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毎日忙しく、疲れもたまりがちなメノ活世代。「運動した方がいいのはわかってるけど、これ以上がんばれないよ~」っていうのが正直な気持ちでは?
がんばらなくてもいい、気持ちいいレベルのゆるーいトレーニング&ストレッチ<メノトレ>は、今日のからだを快適に、明日のからだをもっと元気にするコツをお伝えします!
普段は話題にのぼらずとも、誰かが口火を切ったとたん「実は…」「私も!」と次々カミングアウトが始まる「尿もれ」。恥ずかしがることはありません、きっとみな通っている道。笑ったり、くしゃみをしたり、はたまたなわとびをすると、なぜ尿もれが起きるのか。そして、それを防止するためには何をすればいいのか。しっかりお伝えしていきます!
尿もれと切っても切れない関係があるのが「骨盤底筋群」と呼ばれる筋肉です。これらの筋肉は、パンツをはいた状態でいうところのクロッチ部分(股)に渡って存在しているもので、おしっこを我慢するときに「キュッ」と締まる部分。例えるならばペットボトルを逆さにしたときに出入口にフタをしてくれる筋肉です。
ところが、この「骨盤底筋群」が傷ついたり弱くなっていたりすると、身体に重力や腹圧がかかったときにキュッとフタを閉めることができず、中身が出てきてしまう……この現象がいわゆる尿もれ。正式名称は「腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)」といいます。
ではなぜ「骨盤底筋群」が機能しづらくなるかといえば、妊娠と出産が原因の一つだといわれています。赤ちゃんを宿した子宮がどんどん大きく重たくなって数か月が経つことにより、子宮を下支えする骨盤底筋群が弱くなってしまったり、経腟分娩時に傷ついてしまうことがあるようです。
損傷した筋肉は修復へと向かっていきますが、残念ながら弱くなってしまった骨盤底筋群をそのまま放置していても自動的に戻ることはありません。そのため、妊娠と出産回数が多いほど、骨盤底筋群が弱くなるリスクが高まる、ということに。
また、妊娠出産経験のない方も要注意。閉経前後において卵巣の機能が低下し、女性ホルモンの産出量が減ると、骨盤底筋群の弱化につながることがあります。それは女性ホルモンが減ると筋肉量が減り、エネルギー消費量も減少傾向に。つまり、それまでの生活をしていても太りやすくなり、脂肪や内臓の重みが増すと骨盤底筋群への負担も増加して、骨盤底筋群が機能しづらくなるからです。閉経は回りまわって尿もれにも連動しているのですね。
だいじょうぶ、希望を捨てることなかれ。弱くなってしまった骨盤底筋群をエクササイズで引き締めていくことは可能です。はじめは引き締める感覚がわからない人も継続すれば徐々に感覚をつかめるようになります。監修いただいている浜野さんのご指導経験によると、早い人なら7日~10日程度で骨盤底筋群を「働かせている」という実感が得られるそうなので、善は急げ!で始めてみてくださいね。
「骨盤底筋群エクササイズ初級編」
①ベッドにあおむけに寝る
②両ひざを立たせる
③おしっこを我慢する感覚で、骨盤底筋群をキュッと頭の方へ引き上げ引き締めていく。この時、息を吐きながら5秒間かけて引き上げ、筋肉をゆるめて息を吸うと効果的。くりかえし5回ほど行う。
※正しくできていると下腹も一緒に引っ込むことになるので、くりかえし行って感覚をつかんでください。
骨盤底筋群は骨盤の中に入っているインナーマッスルで、同じくインナーマッスルである腹横筋(ふくおうきん)と協同して働きます。これらの体幹筋が鍛えられて安定してくると、身体全体のバランスが良くなり、その他の筋トレやエクササイズが効率的に作用するそう。鍛えておくとお得な筋肉なので、ファイトです!
監修:理学療法士 浜野 久美子