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2022.01.13更年期とは手塚 美幸

Let’s メノトレ!② 脚のむくみストレッチ編 ~今ある筋肉を保つゆるトレ&ストレッチのすすめ~

メノトレ2足のむくみストレッチ

なんだか体が重い……その原因は「むくみ」かも

女性に多いといわれる、手足など末端の冷え。寒い時期には「体が冷えたままだとなんとなくむくみがひどくなる」と感じていませんか?

冷えがむくみを引き起こす理由は、冷えによって血管内の血液やリンパの流れが悪くなると、細胞と細胞のすき間に行き場のなくなった水分と老廃物が溜まってしまうというものです。

体液が体を巡る仕組みは、静脈血とリンパ液、二つの流れによって成り立っています。動脈には平滑筋という筋肉があり、収縮することによって血液の流れを調節することができますが、静脈・リンパ管には平滑筋がないため、周りの筋肉を動作によって動かさないと流れが滞ります。
逆にいえば、筋肉を動かしてあげると内部の弁の作用で流れが促されるのです。

特に足から上半身に血液を送るには、足の筋肉がポンプのような働きをするため、歩くなどの動きが必要です。 さらに、更年期にさしかかると、女性ホルモンのバランスが乱れることで自律神経も影響を受けます。これにより血管の拡張・収縮がスムーズにいかなくなって血行が悪くなり、むくみが起こりやすくなるのです。また、年齢とともに筋肉量が減少すると、リンパの流れも低下していきます。

むくみ改善はセットがおすすめ! マッサージ&ストレッチ

むくみを解消するためには、全身に張り巡らされたリンパ管が集中する「リンパ節」をマッサージして流れを促し、重力を活用しながらストレッチで筋肉を動かすのが効果的です。

脚のリンパ節は、内ももの付け根(鼠径部)に集中しています。内ももの付け根を優しくマッサージして、末端に溜まっているリンパ液の流れを促しましょう。

脚のむくみ改善マッサージ&ストレッチ
①仰向けに寝る。ふくらはぎの下にクッションなどを入れ、脚を心臓よりやや高い状態にする。

②うちものの付け根に手のひらを優しく当てて、時計回り、反時計回りに各10回程度軽くさする。手のひらが密着させるよう心がける。強い力をかけすぎないよう注意。

③片足ずつ持ち上げて太もも、下腿の順に、優しく体の端から根元の方向に向け、さするように全体的にマッサージする。

④ふくらはぎの筋肉の動きをイメージしながら、つま先を上・下にゆっくり10回~20回程度、できるだけ大きく動かす。

むくみが気になる時には、車の渋滞を思い浮かべながら①~④を行いましょう。

とどこおったリンパ液を順に動かすイメージで、脚の付け根にあるリンパ節の渋滞を解消してから、次に太もも、最後にふくらはぎの渋滞を解消するようにしていきます。体の中心近くの流れを改善してから末端の流れを促すと、スムーズなリンパ液の還流が作れますね。

むくみは防ぐことが大切 最適な生活習慣とは?

最後に、むくみを減らす基本の対策は、むくんだ状態を作らないことから。むくみの原因を作らず、血行を改善できる生活を心がけましょう。

むくみを防ぐ生活習慣
・できるだけ体を動かす。長時間同じ姿勢でいることは避ける
・ハイヒールやきついベルトなど、体をしめつける服装は避ける
・冷えを防ぐ→入浴の際には湯船につかる、根菜類などを取り入れた食生活に
・むくみを排出する働きのあるカリウムを含む食品を摂る
・過度の飲酒や寝る前の水分/塩分の摂りすぎを避け、十分に睡眠できるよう心がける

ただ、過度のむくみは病気の症状として表れるケースもあります。急にむくみがひどくなった、手指や顔などのむくみが解消しづらい、日常生活を送りにくいなどの場合には早めに病院で相談しましょう。


監修:理学療法士 今井 宏太

手塚 美幸(Webメディア「カンテラ」主宰)

ライター、プランナーとして活動し、女性の健康・キャリアをテーマとするWebメディア運営、事業企画にかかわる。国家資格キャリアコンサルタント。一般社団法人 女性の健康とメノポーズ協会認定資格「女性の健康経営アドバイザー」保持。さんぎょうい株式会社働く女性の健康とキャリア事業室フェロー。42歳での最後の出産を経て、1男2女の母。

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