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乳がん検診~おっぱいが「ちっぱい」な私の無痛MRI体験。この世の春。 「閉経宣言」 vol.18

無痛MRIでコッペパンの幻聴を聞く完熟オレンジさん

チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!


みなさん、こんにちは。おっぱいが小さい「ちっぱい族」の勝手に代弁者。メノポーズ(更年期)後半戦の完熟オレンジです。
前回は、マンモグラフィー(以下マンモ)でちっぱいが「ナンじゃこりゃー」となった体験を書きました。
*もちろん、ちっぱい族の中にもマンモ楽勝!という勇者も当然いらっしゃいますので、あしからず。

今回は、ちっぱい族待望の乳がん検診「無痛MRI」の体験談です。

まず、最初にこの場を借りてどうしても言いたいことがあります。
無痛MRIに限らず、マンモも含め、すべての医療機器の開発に携わっている方、いた方、
医療機器を動かしてくださっている方、医療従事者の方など関係者各位への御礼です。
皆さんのおかげでどれだけ医療が進歩して、私たちが助かっているか。
本当に感謝しかありません。ありがとうございます。ぺこり。

さて、続いて、今年3月から9月に再放送されていたNHK朝の連ドラの名作「芋たこなんきん」についてもお話させてください。
終わりの2週は主人公・町子の夫、健次郎の闘病が描かれます。

ある日、コバルトをあてる治療に向かう健次郎に町子が「がんばってきてね」と声をかけると、健次郎はこう返します。
「がんばってくれるんは機械、僕はなんもがんばりません」。

健次郎さんは元町医者で、とっても粋で、とっても照れ屋。
この原稿を書き始めて、健次郎さんのこの言葉がよみがえってきたのです。

無痛MRIを受けた私の感想は、まさにこのひと言に集約されるから。

そう、乳がん検診中、
私はな~んにもがんばってないのです。


無痛MRIを受けたのは、2019年と2022年の2回。実はMRIという検査自体を、2019年の無痛MRIで初めて受けました。

MRIはMagnetic Resonance Imagingの略。大きな磁石で“強い磁場”を発生させたトンネル状の装置の中で、FMラジオで用いられる周波数の“電波”を体に当てて、体内の断面を画像にします。
装置の中にはコイルが巻いてあり、磁力によってコイルが伸びたり縮めたりを繰り返すことで工事現場のようなうるさい音が発生するそうです(※1)

風の噂で、閉所恐怖症にはキツイ、すごい音がしてびっくりする、などと聞いていましたが、
「痛くないならなんでもOK!」と思っていた私です。

無痛MRIには多大なる期待を持って臨み、終了後もその期待を裏切られることはありませんでした。

だって、「うつぶせになり、寝ていただけ」なのですから!
ちっぱいがナン状になることもなかったのですから!

【画像:ドゥイブス・サーチ提供】


無痛MRIの正式名称は「ドゥイブス・サーチ」。検査用の服を着たまま、うつぶせになった状態でドームに入っていきます。

どやさ! この1枚の写真を見ただけでもテンションがあがります。
見ての通りの寝ているだけなのです。
しかも、ちっぱい部分はつぶれないようにお椀のようになっているという。至れり尽くせり。

さらに、特筆すべきは、マンモグラフィでは見分けのつきにくいがんが、無痛MRIでは発見されやすいこと。
50歳ぐらいの多くの人は乳腺が豊富なため、どちらの検査でも乳房の中央部が白く映るのですが、マンモグラフィーの画像ではがんは白く映り、無痛MRIの場合は黒く映る。
黒い方がわかりやすいのは自明の理。

痛みや恥ずかしさが無いこと以外にもこのように特長もあるので、詳しくは下記URLをご覧いただきたい!
https://www.dwibs-search.com


ちっぱい族を代表して、私からはとにかく感想だけ言わせていただきたい。

まさに、この世の春でした。タリラリラ~ン♪
ちっぱい族の村々に歓喜の歌が響き渡ったようでした。
先に書いたMRIの「すごい音」には、うっとりしました。

これはもう個人的趣味としか言いようがありませんが、
はっきり言って好きなんです。あの音が!


生まれて初めてMRIの音を聞いた私がまず思ったのが
きゃっ!スターウォーズ!

特に、途中でブザーのような音がしてからの
カキーン!カキーン!ブーブーブー!
このリミックスで、スターウォーズエピソード4「新たなる希望」のオープニングが思い起こされました。
「ベイダー卿がレイア姫を探しにやってきたーーー!」
ってね。

2度目に受けたときは、図らずも直前にSF史に残る大傑作「エイリアン」を観る機会があったので、気分はリプリー。

エイリアンやなんらかの爆風から逃げるための台詞がぴったり!
「Bブロックの扉を閉めて! 急いで!」
ってね!

ガッシャーンという音とともに、すれすれのところでCブロックに移動するリプリー。
エイリアンはBブロックに閉じ込められるのですね。

鳴り続けるブーブーブーのシグナル音が緊急性を喚起し、
カキーンという高音と、ドンドン、ドドドドドーンと重低音に臨場感もマックスに。
「リプリー!パンツ一丁でいいから、とりあえず逃げて~!!」
ってね!

初回に受けたとはき、終わり際があまりにもダイナミックで、
フジロックで歌舞伎のお囃子が鳴り響いている感じ
と感動すら覚えましたが、
2度目はもう少し冷静になったからでしょうか、
ある音が「こっぺぱーん、こっぺぱーーーん」としか聞こえなくなり。

「そういえばコッペパン専門店、結局行かずじまいだったなぁ」と思い出したりして。
検査時間は15分ほどでしたが、「もっとこの場に居たい!」と思うほどに心躍るひとときでした。「居たい!」と「痛い!」じゃ、大違い、ってね!


この無痛MRI体験後、急性膵炎でMRIを受けた時には、
「この音、すっごくかっこいいですよね」と技師さんに感想を伝えたところ、
「いや~、そう言ってもらえたのは初めてです。うれしいなぁ」と
大変喜んでいただけました。ほっこり。

そうか、みんな思ってても口に出さないだけなのか、
そもそもかっこいい音と感じないだけなのか。
ま、どっちもどっちかな。(笑)


以上のように、無痛MRIの感想というと、音のことだけになってしまうという私。
もう少し気の利いたことも書きたかったのですが、

だって、本当に寝ていただけなんですもの。

おっと、気になる検査料については、健康保険が適用されないため、20,000円前後かかります(医療機関により異なるため、上記サイトで確認してくださいね)。

私の場合はなにより痛みに弱いこと。毎回マンモグラフィの場合は、必ず検診に引っかかりエコーも受ける。つまり医療機関に2度足を運ぶこと。まとめて考えて、自分へのご褒美と思って無痛MRIを選択しています。

最後にひとつ。私としては無敵と思われた無痛MRIにも、隠れた敵がいたことをお話しておきたい。
そう、意外なことに、「敵は、五十肩にあり」

そして、これはもうメノポーズ世代としては「是非に及ばず」
仕方のないことなので、五十肩の楽なときにどうぞ、としか言えない私です。

私の場合、初回の無痛MRIの時は超が付くほど楽勝でしたが、
2回目の時は右腕の五十肩がひどかったので、上の写真のようにうつぶせて手を伸ばすことが困難でした。

でも、五十肩の皆様も、安心してください。
右腕を少し腕を曲げることで事なきを得ました。

ありがとう!無痛MRI!


(※1)MRI検査はなぜ工事現場みたいに音がうるさいのですか?
https://gazo.or.jp/column/mri/16022/


チーム完熟・オレンジ(ライター)

「チーム完熟」の最年長者。1966年生まれのいい歳した永遠のカマトト。コピーライター / 結婚・出産経験なし / 閉経年齢は53歳。更年期症状はほぼやり過ごしているが、太り過ぎからくる生活習慣病をなんとかせねばと思う日々。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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