チーム完熟の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!
推し医者のいる生活~歯医者編 「閉経宣言」vol.6
みなさん、こんにちは。
39歳で上京後、16年の間に9回の引っ越しを行った完熟オレンジです。
引っ越しは面倒ですが、プチ断捨離を実行できるので嫌いではありません。
生活圏が変わるたびにお気に入りのお店ができるのも楽しみ。
な・の・で・す・が、ここで「閉経宣言」第5条。
忘れてくれるな。
美容師さんと歯医者さんは
引っ越ししてもなかなか変えられないことを。
この二者は「腕の良し悪し」×「自分との相性」がバッチリ合わないと納得のいくお付き合いとはなりません。全幅の信頼を寄せて身をゆだねることのできる相手とは、そうそう出会えないのが世の常なのです。
数々の出会いと別れを繰り返し、やっと出会えた運命の人だから、
生活圏が変わっても、電車を乗り継いでわざわざ通い、お金を落とし。
いわばリアルな「推し活」ですね!
*施術・治療を受けているのでそこは絶対的に違います。
さて、オレンジは昨年より、東京から遥か遠く西日本の地元に拠点を移しました。
東京の「推し美容師さん、推し歯医者さん」と泣く泣く別れ、新たな地で、新たな「推し」を探すことになりました。
先ほどの「閉経宣言」第5条では、「歯医者」と書きましたが、更年期女子関連の話題を耳にするにつれ、「婦人科のお医者さんとの出会い」も非常に大切なことだと思う今日この頃。
今のところ、婦人科に行く必要は感じていませんが、いつかくるやもしれぬその日のため、運命の婦人科のお医者さんと出会う確率を高めるため、今年出会った地元の「推し歯医者さん」とのやりとりを、記録に残したいと思います。
今年の4月。歯ぐきのうずきが続いた時、
「歯医者 近所」でググって、最も新しい医院をチョイスしました。
交通機関が発達していない地元では、近所が一番。
また、新しい医院の方が最新機器があるだろうな、と思って。
結論として、ビギナーズラックで「推し医者」と出会えました。
「腕の良し悪し」でいうと、オレンジ史上文句なしのNo.1。
年の頃は40代前半と思われるお医者さまですが、
その治療たるや熟練した匠の技の趣があり、ダントツに丁寧。
しかし、この先生、非常に個性的な方なのです。
いや、先生からしたら、きっと私が個性的。
それは多分、私と先生が、お互い苦手とする話し方をする人種であるから。
書き言葉では5W1Hを意識できても、話し言葉では主語が抜けがちで、一度に多くの文脈を垂れ流す私と、話し言葉でも5W1Hをはっきりさせて、1文ごとに対話を完結させたい先生とでもいいましょうか。
だのに、なぜ、歯を食いしばり、オレンジはこの先生を推しているのか。
それは、やはり、繊細な治療に対して圧倒的に満足しているから。
そして、面倒に思えるコミュニケーションギャップを埋める作業が、
私のオタ心にフィットして面白いからなのです(笑)
これでもコピーライターの端くれとして、お医者さんに対しては、より伝わりやすい話し方を心がけているオレンジでございます。
しかし、病に弱り、その心がけが緩むこともしばしば。
「今日はどうされましたか?」
「下のここが痛いです。木曜日からです。
昨日は痛み止めの薬を飲んでも眠れませんでした」。
ここで、先生からの次の言葉を待てばよかったのですが、
現状を訴えたい気持ちが先走り、ペラペラと話し続けた私。
すると、先生は、
「いまおっしゃられたことを確認しますと、○○は○○でしたか?」
「はい。それが、なんとなく、AもBになって。ベラベラ。」
「すみません、○○は○○だったのですね」
「あ、はい」
わかりますか?
質問の答え以外にあたる「それが、なんとなく、AもBになって」は、ここでは余分な追加情報なのです。
もちろん、先生は、次の会話で、「AがBになったということですが、それは××ですか?」と逐一確認してくれます。これってつまり・・・
先生には、繊細さが要求される治療に全神経を集中していただきたいのに、
私との会話が、先生に負担をかけている。
かたじけない!
そう気づいたとき、私は自らの発言にさらなる工夫を凝らすことにしたのであります。
●文章はとにかく簡潔に!
●質問されたら、その答えだけを述べ、先生の返答を待つ。
●追加で言いたいことがあるときは、「追加で言いたいことがあります」と宣言する。
●例えば2つ質問があるときは「先生、質問が2つあります」と宣言し、「まず、ひとつ目の質問です」と、クイズの司会者っぽく言う。仮に私が2つ目の質問を忘れたとしても、先生は「2つ目の質問をお願いします」と言ってくれるのでその点は安心材料。
とりあえず宣言すると、先生は「我が意を得たり」の表情で対応してくれますし、短文のやりとりの繰り返しで、コミュニケーションもスムーズになった気がしました。
欲が出てきた私は、「ニュアンス」をより正確に伝える術はないものかを模索。例えば、「痛さの程度」の知らせ方です。
私の実力が試される瞬間は、突如やってきました。
根の治療中、チクッときた私の顔のゆがみを察知した先生が、その手を止め「痛かったですね」と確認してくれたときのこと。私にコピーライターの神様が舞い降りたのです。
「はい、痛さを1から5で表現すると、4です」。
どやさ!!
私、うまいこと言った!!
どうですか、先生!
これぞ、先生がお望みのコミュニケーションではないですか?
さあ、先生、わたくしの実力をお認めなさい!
勝利の煌めきに満ちた瞳で、先生の返事を待ちました。
ドキドキ、のち、先生、曰く。
「ちなみに確認いたしますが、
5が一番痛い、という認識でいいでしょうか」
そ、そ、そうきたか~!!!
オレンジ、まだまだ修行が足りませんでした。ぴえん。
そうね、そうね。5が一番痛いだなんて、オレンジの思い込みね。
先生の疑問もごもっともよね。
しかし、腕はいい。絶対的にいい!
根の治療ビフォーアフターのレントゲンを見て確信しています。
地元で出会えた「推し医者」ですもの。
先生の治療技術の恩恵を存分に受け取るために、
これからもコミュニケーションスキルを磨く努力は惜しまない所存です。
歯間ケアにかける時間も惜しみませんよ!
ふんが、ふっふ。