呂に入ると身体がほぐれてぽかぽか温まることは身をもって実感していますよね。

さて、いちおうメカニズムも説明しましょう。お湯によって身体が温まると末梢血管まで拡張され、温められた血液が心臓を通って全身へめぐることで、深部から身体全体が温まっていきます。例えるなら身体の末端にある細い路地のようだった血管が国道のように広がることで、血流がスイスイ流れるイメージです。


心臓によって全身へ送り出された血液は酸素を運ぶので、緊張している筋肉やコリがゆるみやすくなり、身体の硬さがとれてイキイキとしてくるというわけです。すると身体をリラックスさせる調整役の副交感神経が、身体を興奮させる交感神経よりも優位になり、地よい状態に導いてくれるのです。

まだあるんですよ。身体が温まったことで私たちの身体に存在しているコラーゲン繊維が伸展性を増すので、ストレッチやマッサージをすることで筋や関節の緊張がほぐれ、柔軟性が増すそうです。※1

……なんだか、習慣というか半ば惰性でお風呂に入っているものですが、こんなにいいことがあったのか! と湯船に御礼をいいたくなりますね。

心臓や肺機能に不安のある方は半身浴を

さて、上記の入浴効果ですが、半身浴になると効果が減ってしまうといいます。
考えてみれば、半身浴は全身浴に比べてお湯の外に出ている身体の体積が広いもの。となれば、その分だけ温熱効果は薄まりますし、お湯の量が少ないので浮力と水圧の恩恵は下がります。メディアでは発汗によるデトックスがうたわれている場合もありますが、身体深部が温まるのは半身浴より全身浴が優れているそう。

例えば40℃のお湯で10分程度全身浴をした場合、深部体温は1~1.2度上昇します。それに対して38℃前後のお湯に20~30分半身浴をした場合は、0.3~0.4度の上昇にとどまるというデータ※1があり、汗をかくにも全身浴の方が適しているといえそうです。

一方で半身浴のメリットもあります。まず、心臓や肺機能に疾患のある方、不安のある方は全身浴より心臓に負荷がかからないこと。実はこの原稿を書いているわたくし完熟マンゴー、2度のコロナ罹患による後遺症のせいなのか動悸や息苦しさを抱えているため、全身浴にちょっと怖さを感じています。私のような方は、肩にタオルをかけるなどして冷やさない対策をして半身浴をされるといいですよ。

次に、半身浴は全身浴に比べてのぼせにくいため20~30分ほどの長い時間お湯につかっていられることも挙げられます。お風呂に入りながらじっくりストレッチや筋トレを行いたい方に向いているといえるでしょう。

さて、全身浴と半身浴、両方のメリットが分かったところでカンテラおすすめの入浴方法をご紹介します。これもメノ活のうち、すなわち「メノ浴」でございます。

効果的な「メノ浴」の方法
1回の入浴で体の水分は500〜800ccほど喪失するといわれています。入浴前後はたっぷり水分を補給して脱水症状にならないようお気を付けください。※2

◆肩までつかる全身浴
・お湯の温度 40℃前後(42℃以下)
・入浴時間 10分程度

◆みぞおちから下をつける半身浴
・お湯の温度 38~40℃
・入浴時間 20~30分
・肩にタオルなどをかけて冷えないように

近年は入浴剤も多種多様なものが販売されていて、香りを楽しんだり、よりリラックスする効能が認められているものもありますよね(マンゴーはエプソムソルトを大量備蓄)。楽しく使い分けられるといいですね。次回は、浴用効果をさらに高める湯船のなかでできるエクササイズをご紹介します。


ご注意
・42℃以上の温度で入浴すると交感神経が刺激され、血圧が上がったり、疲労、湯あたりのリスクがあるためお控えください。
・また長時間の入浴、飲酒後の入浴は事故につながるリスクがあるので避けてください。
・暖かい部屋から寒い浴室へ移動し、熱いお湯につかると、急激な温度差により血管の収縮が激しく行われ、大きく血圧が変動してヒートショックを起こす場合があります。この急激な血圧の変動が不整脈や失神、心筋梗塞等をひきおこす場合がありますので、事前に浴室内を温めたり、かけ湯をしてから湯船に浸かるなどして注意してください。

※1・3参考 一部引用

参考資料
※1 Jpn J Rehabil Med 2018;55:997-1003
特集 リハビリテーション医療における補完代替医療の可能性
温泉療法とリハビリテーション医療 松元秀次 小林美香 李 卿
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/55/12/55_55.997/_pdf

※2 
からだケアナビ
半身浴より全身浴!? 効果的な入浴法とは~温熱効果で心も体も温まろう~
https://www.karadacare-navi.com/life/17/

※3 健康長寿ネット 高齢者の入浴事故 ヒートショック対策と予防
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/koureisha-sumai/koreisha-hitoshokkutaisakutoyobo.html


監修:理学療法士 浜野 久美子

チーム完熟・マンゴー(ライター)

「チーム完熟」の下っぱ特攻隊長。厄年以上、更年期未満の1979年生まれ。フリーランスコピーライター / 唎酒師 / 2児の母 / 2021年5月に離婚。2020年末あたりから謎のめまいが頻発し、その原因を突き止めるべく病院をめぐる。2021年現在のストレス点数は685点(※300点以上で翌年に健康障害が生じる危険性80% 出典:夏目誠・大阪樟蔭女子大学教授提供より)。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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