チーム完熟 の【完熟お見舞い、申し上げます】
既婚、未婚、子あり、子なし、シングルマザーとバラエティに富んだ編成のコピーライター集団「チーム完熟」。酸いも甘いもかみ分けてきた40代~50代の4人が人生の後半にさしかかり、訪れた心身の変化に向き合う奮闘記【完熟お見舞い、申し上げます】。同世代の読者が抱えるモヤモヤした気持ちを少しでも明るく照らせますように!
カーブスのプロテイン試飲会にて、3ヶ月分のプロテインを購入したライチ。
早速家でシェイクして飲んでみるも、消化不良で気分が悪くなってしまい…。
というところまで前回お話ししました。
翌日、再トライ。冷たい牛乳がおなかに良くなかったのかと思い、熱すぎない程度にレンチンしてからシェイクします。
店長さんも、ホットミルクもいいですよーとおすすめしていたので。
ところが、液がフルーチェのようにドロッドロになり、温度もなまぬるく、信じられない飲みにくさ。冷たい時よりさらに不味い。
心で泣きながらなんとか少しずつ飲みくだすも、やはり数時間続く胸焼け。
胃腸薬を飲んでも、のどにものがつかえたような不快感はなかなか消えません。
私、体質的にプロテイン合わないみたい。このまま続けるのは絶対無理。
せっかくやる気になっていたのに、筋トレ劣等生のらく印を押されたようでズーンと落ち込みました。
プロテインパウダーには大きくわけてホエイ、カゼイン、ソイの3種類があり、カーブスのプロテインは牛乳由来のホエイを使用。
大手メーカーのサイトをいくつか読む限りではソイプロテインよりも吸収が早く、もたれにくいとのこと。
とはいえ、一般論なので個人の体質によって合う合わないがあるでしょう。
どうしても消化が難しいとなれば、諦めるのは他のタイプを試してからでも遅くはなさそうです。
週明け、私は早速店長さんに定期購入契約を解約したい旨、訴えました。
「開封してしまった分は仕方ないですが、残り2ヶ月分はキャンセルできませんか?」
すると店長さんは「あっ。そういう方、いらっしゃるんです。ちょっと待ってくださいね」と奥に引っ込み、1枚のチラシを持って戻ってきました。
そう、カーブスにはプロテインをやめたがる会員へのマニュアルがちゃんとあるんです。
「プロテインとおなかの関係」と題されたプリントには、プロテインを飲んで不調になる原因は「たんぱく質を消化・吸収しにくい体質」とありました。
テキストを指差しながら読み上げてくれる店長さん。
そして、「これを解消するためには」と言いながら、ものものしい手つきで取り出したのは、どこにでもある使い捨てのプラスチックスプーンでした。
屋台フードのガパオライスとかについてくる、薄黄色のやつです。
「このスプーンは」スプーンを目の前にかざしながら、芝居がかった口調で語る店長さんの周りにはなにか異様な磁場が形成されはじめました。
「カーブスプロテインに付属の軽量スプーンの、8分の1なんです。8分の1。これくらいの量なら、大丈夫ですよね。これでいけそうだな〜?と思ったら、量を増やして。もしも調子が悪くなったら、1日休んで。無理せず、徐々に胃腸を慣らしていってください」
もしも消化酵素の不足などでプロテインが体質に合わないとしたら、アルコールが飲めない人と同じで、胃腸が慣れるなんてことはないのでは?という疑問が湧きました。
するとそんな私の表情を見てとったのか、店長さんはさっとプリントを裏返します。
そこには「プロテイン★私に合った飲み方発見ストーリー」と題された、会員さんの顔出しの体験談が載っていました。
プロテインで便秘、下痢、腹痛、胸焼けになってしまった4人です。
これだけ見るともはやプロテイン、体に悪いのでは?と思わずにいられません。
よく見ると皆さん量を減らしたり、ヨーグルトと合わせたりの工夫の結果、数カ月後には通常量飲めるようになっていました。
しかし、そうまでして飲まなくてはいけないものなのだろうか。
私の心の迷いを断ち切るように、店長さんは
「ライチさんもまずは8分の1から。ねッ」
プラスチックスプーンを大切そうに差し出すので、私も宝物のように受け取り、
「じゃあ、試すだけ試してみます」
流れに流され、断れませんでした。
またあの胃のむかつきに耐えるのか…と思うとげんなりした気持ちになりつつも、プロテインが合わない人、他にもけっこういるんだなという謎の安心感もあり。
1ヶ月後のはずの次回のプロテインの発送は、遅らせてくれるとのこと。とりあえず最長の3ヶ月後に設定しました。
さて、その後どうなったのかのご報告。
例の使い捨てスプーンは使いませんでした(笑)
だって要するに少なくしろって意味ですから、正規の軽量スプーンで1/8とか1/4量をはかればいいじゃないですか。
そして2〜3日に1度、調子がいいかな?と思った日にトライ。すると悔しいですがあのマニュアルの通り、おなかがプロテインに慣れてきました。
今は軽量スプーン4分の3くらい飲めています!
どうしてフルに1杯じゃないのかというと、通常量だとドロドロと濃いめになってしまうから。
単に、のどごしの好みの問題です。
1か月分のプロテインを2か月オーバーのスローペースで飲みきることができたので、店長さんにその旨報告。
「良かったです!せっかく習慣になってきたので、この流れを逃す手はないですね」
すかさず顧客ファイルをめくり、次回届く日程を調べる店長さん。
「う〜ん、次は1ヶ月後ですか。今、このタイミングで続けないともったいないですっ」
「別に急がなくても。鶏肉とかお豆腐とか食べるので大丈夫ですよ」
心にもないことを言うライチの本性を見透かしたかのように
「いやいや。ちょっとお待ちくださいね」
再びバックヤードに消えた店長さんは、新品のプロテインを一袋持って戻ってきました。
「ライチさんのお宅にプロテインが届いたら、交換に持ってきてくれればいいです」
なんと、プロテインを前借りさせる裏技が出ました。
1日でも早く飲ませようとする押しの強さほんとうにたくましい。
その後は、体調の波によってプロテインの消化がスムーズな日と、もたれるな〜という日がある感じ。
毎日が快調というわけではないですが、3日に2回ほどのまあまあなペースで続けられています。
そして、食事のたんぱく質12点はハナから諦め、おそらくは目標値の半分くらい、ムキムキ度の低い食生活を送っています。
そうそう、カーブスでは月ごとに4種類ほどのたんぱく質レシピが提供され、希望者はレシピカードを持って帰ることができるんです。
おそらく栄養士さんが鶏肉、豆腐、魚などをメインに、塩分や脂質など計算してヘルシーに作っているのでしょう。
さすが女性専用フィットネスならではのこまやかさ。
もちろん私はレシピをもらったことは一度もなく、お料理好きな皆さんって素晴らしいわ〜と他人事で過ごしています。
そろそろこのコラムのカーブス体験記編も終わりを迎えつつありますが、ひとつ、書いておきたいことがあります。
それは、新規会員の勧誘。
カンテラ読者の皆さんの中にも、お友達から「一度無料体験に来てみない?」などと誘われたことのあるかた、いるんじゃないでしょうか。
次回は、カーブスの独特の空気感をかたちづくる勧誘の実態を、あくまでいち会員の私の目線でお届けしたいと思います。