毎日忙しく、疲れもたまりがちなメノ活世代。「運動した方がいいのはわかってるけど、これ以上がんばれないよ~」っていうのが正直な気持ちでは?
がんばらなくてもいい、気持ちいいレベルのゆるーいトレーニング&ストレッチ<メノトレ>は、今日のからだを快適に、明日のからだをもっと元気にするコツをお伝えします!
まだまだ残暑が続く今日この頃。最高気温が33度を切ると気分的には楽になりますが、油断は禁物です。
熱中症対策として、水分・塩分を適切に補給することが大切だとされていますが、屋外で作業をおこなう職種の方を中心に、「プレクーリング」(※1) が推奨されています。今回はその考え方と方法をお伝えします。
プレクーリングとは、あらかじめ体温を下げておき、屋外に出たときの急激な体温上昇を抑えるという概念や行動のこと。警備員や建築作業員、配達業の方など屋外で身体を動かす仕事をされる方々にとって、近年続く酷暑日の作業は命の危険に関わることだと認識されています。
そこで、厚生労働省をはじめ各民間団体は以下のような方法で「あらかじめ体温を下げる」ことを推奨。屋内にいることが多いオフィスワークや在宅ワークの方々にとっても、熱中症予防の参考になるので、メノトレでもお伝えすることにしました。
「プレクーリングの方法(※2)」
①屋外に出る前に、手や足を10~15度の水につけて5~10分ほど冷やす
②手のひらや足裏、首筋などを10~15度の保冷ジェルなどで5~10分ほど冷やす
③「アイススラリー」(液体と微細な氷の粒からできているシャーベット状の飲み物)(※1)を飲んで深部体温を下げておく
手や足などの先端には末梢血管が通っており、特に手の平、足の裏などには「AVA」と呼ばれる体温調節機能に特化した血管が通っています(※3)。そのため、手や足の温度を下げておくと、冷やされた血液が脳を含め身体中を巡ることにより、適切な体温を保ちやすくするというメカニズムになっています。
ただし、凍った保冷剤などを握ると、冷えすぎてAVAが収縮し、血液が身体の中心部へ届かなくなるおそれもあるそうなので、握るなら溶けてゼリー状になっている保冷剤がよさそうです。
わたくしマンゴー、ズボラなタチもあり、凍った状態の保冷剤であらかじめ首筋や手の平を冷やし、プレクーリングをおこなってから、日傘をさして徒歩15分の駅へ出発。するといつも「ドバドバ~っ」と出る汗が「チョロチョロ」くらいになったように思います。こういう少量のサラサラ汗の方が蒸発しやすい、ということも過去のメノトレで学びました(たぶんサラサラだと思う)。おかげでノースリーブワンピースの色も、脇以外はそれほど変わりませんでした。ちなみに駅にたどり着くまで2~3回ほど水分を補給しております。
ホットすぎる日本の夏から初秋。出かける前の新習慣「プレクーリング」で熱中症を防いでいきましょう。みなさまがどうぞ健やかでありますように!
▶アイススラリーはドラッグストア、薬局、WEBの通信販売などを通じて購入することができます。
▶熱中症とは
高温多湿な環境下において、体内の水分と塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称。めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐(おうと)・倦怠(けんたい)感・虚脱感、意識障害・痙攣(けいれん)・手足の運動障害、高体温などの症状が現れ、最悪、死に至る場合がある。
※引用:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38059.html
※1
厚生労働省 熱中症予防スイッチオン 自分でできる7つのこと
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001259191.pdf
厚生労働省 STOP! 熱中症クールワークキャンペーン
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001065028.pdf
※2
大正製薬 アイススラリー研究結果
https://www.taisho.co.jp/company/news/2023/20230706001347.html
CRAMER JAPAN 熱中症対策クーリング術
https://www.cramer.co.jp/vol141care/
※3 動静脈吻合(AVA)血流と四肢からの熱放散調節
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikisho/53/1/53_3/_pdf
参考:熱中症ゼロへ 一般財団法人日本気象協会
https://www.netsuzero.jp/
競技者のための暑熱対策ガイドブック
https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/Portals/0/resources/jiss/jigyou/pdf/shonetsu2.pdf
監修:理学療法士 浜野 久美子