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公開!ベートーヴェンヘア、劇的ビフォア&アフター。「50歳のうぬぼれ鏡」Vol.21

ストレートパーマのビフォアアフターを実証するため、素髪で電車に乗る完熟ライチさん

チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!


エストロゲンというキャッチーなワードが目を引いたのでしょうか?
私が担当したコラムにしては異例のPV数を記録している
エストロゲンの減少は髪にも現れる?「50歳のうぬぼれ鏡」vol.5

そして続編の
うねり毛ベートーヴェンの運命は変わったか。「50歳のうぬぼれ鏡」vol.6


こちらの2本に続き、メノポーズ世代の関心が高いと勝手に思っているくせ毛・うねり毛問題のその後をご報告します。


上記のコラム第6回でヘアトリートメントサロンに行った私。
仕上がりに満足していたのに、施術の回数券を使い切る前に、なんとお店が廃業してしまいました!
青山の一等地のわりに、あきらかにお客さん少なかったものなあ…。
ちなみに回数券は払い戻してもらえたのでそこはご心配なく。


他店でもトリートメントを試しましたが、最初のサロンほど効果が続かず、すっかり元通りのボサボサ。
もうベートーヴェンヘアのままババアになろう、と投げやりになっていたところ、同年代の友人から耳寄りな情報がもたらされました。


なんでも、最新の縮毛矯正(ストレートパーマ)は髪が傷まず、むしろ施術前よりしっとりするほど進化しているというのです。
確かにもともとくせ毛だったはずの友人の髪は、生まれつき素直な髪質の人のようにナチュラルに流れ、つやつやと輝いていました。
私のストレートパーマのイメージは、20代の頃に試した、「髪がぎしぎしして枝毛になるアレ」のままで固定されていたので、えっと驚きました。


ただ、そのとき季節は爽やかな秋口。うねり毛の天敵である、湿度が高い梅雨時〜夏はもう過ぎていました。
市販のヘアオイルや洗い流さないトリートメントを使えばそこそこしっとりして暴れ毛先が落ち着き、さらにストレートアイロンで少しはまっすぐになります。
そんなこんなで、まあいいか…と決行を見送っていました。


こういうぬるま湯の現状肯定を揺るがすのは常に外圧です。
私はとあるニッチな某ジャンルのファンを趣味にしており、年末にいわゆる「推しに会えるイベント」のチャンスが舞い込んできたのです。
突然、自分に出していた低レベルなオッケーが許せなくなりました。
こんなボサボサの老け髪じゃ推しに会えないわ!バカバカ、ライチのバカ!!
いにしえの少女マンガのヒロインのような気分でサーチ開始。


ストレートパーマの情報をくれた友人はやや遠方に在住なので、彼女のおすすめ店は候補から除外です。
調査中に認識したのは、髪を傷めない、保湿効果があるなどとうたっている新世代ストレートパーマには、特に共通の製品はなさそうだということ。
各店それぞれ、薬剤をブレンドしたり独自の工程を加えたり、秘伝のレシピがあるようなのです。
よって、お店で呼んでいる名称もさまざまで、検索にはちょっくら骨が折れました。


やがて、隣県のお店がヒット。電車で小一時間かかる郊外です。
乗り換えなしの一本で行けるのがありがたく、予約を入れました。


レトロな商店街がちょっとした観光スポットでもある良い風情の街。
少し早めに家を出て、ぶらぶら街歩きでも楽しみたいところ。
しかしそれは叶わぬ夢でした。
ビフォア&アフターの変化がわかりやすい写真を撮るために、あえて手入れなし、野生のベートーヴェン状態で出かけたからです。
すべてはこのコラムのネタのため!
平日昼間の下り電車でもちらほら乗客はおり、いたたまれない思いでした。


商店街に面した小さなお店を訪れた私は、美容師さんに頼みました。
「ビフォア&アフターを比べたいので、写真を撮ってもらっていいですか?」
「はい、もちろん大丈夫ですよ」
「いつもはヘアアイロンで精一杯伸ばして外出するので、もうちょっとマシなんですが、今日は素の状態を見ていただきたくて、あえて洗ったまま何もしないで来ました」
すると彼女は大きくうなずいて、
「あ、そうでしたかあ〜!実は私も、ちょっとこれは…と思って…」
語尾をごにょごにょとフェードアウトさせると、一呼吸おいて
「でも任せてください!アフター、すっごく変わりますから!」
力強く断言してくれました。
そして私のスマホでビフォアを撮りつつ、自分のスマホも出して、
「あの、ネットとかに出さないので、私も個人的な資料として撮ってもいいでしょうか?」と許可を求めてきました。
研究資料として価値ある私の髪。


4工程、4時間がかりの手の込んだプロセス。
諭吉2枚以上の費用は激痛でしたが、手間ヒマを考えれば妥当かも。
施術中は時間つぶしにとデジタルマガジンの他に、ネットフリックスのドラマをすすめられました。長時間のお客さん用にタブレットを導入したそうです。


さあお待たせしました。こちらがビフォア&アフター画像です!
なお、揃える程度に毛先をカットしています。

なかなかの撮れ高じゃないですか?(人生最大級のドヤ顔で)
乾燥してゴワつき、大きなうねりと細かな縮れの両方に悩まされていたのがかなり改善しました!
まず、かつて見たこともない天使の輪っかが生まれています。
手ざわりはまるで血統書付きのペルシャ猫のようにしっとりなめらか。
もともとのくせが強いのでさすがにドストレートとはいかず、細かな波打ちは残っているものの、可能な限り毛の一本一本が伸ばされており、うねりはほとんどなくなりました。
この日はカラーリングをしていないのに、保湿効果で髪色が落ち着いたのも不思議。
ブローの途中から私も美容師さんも笑いが止まらなくなり、変なテンションでアフター写真を撮りまくりました。


施術から3ヶ月経過した現在も効果は持続しています。
シャンプー後にただ乾かすだけ。なにげに時間がかかっていたロールブラシもヘアアイロンもなしでそこそこ整うらくちんさ、もう元に戻れません。
うーん、なぜ私はストパー以外のトリートメントケアにこだわっていたんだろう?
今となってはまったく意味がわかりません。


えっ、推しのイベントはどうだったかですって?
実は持ち前の人見知り力を発揮して、推し様とはろくに会話もできませんでした。
それでもイベント中、髪のコンプレックスを忘れて過ごせたのは、それだけで私にとって幸せといえる大きなメリットでした!


そして今回のことで、いまどきの若い子たちが軒並み、ウィッグのようにつやつやさらさらな理由がわかりました。
みんなが生まれつきの直毛ばかりじゃないよね、ちゃんとお金と手間を掛けていたんだね。偉いよみんな。
別人種だと思っていた、可愛い女の子たちへの共感とリスペクトが芽生えたライチでした。

チーム完熟・ライチ(ライター)

「チーム完熟」のクールダウン担当、通称・師匠。1971年生まれ。雑誌編集を経て1997年からコピーライター。既婚・子なし・別居中。2018年から認知症の実母の保護者となり、2020年に看取る。コロナ禍でのもっかのマイブームはプロ将棋観戦。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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