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Let’sメノトレ⑫ だるさリセットエクササイズ ~今ある筋肉を保つゆるトレ&ストレッチのすすめ~

メノトレ12だるさリセットエクササイズ

毎日忙しく、疲れもたまりがちなメノ活世代。「運動した方がいいのはわかってるけど、これ以上がんばれないよ~」っていうのが正直な気持ちでは?
がんばらなくてもいい、気持ちいいレベルのゆるーいトレーニング&ストレッチ<メノトレ>は、今日のからだを快適に、明日のからだをもっと元気にするコツをお伝えします!


首・肩・腰。とにかく上半身の不調が増した方へ

前回の「ゆううつ気分をスッキリさせるストレッチ」をお試しいただけましたか? まだでしたら、ぜひそちらもやってみてくださいね。今回はそこから一歩踏み込んだ「だるさリセット」のエクササイズをご紹介します。

監修にご協力いただいている理学療法士の浜野さんによると、コロナ禍でリモートワークが一般的になった2年前あたりから、首や背中の痛み、腰痛、手のしびれなど上半身に問題を抱えたメノポーズ世代の方が多く来院するようになったそうです。

改めて考えると通勤とは、毎日続けていたエクササイズのようなもの。それがなくなり、慢性的な運動不足と、デスクにかじりつく姿勢が悪かったことが引き金となり、上半身に不調が出ているのだと推測されています。

そこで、座ったままでできるこの「ゆるトレ」。上半身のこわばりをほぐしながら、眠気やだるさをリセットしていきましょう。オンライン会議を待機している直前の数十秒でもできちゃいますよ!

「だるさリセットエクササイズ」
①背もたれのある椅子に深く腰掛ける。
②首の後ろで両手の平を組み、後頭部の重みを支える。肘は正面に向ける。
③肘を天井へ向けるように、上半身をそのまま後ろへゆっくり倒していく。
このとき、呼吸を止めないこと。後ろへ倒れるといきに息を吸い、戻るときに吐くとよい。
④3~5回行う。
1時間ごとに行うようにすると、姿勢を正しくすることに意識がむいて気分転換にもなります。

※首や肩の痛みが出る場合は無理せず中止してください。

だるさのカギを握る自律神経

上半身に不調を抱える方は、姿勢に問題がある場合が多く、知らず知らずのうちに猫背や巻き肩(肩が前側に閉じたような状態)になっているそう。そのため呼吸に使われる筋肉が硬くなってしまうことで肋骨が上手く広がらず、呼吸が浅くなっていることがあるようです。そうなると交感神経と副交感神経のバランスが崩れやすくなり、昼でもだるくてボーっとしてしまうというわけ。

そこで呼吸や血圧、体温調節を司っている自律神経を整えることが大切です。自律神経とは人の生理機能である呼吸や血圧、体温、また排便排尿の調節などに関わっている神経で、大きくいうと交感神経と副交感神経の2つに分けられます。

交感神経は主に身体のエネルギーを使うために身体の機能を促進する役割があり、背骨の胸椎(きょうつい)という部位から派生しています。それに対して副交感神経はエネルギーをため込んで身体を回復させようとする役割があり、脳と仙髄(せんずい)という部位から派生しています。

エクササイズやストレッチで胸椎を刺激すると、身体を活発にする交感神経のスイッチが入り、だるさをリセットできるというわけ。胸椎は肩甲骨の間に位置しているので、このエクササイズで背中を適切に伸ばすことが有効なのです。

身体の生理機能をオートマティックに作動させてくれる自律神経。私たちメノポーズ世代は疲労やストレス過多などにより、その働きのバランスが崩れがちだからこそ、自律神経にうまく働いてもらうよう促すことが身体を好調に保つカギといえそうですね。


監修:理学療法士 浜野 久美子

チーム完熟・マンゴー(ライター)

「チーム完熟」の下っぱ特攻隊長。厄年以上、更年期未満の1979年生まれ。フリーランスコピーライター / 唎酒師 / 2児の母 / 2021年5月に離婚。2020年末あたりから謎のめまいが頻発し、その原因を突き止めるべく病院をめぐる。2021年現在のストレス点数は685点(※300点以上で翌年に健康障害が生じる危険性80% 出典:夏目誠・大阪樟蔭女子大学教授提供より)。
執筆note 「完熟5(かんじゅくふぁいぶ)」

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